2021年03月

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DSC00539パッケージは紙製。タバコ風なシュリンクになっています。

DSC00554ジョーカーは2枚。裏面の共通デザインは写真右下の「Aの中でナイフを握ったアレックス」です。

 「アクエリアス」というメーカーから発売されている『時計じかけのオレンジ』のトランプです。ツイッターで見かけて中身が気になったので買ってきました。驚いたのは、カードのデザインがとっても凝っていたこと。各A、J、Q、Kは全て異なる『時計…』のワンシーンがプリント、2〜10の数字カードはそれぞれ『時計…』の象徴が数字の数だけデザインされ、スペードとクローバーには黒色が、ダイヤとハートにはオレンジ色が使われています。

 カードは紙製で、それにコーティングが施してありますが耐久性はあまりなさそう。印刷の品質も外国製と考えればまあそれなりです。あまりにも凝ったデザインなので、慣れるまでカードの種類は左上と右下にあるマークと数字で確認するしかありません。ですので実用性には多少難がありますが、好きな人には面白がってもらえると思いますので、プレゼントに良いかも知れませんね。

 購入したのは新宿にあるディスクユニオンシネマ館です。価格は1,430円(税込)でした。数に限りがあると思いますので、来店時に必ずあるとは限らないのでご注意ください。
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 ああ、ニュー・ウェイブだなあ・・・などとノスタルジーに浸ってしまいますが、この頃のイギリスの音楽シーンはとにかく複雑、用語も乱立状態なので、何をどう説明して良いのやら途方に暮れるのですが・・・まあやってみましょう。

 時は1975年。とあるロックバンドがイギリスでデビューし、それまで1960年代からひきずっていた複雑化・産業化しすぎた「(オールド)ロック」を一挙に過去のものに追いやってしまいました。そのバンドの名はセックス・ピストルズ。すなわち「ロンドンパンク」の勃興です(ここでパンクとはそもそもニューヨークで・・・などと言い始めるとキリがないので割愛)。そして不景気で職に就けず、ヒマを持て余した若者がそれに触発されて「俺にもできんじゃね?」と雨後の筍のごとくバンドを結成し、ステージに立ちます。この「ロンドンパンクに影響され結成したバンドが演奏していた音楽(に便乗したものも含め)」を総称して「(ポスト・パンクを含む)ニュー・ウェイブ」と言います(かなり大雑把)。

 そんなこんなで1970年代後半から1980年代前半を席巻したニュー・ウェイブですが、その中でもジョイ・ディヴィジョンは、現在に至るまでその影響力を及ぼすバンドとして名を馳せています。サウンド的にはエレクトロ・ポップをベースにしつつ、ダウナーな歌詞とイアン・カーティスの陰鬱なボーカルは、パンクのルーツであるヴェルヴェット・アンダーグランドやドアーズを彷彿とさせるものでした。しかし1980年、そのイアン・カーティスが自殺してしまい活動は終了。その後、残りのメンバーで結成したのが、この「ニュー・オーダー」です。

 ニュー・オーダーはジョイ・ディヴィジョン時代にあったダウナーな要素を減らし、よりポップでダンサブルな方向性を打ち出しました。それはこの『ウルトラヴァイオレンス』を聴いても理解できるかと思います。では、なぜ「ウルトラヴァイオレンス」という曲名で『時計じかけのオレンジ』を露骨に引用したのかと言うと、それは上記で説明した通りニューオーダーは「(ポスト)パンク」の流れを汲むバンドだからです。当ブログでも繰り返し指摘している通り、『時計…』とパンクの親和性の高さをあらためて感じさせますね(結局これが言いたかった!)。歌詞を読むと『時計…』への直接的な言及はありませんが「誰もが間違いを犯す 私でも 自由になりたい」あたりが『時計…』を感じさせます。

 ところでこの「ニュー・ウェイブ」という言葉、すでにニュー・ウェイブ(新しい波)でもなんでもないので、現在では「オルタナティヴ・ロック(オルタナ)」という呼ばれ方をしているそうです。ですが、このオルタナはニュー・ウェイブよりもさらに範囲が広く意味が曖昧。ですのでこの記事ではオルタナという表現はあえて避けました。何卒ご了承を。
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plaza_shiningT

THE SHINING シャイニング Tシャツ

イエローロゴ(写真左)、レッドロゴ(写真右)の2種類
価格:3,520円(税込)
サイズ:着丈68cm、裄丈40cm、袖ぐり46cm、バスト98cm、裾幅50cm
素材:綿100%

 名作ホラー映画といえば!のアメリカ映画「THE SHINING(シャイニング)」のワンシーンをプリント。映画好きな人はもちろん、ユニークなプリントTシャツに目がない人にもぜひおすすめしたいTシャツです。同作を象徴する名シーンを大胆にデザインした個性的なデザイン。PLAZA・MINiPLAだけの限定アイテムなのでお見逃しなく!




