2017年04月

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 『時計…』で、アレックスの部屋にあった近未来的ターンテーブル(レコードプレーヤー)です。ラストの病室のシーンで、キャスターに乗っていたのもこれになります。『時計…』は予算が厳しかったせいか、極力ロケや既存の商品に頼って撮影されていますが、このターンテーブルも実際に商品として販売されていたものです。メーカーはデヴィッド・ギャモンが設立したトランススクリプト社で、この「トランススクリプト・ハイドロリック・リファレンス・ターンテーブル」は1964年に発売されたものです。

 メーカーのHPによると、1969年にボアハムウッドにあった工場にキューブリックがやってきて、最新のプロジェクトの為にこのターンテーブルを購入できないか訊ねたそうです。そしてデイヴィッドはキューブリックにこの「ハイドロリック・リファレンス・ターンテーブル」を譲ったのだそう。

 「ハイドロリック・リファレンス・ターンテーブル」は劇中では使用させず、代わりに使われたのがミニカセット(マイクロカセットではない。ミニカセットはフィリップ社の規格、マイクロカセットはオリンパスの規格)でした。キューブリックはアナログレコードの後はカセット、しかもミニカセットが普及すると考えていたんですね。しかしこのサイズのテープスピードではオーディオ用としてははあまりにも音質が悪く、普及したのは主にメモ録音用や留守番電話のメッセージ録音用などでした。劇中のようにオーディオ用ミニカセットが発売された事実はなく、第九やリゲティのカセットテープや、セットされたカセットデッキは全て小道具として創作されたものです。しかし世界にはマニアはいるもので、完全再現したレプリカを製作した方がいらっしゃいます。因みに音源はCD化されているので入手は容易です。

 ところでこのターンテーブル、eBayなどでは20〜30万円で入手できます。オーディオマニアなら手が出せない金額ではなさそう。音質云々は日本語での情報がないのでわかりませんが、日本のオーディオマニアにはあまり評価されていないんでしょうか? プロダクトデザインとしての評価がこの値段なら、ちょっと手を出しにくいかも知れないですね。
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a-clockwork-orange

 小説の英語版『時計じかけのオレンジ』の巻末に掲載されていた「ナッドサット言葉辞典」を和訳したものに、映画版で追加使用された言葉を「※」で表記しました。オレンジ色の言葉が映画版で使用されたものです。表記は「原語(日本語表記)|英語での意味(その和訳)」です。ロシア語などの言語のルーツは省略しましたが、知りたい方は出典を参照ください。間違いなどありましたら掲示板でご指摘ください。その際は「誠に恐縮アピ・ポリ・ロジー」。





Appypolly loggy(アピ・ポリ・ロジー)|Apology(お詫び)



Baboochka(バブーチカ)|Old woman(老女)
Baddiwad(バッディワッド)|Bad(悪い)
Banda(バンダ)|Band(ギャング)
Bezoomy(ビズムニー)|Mad(狂った)
Biblio(ビブロ)|Library(図書館)
Bitva(ビトバ)|Battle(戦い)
Bog(ボッグ)|God(神様)
Bolnoy(ボルノイ)|Sick(病気)
Bolshy(ボルシャイ)|Big(でかい)
Bratchny(ブラッチニー)|Bastard(クソ野郎)
Bratty(ブラッティ)|Brother(兄弟・友達)
Britva(ブリトバ)|Razor(カミソリ)
Brooko(ブロッコ)|Belly(腹)
Brosay(ブロショイ)|Throw(投げる)
Bugatty(ブガティ)|Rich(豊かな)



Cal(カル)|Shit(クソ)
Cancer(ガン)|Cigarette(タバコ)
Cantora(キャントラ)|Office(事務所)
Carman(カーマン)|Pocket(ポケット)
Chai(チャイ)|Tea(紅茶)
Charlie(チャーリー)|Chaplain(牧師)
Chasha(チャシャ)|Cup(カップ)
Chasso(チャソー)|Guard(守る)
Cheena(チーナ)|Woman(女)
Cheest(チェースト)|Wash(洗う)
Chelloveck(チェロベック)|Fellow(男・人)
Chepooka(チープカ)|Nonsense(ナンセンス)
Choodessny(チューデセニー)|Wonderful(素晴らしい)
Chumble(チャンブル)|Mumble(モグモグ言う)
Clop(クロップ)|Knock(ノック)
Cluve(クルーブ)|Beak(くちばし)
Collocol(コロコル)|Bell(ベル)
Crark(クラーク)|Yowl(啼き声)
Crast(クラスト)|Steal(盗み)
Creech(クリーチ)|Scream(悲鳴)
Cutter(カッター)|Money(小銭)



