※映画版『シャイニング』の迷路のシークエンス。

あの迷路を作ってみませんか?

 スタンリー・キューブリック監督の代表作のひとつである映画「シャイニング」の舞台である「The Overlook Hotel」には、モデルとなるホテルがあったんです。そのホテルはアメリカ・コロラド州のロッキーマウンテンにある「The Stanley Hotel」。原作の著者であるスティーブン・キングは、このホテルに家族と滞在した際に映画のアイデアを思いついたそう。映画は違う場所で撮影されたのですが……。

 Stanley Hotelは、現オーナーの就任20周年を祝うために、シャイニングへのオマージュをささげる企画を発表しました。それは、映画を観たことがある人にはおなじみの「迷路」を作るというもの。場所はホテルの前にある横約59.4m × 縦約28.4mのスペースを使い、デザインは一般公募のコンテストとなります。

(以下リンク先へ:GIZMODO/2015年1月12日





 まず、映画『シャイニング』ではなく小説・TV版『シャイニング』の舞台のスタンリー・ホテルの間違いですね。映画『シャイニング』の舞台はティンバーライン・ロッジで、室内はアワニー・ホテルを模したセットをロンドンに建てて撮影されました。それに迷路は映画オリジナルですから、ティンバーライン・ロッジが企画するのならともかく、スタンリー・ホテルだとちょっとオマージュの趣旨と外れるような気がします。原作・TV版に登場したトピアリー(生垣動物)の形を募集するというのなら話は分かるのですが。

 まあそれだけキューブリックの映画版が浸透している証左だと言えるのですが、この現実を先日「映画は小説に比べてはかない媒体だ」と語った原作者のスティーブン・キングはどう思うのでしょうか?「はかない」のは他でもない、自身が全面的に監修したTV版の方だと思うのですが。このTV版、熱心なファン以外はほとんど忘れ去られ、現在ではその存在すらご存知でない方も多いでしょうね。一応キングの為に弁護しておきますが、TV版は家族愛をテーマにしたホームドラマという意味ではそんなに悪くない出来です。ただ、比較対象のキューブリック版の完成度が高すぎるので、熱心なキングファンや、比較・研究したいキューブリックファン以外ほとんど観る価値はありません。

 キューブリックは原作にあるトピアリーを採用せず、迷路に変更しました。原作ではトピアリーが動き出して父や息子を襲うのですが、これを映像化したTV版は非常に陳腐なものになってしまいました。キューブリックはこれを避けるため、またステディカムの効果を最大限発揮したいがためにこの生垣迷路を採用したのだと考えています。


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※スタンリー・ホテルが舞台のTV版『シャイニング』


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※ティンバーライン・ロッジが舞台の映画版『シャイニング』

2015年1月20日追記:映画.comさんが『「シャイニング」ゆかりの米ホテルが“迷路”デザインコンテスト開催中』として記事にしています。こちらの方が情報として正しい書き方ですね。