 世代的にどうしても「ソニプラ」と言ってしまうプラザ(PLAZAもしくはMINiPLA)から、『シャイニング』の双子の少女とダニーと三輪車のTシャツが販売中です。管理人も現物を確認してきましたがFサイズのみで生地は少し薄め、身幅の広めなオーバーサイズで着るタイプのものです。メンズでも着れなくはないかも知れませんが、丈は短めですのでお気をつけください。気になる方は全国のショップでご確認を。オンラインストアはこちらからどうぞ。
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Giacometti
「ジャコメッティの彫刻のような」宇宙人案(左)。スタッフの間では電力のキャラクターに似ていることから「レディキロワット」(右)と呼ばれていた。キューブリックは気に入っていたそうだ。

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「エナジーマン」と呼ばれた宇宙人案。

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「TVマン」と呼ばれた宇宙人案。

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「ジェリーフィッシュ(クラゲ)」と呼ばれた宇宙人案。これらはスリット・スキャンによって作られた。

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「ガーゴイル」と呼ばれた宇宙人案。制作にはキューブリックの妻、クリスティアーヌも手伝った。

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テスト撮影された「ガーゴイル」。ガーゴイルには「怪物」という意味もあり、それはクラークの小説『幼年期の終わり』を想起させる。

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ブルース・ローガンによって試作中のグリッド状の宇宙人。

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「ポルカ・ドットマン」と呼ばれた宇宙人案。

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「ポルカ・ドットマン」を演じたダン・リクター(写真左)。リクターは猿人「月を見るもの」を演じている(写真右)。

 キューブリックは『2001年宇宙の旅』に宇宙人(異星人・エイリアン・地球外知的生命体、人類の上位的存在)を登場させようと公開ギリギリまで粘っていたというのはよく知られた話です。その登場シーンは「スターゲート・シークエンス」でした。このシークエンスは(1)ワームホールによる空間転移シークエンス、(2)星の誕生・銀河の誕生、もしくは生命の誕生シークエンス、(3)地球外知的生命体との遭遇シークエンス、(4)原始惑星の誕生シークエンスと続き、やがてボーマンは「白い部屋」に到着します。つまりボーマンは「宇宙空間を光速以上のものすごい速さで移動しながら、宇宙が誕生し、宇宙人と遭遇し、その力によって惑星(世界)が誕生する」というプロセスを目撃するのです。そうなると「スターゲート・シークエンス」は、映画のテーマに関わる重要なシーンの連続ということになるのですが、CGのない当時、キューブリックが求める映像のクオリティと映像表現を両立させるためにはあいまいな表現にならざるを得ず、現在に至っても正しく理解されているとは言い難いのが実情です。そして、その「あいまいさ」にさらに拍車をかけたのは、このシークエンスに「宇宙人が登場しない」からなのです(例外的に「マインドベンダー」シーンで抽象的に登場してる)。

 共同で原案やストーリーを担当したクラークは、意固地になって宇宙人を登場させようとするキューブリックのこの試みには冷ややかで、自著『失われた宇宙の旅2001』で

「人間より数百万年も進んだ生物を、その活動ぶりから、生活環境、できることなら肉体的特徴にいたるまで描写し、スクリーンに映し出そうというのだ。これは原則的に不可能である」

と記しています。キューブリックがここまで異星人に固執した理由の一端に、カール・セーガンの存在があるかも知れません。この天文学者は後にTV番組『コスモス』のパーソナリティ(テーマ曲は『ブレードランナー』で有名なヴァンゲリス)で名を馳せ、映画化された小説『コンタクト』では、この「宇宙人をどう登場させるか問題」を秀逸な方法で(まあ、途中で読めてしまうのですが)回避しています。そのセーガンにキューブリックは意見を求めたところ「宇宙人は描かずに観客に想像させたほうが良い」と提案。しかしキューブリックはセーガンの態度がよほどお気に召さなかったようで「二度と会いたくない」と毛嫌いしてしまいます。どうしても宇宙人を登場させたいと考えていたキューブリックは、嫌いなセーガンの案に屈したくないという意地もあったのかもしれません。

