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 「スパルタカス愛のテーマ」は、1960年公開のスタンリー・キューブリック監督映画『スパルタカス』のためにアレックス・ノースが提供した楽曲で、akikoはこれまでにもライヴでたびたび披露してきました。配信されるシングルは、映像作品やライブなどで共演の多いピアニスト&シンセシスト坪口昌恭との共同プロデュースで、新たにアレンジされたもの。坪口とは11月のリリースまで3ヵ月連続でコラボレーションする予定です。

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(全文はリンク先へ:CDジャーナル/2021年8月30日





 『スパルタカス』でアレックス・ノースが起用された経緯は詳しくはわかりませんが、キューブリックが『スパルタカス』のプロジェクトに参加した時点ですでに撮影は始まっていたので、キューブリックが主導的にアレックス・ノースの起用を促したとはちょっと考えづらいです。

 現在でこそ『スパルタカス』は「スタンリー・キューブリック作品」として語られていますが、現場はカーク・ダグラスやブライナ・プロダクションが取り仕切り、キューブリックは雇われ監督でしかありませんでした。ですがそこはキューブリックのこと、「脚本・撮影・編集は映画監督がやらなければならない」という自身の主義を貫き通したため、現場で様々な軋轢を生み出し、そのことがトラブルへと発展し遺恨になったというのは有名な話です。ですがその「トラブルの逸話」にノースの話は出てきませんし、『2001年宇宙の旅』で再びノースを起用しようとしたことからも、『スパルタカス』におけるノースの仕事は、キューブリックの干渉や影響をほとんど受けなかった、と考えるのが自然です。

 以上の経緯から、アレックス・ノースのペンによる『スパルタカス愛のテーマ』については、100%ノースの功績と言っていいでしょう。すでに映画のサントラ曲という枠を超え、スタンダードナンバーとなり世界中でカバーされています。アレックス・ノースの曲で一番有名な曲と言っていいでしょう・・・いえ、それ以上に有名な曲がありました。映画『ゴースト/ニューヨークの幻』で使用されリバイバルヒットした、ライチャス・ブラザースの『アンチェインド・メロディ』もノース作曲だったんですね。ちょっと驚きました。