Dad(ダッド)|パパ※
Dama(ダーマ)|Lady(女性)
Ded(デッド)|Old Man(老人)
Deng(デング)|Money(お金)
Devotchka(デボチカ)|Girl(女の子)
Dobby(ドッディ)|Good(良い)
Domy(ドーミー)|House(家)
Doobidoob(ドゥービードゥー)| 分かった※
Dook(ドーク)|Ghost(幽霊)
Dook(ドゥーク)|常識※
Dorogoy(ドロブイ)|Valuable(価値のある)
Drat(ドラト)|Fight(喧嘩)
Drencrom(ドレンクロム)|A drug(麻薬の一種)
Droog(ドルーグ)|Friend(仲間)
Droogy(ドルーギー)|(仲間たち)※
Dva(ドヴァ)|Two(2)



Eegra(イーグラ)|Game(ゲーム)
Eemya(イーマ)|Name(名前)
Eggiweg(エッギィウェッグ)|Egg(卵)
Em(エム)|Mum(ママ)



Fagged(ファゲッド)|Tired(つまらない)
Filly(フィリー)|Play(弄ぶ)
Firegold(ファイヤゴールド)|A particular drink(麻薬の一種)
Forella(フォレラ)|Trout(クソババア)



Gazetta(ギャゼッタ)|Newspaper(新聞)
Glazz(グラズ)|Eye(目)
Glazzy(グラジー)|Eyes(両目)※
Gloopy(グルーピー)|Stupid(バカ)
Godman(ゴッドマン)|Priest(聖職者)
Golly(ゴリー)|Unit of Money(お金の単位)
Goloss(ゴロス)|Voice(声)
Goober(グーバー)|Lip(唇)
Gooly(ゴーリー)|To Walk(歩く)
Gorlo(ゴルロー)|Throat(喉)
Govoreet(グブリ)|To speak(話す)
Grazhny(グラジニー)|Dirty(汚い)
Grazzy(グラジー)|Soiled(汚れる)
Gromky(グロムキー)|Loud(うるさい)
Groody(グルーディ)|Breast(胸)
Gruppa(グルッパ)|Group (グループ)
Guff(ガフ)|Laugh(笑う)
Gulliver(ガリバー)|Head(頭)
Guttiwuts(ガディワッツ)|Guts(内臓)



Hen-korm(ヘン・コーン)|Chickenfeed(はした金)
Hi,hi,hi,there(ハイハイハイゼア)|やあみんな※
Horn(ホーン)|To Cry Out(大声で叫ぶ)
Horrorshow(ホラーショー)|Good, well(素晴らしい)
Hound-and-Horny corny (ハウンド・アンド・ホーニーコーニー)|corny(陳腐)



In-out-in-out(インアウト・インアウト)|Sex(セックス)
Interessovat(インタレソバット)|To interest(興味を持つ)
Itty(イッティ)|To go(行く)



Jammiwam(ジャミワム)|Jam(ジャム)
Jeezny(ジーズニー)|Life(人生)



Kartoffel(カートフェル)|Potatoes(ジャガイモ)
Keeshkas(キーシュカ)|Guts(内臓)
Kleb(クレブ)|Bread(パン)
Klootch(クルーチ)|Key(鍵)
Knifey moloko(ナイフィー・モロコ)|麻薬入り牛乳※
Knopka(ノプカ)|Button(ボタン)
Kopat(コパト)|To Dig(掘る)
Koshka(コシュカ)|Cat(猫)
Kot(コット)|Tomcat(オス猫)
Krovvy(クルービー)|Blood(血)
Kupet(クーペット)|To Buy(買う)



Lapa(ラパ)|Paw(前足)
Lewdies (リューディ)|People(人々)
Lighter(ライター)|Crone(複製)
Litso(リッツォ)|Face(顔)
Lomtick(ロムチック)| Slice(スライス)
Loveted(ラブテッド)|Caught(捕えられた)
Lubbilubbing(ラブラビング)|Making love(性行為)
Luscious Glory(ラシャス グローリー)|Hair(髪)