 キューブリックはインタビューで「最後になって見込みのあるアイデアが出てきた」と語っていますが、それは上記の「ポルカ・ドットマン」でした。おそらく白黒反転させ、スターゲート上にドットで描かれた人のシルエットを写しだそうとしたのだと思いますが、後の『トロン』を思い出させるこのアイデアも、時間的に余裕がなくなってボツになりました。もし時間があったとしても、このアイデアもボツになった可能性が高いと思います。結局のところ人が演じている(中の人は「月を見るもの」を演じたダン・リクター)ことはまるわかりで、その程度のクオリティにキューブリックがOKを出すはずがないからです。スターゲート・シークエンスには宇宙人の他にも「都市」や「宇宙船(UFO)」登場させる予定でした。そのひとつであり、小説版にも登場する「紡錘型宇宙船」についてはこちらで記事にしました。

 キューブリックは「今まで誰も説得力のある宇宙人を描けていない」ことに着目し、「自分ならやり遂げてみせる」という野心を持っていたことは確実です。しかし最終的にこの試みは「想像できないほどのものは、想像できないことが明らかになった」と断念され、それが正しかったことはクラークやセーガンが語った通りです。何よりも宇宙人を具体的に描写しなかったことで、『2001年…』が映画史上に燦然と輝き続ける傑作として、今に語り継がれている事実がそれを証明していると言えるでしょう。

 以上のことからわかるのは、キューブリックが安易に「妥協」してしまえば、『2001年…』が映画史上に残る傑作どころか、安っぽいトンデモSF映画に堕ちてしまっていた可能性があったということです。キューブリックの「完全主義」の「完全」とは「完璧(間違いが全くない)」を求めることではなく(実はキューブリック作品にはいくつもミスがあるし、それを知りつつもそのテイクを採用しているフシがある)、「(安易に)妥協しない」、つまり「(どんなに人に嫌がれようとも)徹底的にこだわり抜く」ことだということが、よく理解できると思います。誤解を生みやすい「完全主義」という言葉を当ブログではなるべく使わないようにしていますが、ネット上に溢れる「解説記事・動画」でさえ、この事実を正しく認識していないというのは憂慮すべき事態です。一人でも多くの方がこの事実を正しく認識して頂けるように願ってやみません。

▼この記事の執筆に当たり、以下の記事を参考にいたしました。
2001italia.it/2001: The aliens that almost were
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 キューブリックが、上記動画にも登場するステディカムのデモ・フィルムを観たのは『バリー・リンドン』のポストプロダクションの頃でした。その時点ではスティーブン・キングの小説『シャイニング』の存在をまだ知りません。キューブリックはすぐギャレット・ブラウンに連絡を取り、私は黙っておくから、装置の正体がバレる危険性がある装置の影が映り込んだ14フレームをカットするように伝えました。その後キューブリックはどの高さまでカメラを下げられるか問い合わせをしていて、ブラウンは「ローモード」と呼ぶ装置を開発、『シャイニング』の撮影にそれを使いました。実際の撮影ではさらに床から1インチ(2.5cm)の高さまで下げるため、車椅子使うなどの工夫しました。撮影現場でブラウンは、キューブリックの多テイクぶりに驚いたそうです。

 動画でブラウンは、『シャイニング』におけるスティディカムの映像を「神視点」「悪魔的性質」と語り、「超自然現象(スーパーナチュラル)」と表現しています。まさしくそれはキューブリックが狙ったことで、『シャイニング』の数々の改変(生垣動物を生垣迷路に、こじんまりとしたリゾートホテルを各室が廊下で繋がれた巨大ホテルに)は、まず「スティディカムありき」だったことが伺えます。つまり、キューブリックは初めから「超自然現象」を視覚的に表現するために、スティディカムの映像を最大限利用つもりだったのです。小説『シャイニング』の映画化における改変は、キングとキューブリックの宗教観や家族感、映像化の方向性の違いとしてよく語られてきました。ですが、全ての権限を掌握して映画作りをするキューブリックは「欲しい映像のためにはストーリーはおろか設定さえも変更する」ということをします(例えば『2001年宇宙の旅』におけるディスカバリー号の目的地の土星を木星に変更するなど)。それはこの『シャイニング』でも同じなのです。

 キューブリックはストーリーやコンセプト、テーマを「映像で語る」監督です。キューブリックが小説『シャイニング』を、スティディカムの映像ありきで改変をしたのでは?という考察は、あまりなされてきていませんが、映画『シャイニング』を理解する上でとても重要なことではないかと考えています。
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