Nakagin_Capsule_Tower_2008
レトロフューチャー感満載の外観と室内(wikipedia

 日本を代表する建築家・黒川紀章が設計し、世界で初めて実用化されたカプセル型の集合住宅『中銀カプセルタワービル』。日本発の建築思想・メタボリズムが体現された貴重な建物で世界的に有名な観光資産でもあるが、3月22日、老朽化により建て替えを前提にした不動産業者への売却が決定した。現在、実際に稼働しているカプセルは140基中約30基。外観・内装は映画監督スタンリー・キューブリックらが描いた近未来の世界観そのものだが、同ビル保存・再生プロジェクト代表・前田達之氏によれば、「利用者は昭和のような長屋的、トキワ荘的生活をしている」と時空の交錯をほのめかす。同ビルの歴史や魅力、問題点などについて聞いてきた。

〈以下略〉

(全文はリンク先へ:ORICON NEWS/2021年5月17日




 建築に詳しくない方の間でも知られている、カプセルが積み重なったような異様な外観が目を引く「中銀(なかぎん)カプセルタワービル」ですが、解体の危機に瀕しているそうです。このビル、住所は「銀座」となっていても最寄りは新橋、もしくは汐留になります。ですので、記事にあるように観光資源にするには場所が悪いですね。銀座といえば誰もが想像する4丁目交差点からのアクセスがよければよかったのですが、「和光も見たし、銀座観光のついでに中銀のビルでも見に行くか」とは、なかなかなりにくい距離です。再開発された汐留エリアがすぐ近くですが、そもそも汐留自体にそんなに観光地としての魅力があるわけではないので、その点からも望み薄です。居住者にビジネスニーズがあるのもこの一帯がビジネス街だからです。

 もし、ビルを大規模修繕して存続させるとするならば、一番可能性があるのがホテル事業(カプセルホテル)だと思います。まあ、その程度のアイデアはすでに上がっているとは思いますが、APAさんあたりが買い取って、文化的価値を尊重し、コスト的には全く合わないと理解した上でも、ビルを生き返らせていただければ、こんなに素晴らしいことはないとは思うのですが。

 東京駅のレンガ駅舎も存続の危機を乗り越えて、観光名所になったという経緯があります。この中銀カプセルタワービルがそれと同列に語れないのは重々承知ですが、安易なスクラップ&ビルドが繰り返されているこの国で(もちろん自然災害が多く、湿度が高いなど建築には厳しい風土ではあることは承知しています)、このような「個性的な建築」がひとつでも多く未来に継承されて欲しいと思っています。

 ところで、

 集まって一緒に映画鑑賞をすることもあった。作品はキューブリックはもちろん、『ブレードランナー』など退廃的近未来もの、同ビルの秘蔵映像など。

なんてすてきなこともあったそう。確かに『2001年宇宙の旅』より『ブレードランナー』が似合いそうではあります。もっと言えば『惑星ソラリス』が一番ふさわしいと思います。首都高もすぐそばですしね。