John-LennonPlastic-Ono-Band
あまりにも有名な『ジョンの魂』のジャケット写真と、インナースリーブにクレジットされた「COVER PHOTOGRAPH : DAN RICHTER」

 『2001年宇宙の旅』で猿人「月を見るもの」を演じたダン・リクターは、キューブリックが最後までこだわった(が、結局ボツになった)宇宙人(異星人)「ポルカ・ドットマン」を演じた後(詳細はこちら)、ジョンとヨーコが当時住んでいたティトゥンハースト・パークの邸宅にカメラマン兼居候として、一緒に邸宅に住みながら夫妻のプライベートを撮影するなどをしていました。その撮影技術を磨いたのが、『2001年宇宙の旅』でキューブリックがリクターに、「月を見るもの」を演じるにあたって参考になりそうなものを「好きなだけ調査をおこないたまえ」と、ムービーカメラと無尽蔵のフィルムを使わさせたことがきっかけになったのは想像に難くありません。リクターはそのカメラを持ってロンドン動物園にあしげく通ってゴリラの「ガイ」を撮影し、それがあの演技へと繋がったのです。

 そのリクターはジョンとヨーコの邸宅で、ムービーカメラやスチールカメラを使って撮影係(記録係)をしていたのですが、その映像の一部は『イマジン』のPVの一部(おそらく霧の中、二人が玄関まで歩くシーン)に使用されたり、1972年のドキュメンタリーフィルム『イマジン』にも使用されました(詳細はこちら)。ですが、そのリクターの写真が、まさか『ジョンの魂』のジャケット写真に使われていたとは思いもしませんでした。

 英語版wikiにもその記述があり、リクターはこの写真をインスタントカメラで撮影したそうです。まるで印象派の絵画のような淡い色彩はその効果だったんですね。管理人はもちろん『ジョンの魂』のCDを所有していましたが、再発CDだったし、そんなクレジットがあったことに全く気づいていませんでした。CDはよくクレジット関係を省略することがあるので、所有していた盤は省略されたものだったのかもしれません。

 奇しくも名盤『ジョンの魂』は2021年4月23日に、オリジナル盤発売50周年を記念して8枚組の「スーパー・デラックス・ボックスセット」としてリリースされました。先日の「【関連記事】ジム・モリソンとドアーズがシネラマドームで『2001年宇宙の旅』を観た夜」の記事もそうですが、「キューブリックの作品とその生涯」という縦糸も重要ではありますが、やはりこういった「同時代を生きたアーティストとの横糸」も、その時代の「空気感」を理解する上で非常に重要だと思っています。当ブログでは「キューブリックが生きた時代」を俯瞰的に把握するために、以後もこういった関連情報も積極的に報じて(たまに脱線気味に)いきたいと思っていますので、映画以外のジャンルに特に興味がない方も、何卒おつきあいしていただければと思っています。