アイズ ワイド シャット

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画像引用:IMDb - Eyes Wide Shut

 スタンリー・キューブリックが最後に挑んだテーマ、それは性的な精神世界への旅立ちと緊迫のサスペンスの融合。そしてこの作品はトム・クルーズとニコール・キッドマンという二人のスターのキャリアにおける試金石となった。クルーズの演じる医師は、彼の妻(キッドマン)から性の欲望を告白されたことが引き金となり ― それが恐るべき殺人事件に発展していくとも知らずに ― 自らの結婚生活を脅かすほどエロティックな衝動に埋没していく。疑惑と恐怖から脱皮し、自己発見と調和へと続く道が、キューブリックの振るタクトによって、花開いていくかのようだ。優雅な撮影、卓越した色彩、息をのむ映像。時代を代表するフィルム・メーカーとしての名声を欲しいままにしたキューブリックが見せる勇壮華麗な演出は、全ての人の目を大きく見開かせ続けるだろう。

再生時間:02:39:07
配信期間:2020年12月28日(月) 00:00 〜 2021年3月7日(日) 23:59

(引用:GYAO!『アイズ ワイド ショット』




 Yahoo系の動画配信サイト、GYAO!が『アイズ ワイド シャット』を無料配信中です。登録の必要ありませんので気軽に観られるのがいいですね。未見の方はこの機会にぜひどうぞ。
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 『アイズ ワイド シャット』のカットシーン。どの画像もアリスが海軍士官との浮気願望を覚えた、夏の休暇で行ったケープコッドのシーンだと思います。1枚目は珍しいトム・クルーズが自転車に乗るシーン。2枚目はニコール・キッドマンが乗馬をしているシーン。3枚目は「ザ・スタンリー・キューブリック・アーカイブ」にも掲載がある、以前から知られていたボート遊びのシーンです。

 ケープコッドはwikiによるとアメリカ東海岸の有名な避暑地で、ケネディの別荘があることでも知られているそうです。日本で言えば軽井沢のようなイメージでしょうか?原作小説『夢奇譚』では一家の休暇はデンマーク(舞台はウィーン)だったのですが、秘密のパーティーのパスワードもデンマークであったため「偶然にしてはできすぎ感がある」ということで、避暑地はケープコッド、パスワードは「フィデリオ」に変更になりました。そもそも舞台が19世紀末のウィーンから20世紀末のニューヨークに改変されているので「デンマーク」は使うことはできませんでしたが。

 キューブリックの飛行機嫌いのため、撮影はアメリカのケープコッドで行われたはずがなく、似た風景のおそらくロンドン郊外のどこかだと思います。原作小説でもこの休暇のくだりはあまり重要ではないので、撮影をしていたこと自体が驚きなのですが、どのシーンも「休暇といえばサイクリング、乗馬、ボート遊び」的なありきたりなシチュエーションですし、回想シーンの予定でしょうから映画でも重要度は低いですね。カットするかもしれないけどとりあえず念のために撮影しておいた・・・という程度だと思います。
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『アイズ ワイド シャット』撮影中、休憩するキューブリック、トム・クルーズ、ニコール・キッドマン。トムの後ろの女性はコンポーザーのジョセリン・プーク?

 ニコール・キッドマンが1990年〜2001年まで続いたトム・クルーズとの結婚生活について語るのは非常に稀なことだ。が、『New York Times Magazine』の最新インタビューで、キッドマンは1999年にスタンリー・キューブリック監督の『アイズ ワイド シャット』撮影当時の2人について打ち明けている。

 まず、ニコールは、トムとの共演は非常に辛く、撮影期間が予定より長引いたのが(離婚の)理由だというのは「誤り」だと一蹴。「彼と仕事をするのは楽しかった。撮影は2年に及んだわ。私たちには子供が2人いて、基本的にはトレイラーに住んで、スパゲッティを作ったりしていた。キューブリック監督がときどき私たちと一緒に食事をしたがったから。私たちは世界一のフィルムメーカーと仕事をし、人生について学び、撮影現場での生活を楽しんでいたの」と、彼女。

 「私たちは『いつ終わるのかしら?』とはよく言っていたわ。3ヶ月くらいだろうと思って、そもそも現場に行ったから。それが1年になり、1年半になった。でも、作品に身を委ねさえすれば、私は素晴らしい時間を過ごせるだろうと。キューブリック監督は拷問のようでなんかなかったわ。彼はとにかく根気があって、たくさん撮るの。でも、撮影するだけじゃなくて彼のオフィスで床に座って話をしたり、動物のビデオを見たりもしていたのよ」と、ニコールは続けた。

〈以下略〉

(全文はリンク先へ:Harpers BAZAAR/2020年10月7日




 キッドマンにとってキューブリックと共に過ごした2年という月日は「何物にも変えがたい経験」と語っています。それはDVDやBDに収録されたインタビュー動画でも同様なことを語っていて(その詳細はこちら)。その証言内容はキューブリックファンなら知っておかなければならないものばかりです。撮影が長引いた理由はキューブリックが「何か新しいもの、面白いもの」を追求し続けた結果であり、それは『アイズ…』本編を観れば自ずと理解できます。また、制作スタッフの証言集の『【考察・検証】『アイズ ワイド シャット』の儀式・乱交シーンについてのスタッフの証言集』もぜひお読みください。

