2020年11月

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David_Prowse_2007
デヴィッド・プラウズ(2007年・引用:wikipedia/デヴィッド・プラウズ

 映画『スター・ウォーズ』旧3部作でダース・ベイダー役を務めたイギリス人俳優デヴィッド・プラウズさんが現地時間28日、85歳で死去した。短い闘病後の出来事だったといい、デヴィッドさんの代理人は「彼が常にフォースと共にあらんことを!」「彼は多くのモンスターたちを演じたことで有名でしたが、わたし自身、そしてデヴィッドを知り、彼と働いた全ての人たちにとって、彼はヒーローでした」とBBCにコメントしている。

〈以下略〉

(全文はリンク先へ:シネマトゥデイ/2020年11月30日





 キューブリックファンなら『時計じかけのオレンジ』で、作家のマッチョなヘルパー、ジュリアン役での出演が印象深いですが、一般的には『スター・ウォーズ』のダース・ベイダーのスーツアクター(中の人)として名前が知られていました。声はジェームズ・アール・ジョーンズ(『博士の異常な愛情』の黒人爆撃手ゾック役)が担当しましたが、その理由はイギリス西部なまりが役柄に合わなかったためで、吹き替えの事実は映画公開後に知ったそうです。その他、『スター・ウォーズ』における複雑な経緯や裏話はこちらが詳しいです。

 『時計じかけのオレンジ』では、その怪力からバリアフリーとはとても言えない作家宅(室内は実在する邸宅スカイブレイク・ハウスでロケされ、それは建築家ノーマン・フォスターらの「チーム4」によってデザインされたもの)で、作家を演じたパトリック・マギーごと車椅子で運ぶ様子が描かれましたが、何度もテイクを繰り返したために、プラウズのマイクに激しい心臓音と呼吸音がノイズとして録音されてしまったそうです。

 また、交通安全のヒーロー「グリーン・クロス・コードマン」でも有名で、その慈善活動と交通安全への貢献によって2000年にMBE(大英帝国勲章)を受賞しました。

 1935年7月1日イギリス・ブリストル出身、2020年11月28日逝去。享年85歳。故人のご冥福をお祈りいたします。

DP_ACO
『時計じかけのオレンジ』で作家アレキサンダーのヘルパー、ジュリアン役でも有名でした。
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Utah_monolith
クラークが存命なら「UMA-1(もしくはユタモノリス)、ただし磁気はなし」と命名したかも。

【11月25日 AFP】米西部ユタ州南部の砂漠地帯で正体不明の金属製柱が見つかり、世界中の未確認飛行物体(UFO)ハンターや陰謀論者、映画監督スタンリー・キューブリック(Stanley Kubrick)氏のファンらの想像力をかきたてている。

 柱は三角柱の形状で、赤い岩の地面から高さ約3.6メートルにわたり突き出している。地元当局が18日、上空からオオツノヒツジの頭数を数えていた際に発見した。

〈以下略〉

(全文はリンク先へ:AFP BB News/2020年11月25日




 設置された場所を見る限り、とても車で運べそうな場所には見えませんでした。どちらにせよ重い金属柱を現地まで運び、穴を掘り、据付け、根元を埋めるわけですから、設置した人の労苦や費用を考えれば単なるいたずらレベルではないように思えます。もし設置したのが『2001年宇宙の旅』にインスパイアされたアーティストというのなら、その説が一番説得力があるように思えますが、測量の起点(反射板?)か何かの技術的な目的があって設置されたものかも知れません。もし軍事利用の意図があるものなら公表はされないでしょう。

 映画のモノリスと色や比率が違うという声もありますが、同じにしてしまえばそれはそれで「パクリ」と言われてしまうので、同じにできないですね。アート作品なら「ミニマル・アート」のカテゴリーということになると思いますが、そのムーブメントは『2001年…』のモノリスにも影響を与えています(クラークがそう語っている)。ちなみにキューブリックの長女、カタリーナはこのニュースに「パパ!、これを見て!(笑)」という反応でした。

 アート作品なのか、設置物なのか、それとも他の何かなのか・・・。続報があり、興味深い結論ならまた記事にしますが、今のところ言えるのはフロイド博士のこのセリフですね。

