2017年06月

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二人揃って『博士の異常な愛情』を観るシーンは4:20から。

 ロシアのプーチン大統領とアメリカの映画監督オリバー・ストーン氏が、故スタンリー・キューブリック監督の映画「博士の異常な愛情」を一緒に鑑賞していたことが明らかになった。

 6月12日にアメリカの衛星テレビ「ショウタイム」で放送された、ストーン氏制作のドキュメンタリー番組で紹介された。

(全文はリンク先へ:HuffPost Japan/2017年6月13日




 できればストーンではなく、トランプと肩を並べて爆笑しながら観て欲しかったですが、「プーチンが『博士…』を観た」という事実は、キューブリックファンにとってはちょっと意識してしまいます。

 インタファクス通信によると、映画を見終わった後、プーチン氏は「当時と今とでは状況はあまり変わっていない。兵器のシステムがより複雑になったということぐらいで、『報復のための兵器システム』という根本思想は変わっていない」と感想を述べた。

とのことですが、核抑止力が現在の平和の均衡を保っているという一面は疑いもない現実です。しかしその反面、核の暴走の行く末が破滅なら、それを回避するために我々は一体何をすべきか?という問いに、世界の指導者は常に「正解」を出さなければいけません。しかもその「正解」は長い年月が経ち、「歴史」になってみないとわからないというやっかいなものです。もしかしたら映画は、そのやっかいな正解を可能な限り正確に予測する最良の媒体かも知れません。キューブリックが意図したのか、していなかったのかはわかりませんが、いくつかのキューブリック作品がそういった未来予測の役割の一旦を担っているのだとしたら、やはり「キューブリックは天才」(本人は嫌がっていたようですが)という評価は揺るぎないと思わざるを得ませんね。
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 某戦車アニメですっかり有名になったこの曲ですが、wikiによると作詞・作曲者不詳で、精鋭部隊とされる擲弾兵(手榴弾を投げる兵士)の勇敢さを歌っているそう。1815年に近衛歩兵第一連隊がグレナディアガーズ(擲弾兵近衛連隊)に改名したのに伴い、この曲を連隊の速歩行進曲として制定したとのことなので、歩兵連隊が横一列で行進・突撃するシーンに使うには正確さを欠いていることになります。まあ、そんな細かいことを言い出したら映画に規制曲なんて使えなくなってしまうので、「17世紀の英国軍で使用された軍隊行進曲」という縛りの中から、最もシーンに適しているとキューブリックが判断して採用したのでしょう。

 上記の動画は歌詞入りのものですが、歌いやすくするためか行進曲バージョンとは少しメロディーラインもリズムも違っています。歌詞は以下の通りですが、動画ではこの1、3、5番を抜粋して歌っているようです。

Some talk of Alexander,
and some of Hercules
Of Hector and Lysander,
And such great names as these.
But of all the world's great heroes,
There's none that can compare.
With a tow, row, row, row, row, row,
To the British Grenadiers.

Those heroes of antiquity
Ne'er saw a cannon ball,
Or knew the force of powder
To slay their foes withal.
But our brave boys do know it,
And banish all their fears,
Sing tow, row, row, row, row, row,
For the British Grenadiers.

Whene'er we are commanded
To storm the palisades,
Our leaders march with fusees,
And we with hand grenades.
We throw them from the glacis,
About the enemies' ears.
Sing tow, row, row, row, row, row,
The British Grenadiers.

And when the siege is over,
We to the town repair.
The townsmen cry, "Hurrah, boys,
Here comes a Grenadier!
Here come the Grenadiers, my boys,
Who know no doubts or fears!
Then sing tow, row, row, row, row, row,
The British Grenadiers.

Then let us fill a bumper,
And drink a health to those
Who carry caps and pouches,
And wear the louped clothes.
May they and their commanders
Live happy all their years.
With a tow, row, row, row, row, row,
For the British Grenadiers.

アレクサンドロス大王か、
はたまたヘラクレスか、
ヘクトルまたはリュサンドロスと人は言う。
しかし全世界の偉大な英雄であれど、
比するものはない。
英国の擲弾兵に
比するものはない。

いにしえの英雄は
砲弾を見たことはない。
仇ら殄戮する
火薬の力を知らない。
だが、我らが勇士はそれを知る、
恐れを全て打ち棄てて。
いざ唱えよう、
英国擲弾兵を。

防柵を強襲せよと
命令が下れば
隊長は信管を、
我らは手榴弾を手に持ちて進む。
我らはこれを投擲し、
敵の耳を驚かす。
いざ唱えよう、
英国擲弾兵を。

かくて包囲戦は終わり、
我らは街を取り戻す。
市民ら泣き、「万歳、兵士よ、
擲弾兵がきたぞ!
我らが丈夫、疑念も恐怖も
抱かぬ擲弾兵が来たぞ!」
いざ歌声をあげよう、
英国の擲弾兵。

