米ソ冷戦時代を背景に核戦争の危機を描いた作品。『十二人の怒れる男』など社会派の巨匠シドニー・ルメットが、密室の会話劇を中心に緊迫感あふれるドラマを構築。同年の『博士の異常な愛情』と並び高い評価を得た。
水爆を搭載したアメリカの爆撃機がモスクワ爆撃命令を受信。それは機械の故障による間違った指令だった。すでに爆撃機編隊を呼び戻す術は失われ、合衆国大統領は、核戦争回避のために恐ろしい提案をする……。
(全文はリンク先へ:BS松竹東急公式サイト/日曜ゴールデンシアター『未知への飛行』)
キューブリックファンにはおなじみ、キューブリックに盗作と訴えられたシドニー・ルメット監督の『未知への飛行』が10月23日(日)18:51よりBS松竹東急でオンエアされます。
実はキューブリックが『未知への飛行』を訴えた真意は、製作が進んでいた似た内容の『博士の異常な愛情』より先に完成・公開させないためだった(『博士…』公開後に和解している)、というのもよく語られているエピソードですが、キューバ危機の記憶もまだ生々しかった当時、こういった「核戦争もの」はブームになっていて、『博士…』どほではなかったにせよ、『未知…』もそこそこヒットしたというのも当時の世相を色濃く反映しています。
キューブリックと違って(笑、誠実で実直な映画づくりで定評のあるルメットらしい、実に誠実で実直な作品です。未見の方は同テーマにおける『博士…』との対比を楽しめる良い機会だと思います。また、ちょっと邪道ですが「本来はこうだった『博士の異常な愛情』」という見方もできるかも知れません。『博士…』の原作小説『破滅への二時間』は非常に真面目な内容ですので。
情報提供:崎環さま
追記:2022年11月3日、4日に川崎市アートセンターで開催される『2022 KAWASAKIしんゆり映画祭』で上映されるそうです。「大画面で観てみたい」という方はぜひ足をお運びください。詳細はこちら。
情報提供:rinntapapaさま