「その正体と目的は不明」

2020年11月30日追記:「地元当局は27日夜、「正体不明の一味」によって柱が持ち去られたとする「信頼できる報告」を受けたと発表」(詳細はこちら)とのことです。なんとあっけない結末でした。
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 ただいまOA中のアニメ『戦翼のシグルドリーヴァ』第1話『館山基地へようこそ!』に、『博士の異常な愛情』の最高作戦室が登場しているのでご紹介。テーブルの中に置かれている電話までそのまんまですね。

 この『戦翼のシグルドリーヴァ』というアニメ、現在の最新話である第7話まで観てみましたが、『ストライクウィッチーズ』『ガールズ・アンド・パンツァー』『艦隊これくしょん』的な美少女+軍事もので、世界に突如出現した謎の敵「ピラー」を倒すために、神を名乗るオーディンよりその能力を授かった戦乙女(ワルキューレ)たちが、実在する世界各国の航空機(主にレシプロ機)を模した「英霊機」に乗って戦う姿を描いた作品になります。

 まあ、あざとさ満載のプロットと舞台の館山を盛り上げようという意図が見え見えなんですが、『ガルパン』の夢よ再び・・・となるかどうかは微妙なところで、個人的にはあまり面白いとは思えなかったです。ラノベ版があるそうで、情報量(背景情報)がいきなり多すぎてアニメで描ききれていない(消化不良)感が否めません。なので物語に入り込みにくい感じがします。既視感も満載ですしね。まあ、この後の展開で大化けするかもしれませんが、とりあえずは視聴はここまでにしておきます。

 その最新話である7話『富士ピラー撤退戦!』で、指揮官の手帳に「Peace is Our Profession(平和こそ我等の職務)」の文字が・・・。これは『博士…』でパーブルソン基地に掲げられていた標語で、この看板の前で味方同士の銃撃戦が繰り広げられます。アニメでもこのシーンは「味方同士の銃撃戦」のシーンなので、そのオマージュとして採り入れられたのだと思いますが、こんなところまで気がつく視聴者なんているんでしょうか?

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 公式サイトにはOAや配信情報がありますので、興味のある方はご覧になってみてはいかがでしょうか。下記のPVにはその「最高作戦室」が登場しています。ちなみに美少女アニメの『博士…』のパロは、1980年代に『魔法のプリンセス ミンキーモモ』ですでにあったのですが、ハリウッドでは『ザ・ロック』『アルマゲドン』などが有名です。この違いは・・・まあ、多くは語らないことにします(笑。

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全960ページのボリューム。それに重い!定価4,800円(税別)

 1902年(メリエスの『月世界旅行』)から2018年(スパイク・リーの『ブラック・クランズマン』)までの映画1001本が、年代別に掲載されているまさに「映画辞典」と呼ぶべき本。その最新版である第四版が上梓されていましたので購入してみました。さっそくどのキューブリック作品が掲載されているかチェックしたのですが、『突撃』『スパルタカス』『ロリータ』『博士の異常な愛情』『2001年宇宙の旅』『時計じかけのオレンジ』『バリー・リンドン』『シャイニング』『フルメタル・ジャケット』の9作品でした。

 なにかと評判の悪い『ロリータ』が掲載されているのには驚きましたが、その代わりと言ってはなんですが『アイズ ワイド シャット』が未掲載。まあ、一般的にはそうなんだろうな、と思うしかないですが、こちらの記事によると過去には『A.I.』や、なんとキューブリックが脚本段階で監督として参加していた『片目のジャック』も掲載されていたそうです。ちなみに個人的には『片目…』は駄作だと思います。

 内容はあらすじ紹介だったり裏話だったり解説だったりと著者思い思いのごった煮で、訳のせいもあるかと思いますが文章のクオリティは必ずしも高いとは思いませんでした。『時計…』の項には「監督は(映画への批判で)これ以降30年近くイギリスを離れた」とありますが、正しくは「30年近く公開が禁止された」です。原文を確認していませんが、おそらく誤訳でしょう。