Malchick(マルチック)|Boy(少年)
Malenky(マレンキー)|Little(ちょっと)
Maskies(マスキー)| マスク※
Maslo(マスロ)|Butter (バター)
Merzky(メルズキー)|Filthy(不潔な)
Messel(メッセル)|Thought(考え)
Mesto(メスト)|Place(場所)
Millicent(ミリセント)|Policeman(警察官)
Minoota(ミノータ)|Minute(分)
Milk plus(ミルク・プラス)| 麻薬入り牛乳※
Molodoy(モロドイ)|Young(若い)
Moloko(モロコ)|Milk(牛乳)
Moloko plus(モロコ・プラス)|麻薬入り牛乳※
Moodge(ムージ)|Man(人)
Morder(モルダー)|Snout(鼻)
Mounch(マンチー)|Snack(軽食)
Mounch-wunching(マンチー・ウンチング)|軽食を食べている※
Mozg(モズグ)|Brain(脳)
Mum(マム)|ママ※



Nachinat(ナッチナット)|To Begin(始める)
Nadmenny(ナッドメニー)|Arrogant(尊大な)
Nadsat(ナッドサット)|Teenage(10代)
Nagoy(ナゴイ)|Naked(裸)
Naughty,Naughty,Naughty!(ノーチーノーチーノーチー!)|いけないンだ!※
Nazz(ナズ)|Fool(馬鹿)
Neezhnies(ニーズニー)|Underpants(下着)
Nochy(ノチー)|Night(夜)
Noga(ノガ)|Foot(足)
Nozh(ノズ)|Knife(ナイフ)
Nuking (scent) Smelling (of perfume)(ナキング・スメリング)|to smell, take a whiff(匂いを嗅ぐ)



Oddy-knocky(オッディ・ノッキー)|Lonesome(一人ぼっち)
Odin(オディン)|One(1)
Okno(オクノ)|Window(窓)
Oobivat(ウービバット)|To Kill(殺す)
Ookadeet(ウーカビート)|To leave(去る)
Ooko(ウーコ)|Ear(耳)
Oomny(オムニ)|Clever(賢い)
Oozhassny(ウザースニー)|Terrible(ひどい)
Oozy(ウージー)|Chain(鎖)
Orange(オレンジ)|Man(男)
Osoosh(ウースシュ)|To Dry(乾かす)
Otchkies(オチキー)|Eyeglasses(眼鏡)



Pan-handle(パンハンドル)|Erection(勃起)
Pee(ピー)|Father(パパ)
Pee and Em(ピーアンドエム)|両親※
Peet(ピート)|To Drink(飲む)
Pishcha(ピスチャ)|Food(食べ物)
Platch(プラッチ)|To Cry(泣く)
Platties(プラティ)|Clothes(服)
Plenny(プレニー)|Prisoner(囚人)
Plesk(プレスク)|Splash(跳ねる)
Pletcho(プレチョー)|Shoulder(肩)
Plott(プロット)|Flesh(肉体)
Podooshka(ポドーシュカ)|Pillow(枕)
Pol(ポル)|Sex(セックス)
Polezny(ポレズニー)|Useful(役に立つ)
Polyclef(ポリークレフ)|Skeleton key(合鍵)
Pony(ポニー)|To understand(理解する)
Poogly(プーガリ)|Scared (怯えた)
Pooshka(プーシカ)|Gun (銃)
Pop-disk(ポップディスク)|Pop-music disc(ポップレコード)
Prestoopnik(プレストゥプニク)|Criminal(犯罪者)
Pretty Polly(プレティ・ポリー)|Money(大金)
Privodeet(プリヴォディート)|To lead somewhere(どこかに導く)
Prod(プロッド)|To produce(生じる)
Ptitsa(プティッツァ)|Girl(女)
Pyahnitsa(ピャニトサ)|Drunk(酔う)



Rabbit(ラビット)|Work(仕事)
Radosty(ラドシー)|Joy(喜び)
Raskazz(ラスカズ)|Story(物語)
Rasoodock(ラズードックス)|Mind(思案中)
Raz(ラズ)|Time(時間)
Razdrez (ラズドラズ)|Upset(動揺)
Razrez(ラズレズ)|To Rip(破る)
Rooker(ルッカー)|Hand(手)
Right,right(ライト・ライト)|OK※
Rookerfull(ルッカフル)| 雀の涙※
Rot(ロット)|Mouth(口)
Rozz(ロズ)|Policeman(刑事)