 ところで、記事にある「フィルムメーカー」という言葉ですが、これは「映画製作者」と訳されます。ところが日本では「映画製作者(フィルムメーカー)」と「映画監督(フィルムディレクター)」を明確に区別して語ったり論評したりする文化が熟成されていません。もちろんキューブリックは前者なのですが、一般的には便宜上、もしくは通例で後者で呼ばれています。この両者の違いを区別できない、区別して語ることができていない論評やレビュー、記事などは傾聴に値しない、ということはやはり同じく知っておくべき事実だと、管理人は思います。
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『アイズ ワイド シャット』にある、わかりにくいキューブリックのギャグの一例。このシーンには『夜のストレンジャー(Strangers In The Night)』(奇妙な人たちの夜)が流れている。※一部画像加工済

〈前略〉

 キューブリックはトム・クルーズが演じたウィリアム・ハーフォード博士の役を、トム・ハンクス、ウディ・アレン、スティーブ・マーティン、ブル・マーレイなど、いくつかの俳優を検討していたことが判明しました。このニュースは、デビッド・マイキックス著の新刊『アメリカの映画監督スタンリー・キューブリックのアイズ ワイド シャット』で明らかになりました。『アイズ…』はアーサー・シュニッツラーの1926年の小説『夢物語』に基づいており、伝記は1970年代から80年代にかけてキューブリックは、主演俳優をコメディ俳優でキャスティングしたかったことを明らかにしています。

 「70年代、キューブリックは、スティーブ・マーティンやウディ・アレンのようなコメディアンの能力を持った俳優を主役に起用することを構想していました。1980年代のノートには、ダスティン・ホフマン、ビル・マーレイ、トム・ハンクス、サム・シェパードなど、一連の可能性のある主演男優をリストアップしています」

〈以下略〉

(全文はリンク先へ:JoBlo.com/2020年8月14日




 キューブリックは『アイズ ワイド シャット』の原作小説『夢小説』の映画化を1970年代初頭から考え続けていました。それから1999年に映画が制作・公開されるまで、様々なアイデアが検討されたのですが、その中にこの「コメディ化」がありました。もちろんそれは、シリアスな原作小説『赤い警報』をブラックコメディ化した『博士の異常な愛情』の成功体験があったからですが、コメディ化に限らず、ありとあらゆる可能性を20年以上に渡って検討し続けていたのです。

 キューブリックにとって、この企画が難産だった理由は、この「ほのめかし」なストーリーになぜ自分は惹かれるのか、明確な答えを持っていなかったからです。その答えを求め、多くの脚本家(キューブリックの場合、それは小説家であることが多い)に意見やアイデアを求めましたが、結局は確証は得られずじまいでした。その意見を求められた脚本家の中の一人、『シャイニング』で脚本を担当した小説家のダイアン・ジョンソンは、「このフロイト主義のエロスと背徳と抑圧と死の物語は悲劇なのか喜劇なのか、彼には確信が持てなかったようだ」と証言しています。

 もうひとつ重要なのは、キューブリックはポルノ映画に挑戦したがっていたという事実です。実は1970年代初頭、『博士』の脚本家、テリー・サザーンがキューブリックをネタに脚本を書いたポルノ企画『ブルー・ムービー』の映画化を検討していました。しかし、その企画が妻のクリスティアーヌにバレ、「これを映画化したら二度と口をきかないから!」と宣言されてしまい、やむなく中止にしたという経緯があります。ですが、あきらめの悪いキューブリックのこと、ポルノ映画制作の野望を『夢小説』に託したのではないでしょうか。当時『エマニエル夫人』の大ヒットにおける「ソフトボルノ映画ブーム」が沸き起こっていた事実も、キューブリックを刺激したであろうことは想像に難くありません。もちろんハリウッドではポルノをポルノとして制作・公開はできませんので、「エロティック・コメディ」「エロティック・サスペンス」「エロティック・ミステリー」など、ありとあらゆる「ハリウッドで公開できるポルノ映画の可能性」を模索していたのではないでしょうか。

 この記事に名前が挙がっているキャスティングは、その「模索」の名残ですが、スティーブ・マーティン夫妻とキューブリックは実際に会ったそうです。ですがそれは実現まで至らず、結局トム・クルーズとニコール・キッドマンによってシリアスな「エロティック・サスペンス」として制作されました。しかし、コメディ化検討の影響が本作のそこここに残っているのは、ご覧になった方にはすぐ理解できるでしょう。

 これらの詳細はデビッド・マイキックス著の『アメリカの映画監督スタンリー・キューブリックのアイズ ワイド シャット』で語られているそうなので、邦訳をぜひ期待したいですね。
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 この『ラブバード』は本来、アメリカで3月にパラマウント配給で公開される予定だったのですが、新型コロナの影響で権利をネットフィリックスに売却し、ネット配信となった作品です。監督はマイケル・ショウォルター、主演はクメイル・ナンジアニとイッサ・レイ。内容は予告編の通り、破局寸前の恋人二人が殺人事件に巻き込まれて、その冤罪を晴らすために悪戦苦闘するコメディで、その過程で「謎の組織」が登場し、リゲティが鳴り響くみたいです(笑。

 ネットフィリックスに加入している方はそのまま無料で観れますのでぜひどうぞ。番組ホームページはこちら
 

 
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