 本国アメリカでは2003年以降毎年改訂版が出版され続けているそうですが、評価の固まっている1990年代以前の作品は大きな入れ替わりはなさそうです。それでも2013年版(日本未発売)で大きな改定があったようで、1001作品をピックアップする難しさを感じさせます。特に2000年代以降は価値観の多様化・細分化、映画産業のグローバル化などで「名作」という統一的判断基準が設定しにくくなっている印象があります。それに興行収入主義が蔓延し、「時代」「時間」という厳しい判断基準に耐えうる作品が登場しにくい状況もあるでしょう。個人的には20世紀で区切りをつけ「死ぬまでに観たい名作クラシック映画1001本」として厳選した方がいいんじゃないかと思っています。

 では、この本に掲載されている作品が一番多い監督が「映画史上最高の監督」と言えるのかどうか?ということですが、結果は以下の通り。チャップリンが4本という少なさで圏外という以外は・・・まあ納得ですね。

1位 アルフレッド・ヒッチコック(16本)
2位 イングマール・ベルイマン (10本)
   ハワード・ホークス
3位 スタンリー・キューブリック(9本)
   ルイス・ブニュエル
4位 ジョン・フォード(8本)
   ジョン・ヒューストン
   スティーブン・スピルバーグ
   ウィリアム・ワイラー
   ジャン=リュック・ゴダール
5位 フェデリコ・フェリーニ(7本)
   ジャン・コクトー
6位 ウディ・アレン(6本)
   ロバート・アルトマン
   ミケランジェロ・アントニオーニ
   黒澤明
   デヴィッド・リーン
   ヴィンセント・ミネリ
   マイケル・パウエル
   マーティン・スコセッシ
   オーソン・ウェルズ
   ビリー・ワイルダー

 ボリュームの割にはアマゾンで5,280円(税込)というお手頃価格ですし、テキストのクオリティに目を瞑るなら資料的価値の点からも持っていて損はないと思います。問題はどの版のタイミングで購入するか、でしたが、今回背が『シャイニング』だったのでこの版での購入になりました。日本未発売の2005年、2006年版は表紙が『シャイニング』だったそうです。映画ファンなら必携・・・と言いづらい部分もありますが、興味のある方はご購入を検討してみてはいかがでしょうか。


死ぬまでに観たい映画1001本 第四版(amazon)
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 『2001年宇宙の旅』が公開された1968年4月以降のSF映画の人気(興行収入)の変遷を、棒グラフの動きで動画化したものがありましたのでご紹介。

 非常に興味深い動画ですが、SF映画の歴史において、それまでのSF映画を一気に抜き去るエポックな作品が3つあったことがこれでわかります。それは1968年の『2001年宇宙の旅』、1977年の『スター・ウォーズ』、2009年の『アバター』です。他にも『未知との遭遇』『エイリアン』『ターミネーター』『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『スター・トレック』『E.T.』『ジュラシック・パーク』『トータル・リコール』『インデペンデンス・デイ』『マトリックス』『メン・イン・ブラック』などおなじみの作品の動きが目立っています。

 意外なところでは『スーパーマン』の長期間の健闘ぶり。その成功を受けてか1990年代以降『バットマン』『スパイダーマン』などアメコミ原作が目立ち始め、2010年代になって『アベンジャーズ』が登場して一気にマーベル人気が広まった印象。最後は『スター・ウォーズ』『アベンジャーズ』『ジュラシックパーク』シリーズだらけになってしまいました。

 続編(シリーズもの)ビジネスは1968年の『猿の惑星』から始まった(旧作『猿惑』の続編は極めて評判が悪い)こともこれでよくわかります。それが『スター・ウォーズ』で確定的になり、今じゃ上位をシリーズものが独占する事態に。SF映画=マーベルという「新常識」の世代に『2001年…』のウケが悪いのはまあ仕方がないとはいえ、多様性がどうのこうの言われる時代において、この多様性のなさはどうにかならないものかと思ってしまいます。

 その多様性溢れる時代の『2001年…』公開時、1968年4月時点で1位だったSF映画は1959年公開の『地底探検』だったんですね。ジュール・ベルヌの小説や某舞浜にあるアトラクションで有名ですが、ファン筋で評価が高い『禁断の惑星』『ミクロの決死圏』が圏外なのが意外でした。
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