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画像引用:IMDb - Eyes Wide Shut

ニコール・キッドマンは旅行に行くために、撮影待ちをしていた『アイズ ワイド シャット』をサボった。

 ニコール・キッドマンは『アイズ ワイド シャット』の撮影は待機時間が長かったため、パリとシドニーに行く時間があったことを明かした。

〈中略〉

 マーク・マロンのWTFポッドキャストに出演したキッドマンは、困難な撮影について言及している。女優のキッドマンは、しばしば長時間の待機状態に置かれることがあったと語る。ある時には数日間パリに行き、その後オーストラリアのシドニーに帰宅するのに十分な時間があったそうだ。キッドマンは、キューブリックやクルーズのどちらにも知らせずに、友人に(ロンドンの)自宅の電話に出てもらって外出していることを伝えていたと付け加えた。最終的にはオーストラリア旅行中に見つかり、2人に謝罪したという。

 「家に戻って待機していてくれ」と言われてたの。2ヶ月間待機していても一度も呼ばれなかったので、「そうだ、数日だけパリに行ってくる」と決めて、いたずらしたのよ。それを知ったトムがオーストラリアに電話してきて、「もうダメだ、スタンリーに電話してくれ」って。 それで私は「スタンリー、ごめんなさい。シドニーにいるんです」って言ったら「不貞な女だ!」って言われたわ。

〈以下略〉

(全文はリンク先へ:SCREEN RANT/2021年1月14日




 キューブリックは出演俳優に自作への全面的な献身を求めますし、それは契約条項として明記されていたと思います。クルーズとキッドマンはロンドンを離れることを許されず、また、たとえそうするにしてもキューブリックの許可が必要だったでしょう。そんな窮屈さから逃れるためにキッドマンはパリとシドニーに内緒で旅行に行ってしまったのですから、キューブリックが怒るのももっともです。ただ、キューブリックの「不貞な女だ!」という表現は、『アイズ…』で浮気願望を告白するアリス役を意識したものだと思います。キューブリックらしいブラックジョークではないでしょうか。

 キューブリックは旅行を「時間の無駄」と考え、そんな時間があるなら映画製作に没頭したいと考える人でした(とはいえ、家族の強い要望に屈して何度かバカンスには出かけたようです。フランスにあったキューブリックの別荘の記事はこちら)。それに有名な「飛行機嫌い」でもありました。飛行機の安全性を信頼していないキューブリックにしてみれば、主演女優が飛行機に乗ってオーストラリアに行くなんて、「もし事故にでも遭ったらどうするんだ!(自作の制作に影響が出てしまう)」という思いもあったでしょう。

 ともかく400日にも渡って続いた撮影は、クルーズとキッドマンにとってストレスのかかった体験だったことはインタビューなどで度々語られています。それが二人の離婚の原因だとする論調も見られますが、結婚や離婚がそんな短絡的な理由だけでない場合が多いのもまた事実です。それにしても公開から20年以上たった現在でも、主演女優が『アイズ…』の話題を口にする機会があるというのはすごいことですね。