SF少年の夢 1978年 04月号 (季刊 映画宝庫6)(amazon)
初版が1978年という大変古い本。でも中身はまさにSF少年の夢が詰まったセンス・オブ・ワンダーな世界がいっぱい。巻頭の「SF映画大河リレー座談会」には手塚治虫が参加。例の「手紙事件」を始めキューブリックについてあれこれ語ってます。当時最新のSF映画だった『未知との遭遇』、大ヒットとなった『スター・ウォーズ』はもちろんですが、ダグラス・トランブルの『サイレント・ランニング』やソール・バスの『フェイズ IV/戦慄!昆虫パニック』が紹介されているのは偶然とはいえ面白い。両者ともキューブリック作品に参加してますからね。巻末のイエローページも充実していて、石上三登志氏による「テレビでこんなに劇場未公開SF映画を見た」と、北島明弘氏による「外国SF映画フィルモグラフィ」が素晴らしい。数行ですがあらすじも紹介していて、センターページ付近にはスチール写真も掲載。当時のSF入門書としての役割は十二分に果たしていて、今となっては逆に貴重な資料です。SFファンを自認するなら持っていて損はないはず。オークションや古本屋で見つけたら迷わず購入しましょう。尚、2012年11月6日、本書を中心となって編纂された石上三登志氏が亡くなられたそうです。素晴らしい本をありがとうございました。心よりご冥福をお祈りいたします。