Sabog(サボグ)|Shoe(靴)
Sakar(サカール)|Sugar(砂糖)
Sammy(サミー)|Generous(寛容な)
Sarky(サーキー)|Sarcastic(皮肉な)
Scoteena(スコチーナ)|Cow(獣のようなメス牛)
Shaika(シャイカ)|Gang(ギャング)
Sharp(シャープ)|Female(女性)
Sharries(シャーリーズ)|Balls(ボール)
Shest(シェスト)|Pole(ポール)
Shilarny(シラルニー)|Concern(心配)
Shive(シーブ)|Slice, cut(薄く切る)
Shiyah(シーヤー)|Neck(首)
Shlaga(シュラガ)|Club(クラブ)
Shlapa(シュラパ)|Hat(帽子)
Shlem(シュレム)|Helmet(ヘルメット)
Shoom(シューム)|Noise(騒音)
Shoot(シュート)|Fool (馬鹿)
Sinny(シニー)|Movies, film(映画)
Skazat(スカザット)|To say(言う)
Skolliwoll(スコリウォル)|School(学校)
Skorry(スコリー)|Quick, quickly(早く)
Skriking(スクリキング)|Scratching(引っ掻く)
Skvat(スクバット)|To Grab(つかむ)
Sladky(スラブキー)|Sweet(甘い)
Sloochat(スルーチャット)|To happen(起こる)
Slooshy,Slooshied(スルージー、スルーシュ)|To listen, hear(調べ・聴く)
Slovo(スロボ)|Word(言葉)
Smeck(スメック)|Laugh(笑い)
Smot(スモット)|To look(見る)
Sneety(スニーティ)|Dream(夢)
Snoutie(スヌーティ)|Tobacco, snuff(嗅ぎタバコ)
Snuff It(スナッフ イット)|To Die(ぶっ裂く・死にたい)
Sobirat(ソビラット)|To Pick Up(拾う)
Sod(ソド)|Bastard、Sodomite(アナル野郎)
Sodding(ソッディング)|Fucking、Sodomy(クソッタレ)
Soomka(スームカ)|Bag(醜い)
Soviet(ソビエト)|Advice, order(アドバイス、命令)
Spat, Spatchka(スパット、スパチカ)|Sleep(睡眠)
Spoogy(スプーギー)|Terrified(おびえる)
Staja(スタージャ)|State Jail(刑務所)
Starry(スタリー)|Old, ancient(古い)
Steakywakes(ステーキウェイクス)|ステーキ※
Strack(ストラック)|Horror(恐怖)
Synthmesc(シンスメスク)|A particular drug(麻薬の一種)



Tally(トーリー)|Waist(腰)
Tashtook(タッシュトゥック)|Handkerchief(ハンカチ)
Tass(タス)|Cup (カップ)
Tolchock(トルチョック)|To hit(殴る)
Toofles(トーフル)|Slippers(スリッパ)
Tree(ツリー)|Three(3)


Ultra-violence(アルトラバイオレンス)|超暴力※



Vareet(ヴァリート)|To cook up(料理する)
Vaysay(ヴァイセイ)|Washroom, toilet(トイレ)
Veck(ベック)|Guy(男)
Vellocet(ベロセット)|A particular drug(麻薬の一種)
Veshch(ベスチ)|Thing(もの)
Viddy(ビディー)|To see(見る)
Voloss(ボロス)|Hair(髪)
Von (ボン)|Smell (におい)
Vonny(ボニー)|くさい※
Vred(ヴレッド)|To Harm(危害を加える)



Warble(ウォーブル)|Song(歌)
Well,well,well(ウェルウェルウェル)|あれあれあれ※
Welly,welly,welly,welly,welly,welly,well!(ウェリーウェリーウェリーウェリーウェリーウェリーウェル!)|これはこれは!※
Wunching(ウンチング)|食べる※



