sidandmancy映画『シド・アンド・ナンシー』には、『2001年宇宙の旅』でアーサー・C・クラークが執筆のため投宿した「チェルシー・ホテル」も登場するので、機会があればぜひどうぞ。

 セックス・ピストルズのベーシスト(だがマトモに弾けなかった)だったシド・ヴィシャスと、グルーピーだったナンシー・スパンゲンの悲劇的な恋愛を描いた映画『シド・アンド・ナンシー』に、『時計じかけのオレンジ』のドルーグのファッションをしたグルーピーが登場しているのでご紹介。

 この登場人物、ブレンダ・ウィンザーという名前で、キャシー・バークが演じています。ブレンダ・ウィンザーなるグルーピーが実在したかどうかはわかりませんが、ジョン・ライドンの「今までに読んだ本は『時計じかけのオレンジ』だけ」という発言があり(※記憶違いの可能性あり。ソースをご存知の方がいらっしゃいましたらご教授を!)、その関係でファッションに採用されたのかもしれません。

 さて、この映画。一時期は「パンクスのバイブル」みたいに言われ、必見の映画とされていたのですが現在はどうなんでしょう? 椎名林檎の『ここでキスして。』でも言及されていましたし、さぞかし実際のシドとナンシーもこんな情熱的で悲劇的な物語と思っている方も多いと思います。が・・・ロックに詳しい方ならご存知のはず。この物語、「美化され方がひどい」という事実を。間違ってもこの映画を見てシドとナンシーの実際を知った気になってはいけません。この二人の実際はどうであったかは関連書籍を読めばわかります。多くのロック映画がそうであるように、しょせんはフィクションです。『ボヘミアン・ラプソディ』が嘘だらけ(フレディが自分がエイズであると知ったのはライブエイド後なので、あのプロットは成立しない)なのにあれだけファンに支持されたのは、そこに「クイーン愛」があったからです。(オリバー・ストーン!聞いてるか?笑)

 最近、その『ボヘミアン・ラプソディ』の成功に触発され、また「ロック伝記映画ブーム」が起こりつつあるようです。正直、そんなもの観るなら完全なるフィクション(『さらば青春の光』とか『ブルース・ブラザーズ』とか『ロッキー・ホラー・ショー』とか)か、ドキュメンタリーでも観とけって思うのですが、中にはそこそこ「楽しめる」作品があるのも事実。ですが題材にされたアーティストは実在であっても、その映画の内容がが事実であるということは映画製作上「ありえない」と理解し、「フィクション」として割り切って楽しむべきものだと私は思います。(いや、そのアーティストのファンにとって、映画化されたイメージを真に受けて、真顔で語られるのは迷惑以外の何物でもないのですよ、実際。苦笑)