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「ビルとニック」で『アイズ ワイド シャット』に出演したトムとトッド。(画像引用:IMDb - Eyes Wide Shut

 最新作『TAR/ター』(5月日本公開)で16年ぶりにメガホンをとり、賞レースを賑わせているトッド・フィールド監督。そんなフィールド監督がこの度、2001年の長編デビュー作『イン・ザ・ベッドルーム』について、俳優のトム・クルーズがワインスタインの魔の手から救ってくれたと明かした。

〈中略〉

 本作はサンダンスで高評価を受けた後、ミラマックスが権利を獲得するが、当時ミラマックスを仕切っていたのは、近年数々の性暴力が明るみに出て有罪判決が下ったハーヴェイ・ワインスタインだった。彼は制作者から作品を取り上げ、好きに編集することで悪名高かったそうだ。

 フィールド監督は「バスルームで泣いた」と当時を振り返り、トム・クルーズに電話して、酷いことが起きたんだと訴えたそうだ。するとトムは、「君がすべきことはこうだ。6ヵ月かかるけど、彼に勝てるぞ。僕がこれから言うことを1つずつ、確実に実行するんだ」とアドバイスをくれたそうだ。

 すでにプロデューサーとしても活躍していたトムのアドバイスは、まず、ワインスタインに映画を好きに編集させ、試写で悪い評価を受けさせる。その上で、サンダンスでの高評価を提示し、オリジナルの編集で公開させるというものだったそう。フィールド監督はトムのアドバイスに従い、見事オスカー候補入りを果たしたというわけだ。

〈以下略〉

(全文はリンク先へ:クランク・イン!/2023年1月17日



 『アイズ ワイド シャット』のビルとニックの心温まる話が報じられていたのでご紹介。

 『アイズ…』は撮影期間が一年以上と長期間に渡ったので、出演者同士で仲良くなる時間もたっぷりあったんでしょうね。トム・クルーズとトッド・フィールドは友人同士になったみたいです。そのトッドが映画監督に転身したのは知らなかったのですが、よりによってセクハラ・パワハラの権化、ハーヴェイ・ワインスタインと絡むことになってしまうとは。今更この御仁の擁護をする人などいないでしょうが、トムがトッドにしたたかな「生き残り戦略」を指南し、見事思惑通りに事が進んだようです。

 業界をしたたかに生き抜いたキューブリックも他の映画監督や俳優などによく相談され、今回のトムと同じように業界で生き抜く戦略を指南していたそうなのですが、キューブリックの場合、悪評(しかもかなり悪意の入った誤解が多い)ばかりが語られ、なぜかそういった「いい話」が広く知られていないのは残念です。キューブリックがいかに面倒見の良い人物だったかは、評伝を読めば書いてあるんですけどね。