その時、縁まで杯を満たし、
健康を祝して乾杯する。
軍帽と背嚢を身に着け、
交紐の軍服を着る者達を。
兵達よ、指揮官らよ、
末永く幸あれ
いざ称えよう、
英国の擲弾兵を。

(出典:ピクシブ百科事典

『バリー…』での使用シーンはこちら。



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lolita_shooting
『ロリータ』を撮影中の1961年頃のキューブリック。左側で天を仰ぐのはキューブリックとことあるたびに対立した撮影監督のオズワルド・モリス

Stanley Kubrick Almost Moved to Australia Before Dr. Strangelove Because He Was Worried About Nukes

Perth, Australia is the most remote major city on the planet. Which is apparently why it appealed to legendary director Stanley Kubrick. New research reveals that Kubrick was so concerned with the possibility of nuclear war that he actually planned to move to Perth in 1962.

 オーストラリアのパースは地球上で最も遠い主要都市です。その事実がなぜ伝説的監督であるスタンリー・キューブリックにアピールしたのでしょう。新しい研究はキューブリックが核戦争の可能性に関心を持ち、1962年に実際にパースに移ろうと計画していたことを明らかにします。

〈以下略〉

(全文はリンク先へ:GIZMODO/2017年5月17日




 キューブリックが核戦争の危機から自身と家族を守るため、オーストラリアに移住することを考えていたのはよく知られた話ですが、具体的には『ロリータ』のポストプロダクション時、1962年だったそうです。モロに「キューバ危機」の年ですね。

 記事によると、船内で『ロリータ』の編集作業をしながらパースに移動しようと考えたらしいですが、当時の客船だと航海中の6週間もの間、他の客とバスルームを共用しなければならないことを知って断念したそう(笑。核戦争の恐怖よりバスルームの共用の方が嫌だというのは、プライベートを重んじるいかにもキューブリックらしい判断ですが、この「船内で編集作業をしながら移動」というアイデアは後の『2001年…』で実現させるので、執念深いといえば執念深いですね。結局移住は諦めて引き続きロンドンで映画製作を継続し、そこに骨を埋めることになるのですが、たとえ一時期はパースへ移住したとしても、核危機はその後収斂していくので、事態が落ち着く頃には、キューブリックはロンドンに戻ったように思います。オーストラリアという国が持つイメージと、キューブリック作品のイメージがあまりにもかけ離れているので、そのままオーストラリアに住み続けたとはちょっと思えないですね。

 核戦争の脅威から移住まで考えたキューブリックの恐怖心は、逆説的な「黒い笑い」となって傑作『博士の異常な愛情』として結実しますが、『私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか』なんて長ったらしい副題に、この「パース移住計画」の影響が現れているのだとしたら、やっぱりこの「私」ってキューブリック自身のことなんでしょうね(笑。
 
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7/22(土) 深夜 3:30〜
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 有料衛星放送では何度もキューブリック作品がオンエアされていますが、今度は6月から7月にかけて映画専門チャンネル「スターチャンネル」で集中オンエアするようです。中でも『現金…』は未BD化ですので、ハイビジョンで観たい&録画したい方は要チェックですね。
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 マサチューセッツ,ボストン出身ポストハードコアバンドIce Nine Killsが新曲 “Enjoy Your Slay feat. Sam Kubrick” のLyric Videoを公開しました。

〈以下略〉

(全文はリンク先へ:ALTERNATIVE PRESS JAPAN/2017年5月27日




 イギリスのデスメタルバンド「Shields」のボーカル兼ギターで活動中のキューブリックの実孫サム・キューブリック(=フィニー)ですが、なかなかインディーズレベルから脱却できないためか、メジャーシーンで活動中のIce Nine Killsの新曲にボーカルとして参加したようです。しかもその曲は『シャイニング』のオマージュ満載。

 『Enjoy Your Slay feat. Sam Kubrick』ってもうキューブリックの孫であるという看板を背負う気マンマンですが、所属するShieldsの方はこれからどうするんでしょう? Youtubeでの再生数がここまで違うと、現実を突きつけられた気がしてなんだかとっても辛いですね。その所属するShieldsのYouTubeチャンネルはこちらになります。どれがサム君かは・・・一目瞭然ですね(笑。

 しかし、キューブリックの孫の活動ぶりを日本語で紹介した記事を初めて見ました。単なる邦訳記事だとしても貴重です。果たして彼らがメジャーになる日が来ることがあるのか? そして来日は!? 今後に注目です。
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