キューブリックは常に「天才」と評されていました(本人は嫌がっていたようですが)が、「天才を見つける天才」でもありました。その中でも最も成功した天才アーティストはパブロ・フェロではないでしょうか。
キューブリックはパブロが製作したTVCMに注目、『博士…』の予告編とタイトル・シークエンスでパブロを起用、更に『時計…』でも予告編とタイトル・シークエンスに再度起用しました。そのサウンドトラックに合わせた素早いフラッシュ・カットと特徴的なフォントの使い方など、上記のCMにもその特徴がよく現れています。キューブリックは『博士…』の予告編をアーサー・リプセットにオファーしたものの断られてしまった記事を以前書きましたが、その代わりに見つけた才能、それがこのパブロ・フェロでした。
『博士…』での印象的な仕事ぶりが評価され、その後数々の映画のタイトル・シークエンスや予告編を担当しています。主な参加作品は以下の通りです。
映画タイトル
博士の異常な愛情 (1964)
わらの女 (1964)
アメリカ上陸作戦 (1966)
華麗なる賭け (1968)
ブリット (1968)
ハロルドとモード 少年は虹を渡る (1971)
ウディ・ガスリー/わが心のふるさと (1976)
Citizens Band (Handle with Care) (1977)
L.A.大捜査線/狼たちの街(1985)
追いつめられて (1987)
ビートルジュース (1988)
愛されちゃって、マフィア(1988)
今夜はトーク・ハード (1990)
ダークマン (1990)
アダムス・ファミリー (1991)
アメリカン・ハート(1992)
フィラデルフィア (1993)
誘う女 (1995)
L.A.コンフィデンシャル(1997)
メン・イン・ブラック(1997)
グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち (1997)
セクレタリー (2002)
予告編
博士の異常な愛情 (1964)
時計じかけのオレンジ (1971)
未来惑星ザルドス (1974)
コマーシャル (1960年代)
バーリントンミルズ
キャンベルスープ
カナダドライ
チャンネル13
デュラックス
ジャンボリー
シンガー産業
ステートファーム保険
ワールド・ウォー・1