Yahma(ヤーマ)|Hole(穴)
Yahoody(ヤホーディ)|Jew(ユダヤ人)
Yahzick(ヤジック)|Tongue(舌)
Yarbles(ヤーブル)|Balls, testicles(睾丸)
Yarblockos(ヤーブロッコ)|睾丸野郎※
Yeckate(イェッケト)|To Drive(運転)
Yes?(イエース)|あン?※



Zammechat(ザメチャット)|Remarkable(驚くべき)
Zasnoot(ザスノート)|To Sleep(眠る)
Zheena(ジーナ)|Wife(妻)
Zoobies(ズービー)|Teeth(歯)
Zvonock(ズボノック)|Doorbell(ドアベル)
Zvook(ズブーク)|Sound(響き)

(出典:Nadsat Dictionary Reprinted from the novel "A Clockwork Orange"

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7AP
『ロリータ』のオープニングで配給会社のMGMの次にクレジットされている『セブン・アーツ・プロダクションズ』



 『ロリータ』の製作資金100万ドルを提供した映画制作会社。1957年にレイ・スタークとエリオット・ハイマンが創業した。

 創業者エリオット・ハイマンとキューブリックのパートナー、ジェームズ・B・ハリスは子供の頃の同級生の父親という間柄で、旧知の仲だった。『ロリータ』の製作資金捻出に苦労していたキューブリックとハリスはエリオットを頼り、エリオットは「それだけでいいのか。100万で。決まりだ」と言ってあっという間に出資が決定した。その後、予算を175万ドルに増額している。

 その後セブン・アーツは1967年にワーナー・ブラザースを買収。「ワーナー・ブラザース=セヴン・アーツ」となるが、1969年にはキニー・ナショナル・カンパニーに買収され「ワーナー・ブラザース」に名称を戻して復活した。エリオット・ハイマンはこの年に退社、個人投資家へと転身した。『ロリータ』に『フランケンシュタインの逆襲』が登場したのは、ハマー・フィルム・プロダクションに『フランケン…』の製作資金を提供したのがセブン・アーツだったためだと思われる。

 因みにここによると『ロリータ』の総製作費は200万ドル(別ソースでは190万から225万)なので、残りの約25万ドルはキューブリックとハリスでかき集めたことになる。その中には『現金…』の権利(7万5千ドル)も含まれていた。尚、同社は次作『博士…』にも資金提供している。
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〈前略〉

音声合成で世界最初に流れたのはデイジー・ベルの歌 1961年

 映画「2001年宇宙の旅」、交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」が流れるなか、並んだ惑星の向こうから太陽が昇る荘厳なシーンから映画は始まります。モノリスと呼ばれる石から知恵を授けられた猿人が争いに勝ち、握っていた骨の武器を空中高く放り投げると、落ちてくるあいだに道具が進化し、宇宙船にかわるという印象的なシーン。また地球から月へ向かう宇宙船のバックに流れる「美しく青きドナウ」。映画とクラシックをうまくマッチさせたスタンリー・キューブリック監督の名作です。アポロ十一号が人類最初の有人月着陸を果たす前年(1968年)に封切られました。

 映画の主人公はもちろん人間ですが、準主人公が人工知能HAL9000型コンピュータです。IBMの文字を前に一文字ずつずらして命名した説が有名ですが、キューブリック監督は否定しています。

 このHAL9000がとんでもない事件を起こします。月で見つかったモノリスの秘密を探るために木星へ向かう宇宙船ディスカバリー号を管理しているHAL9000が突如暴走しはじめます。モノリス探査の任務と、その任務をディスカバリー号乗員に隠すよう矛盾された指示を与えられたことが原因でした。この原因は後編の映画「2010年宇宙の旅」で判明します。

HAL9000が歌うデイジー・ベルの歌


 HAL9000の異常に気づいた乗組員が人工知能の停止をはかりますがHAL9000が反撃を始め乗組員を次々と殺害。唯一、生き残ったボーマン船長がHAL9000を停止させるため人工知能の思考部に入ります。次々と機能停止されるなか、HAL9000がもうろうとした意識(そんなものが人工知能にあればですが)で歌うのが“デイジー・ベルの歌”です。歌っている間に、だんだんスピードが落ち、HAL9000のロレツがまわらなくなり、やがて停止してしまいます。

 “デイジー・ベルの歌”は“二人乗りの自転車”ともいい、不器用な田舎者の恋を扱った歌詞です。なぜこんな歌が映画の重要なシーンで使われたのでしょうか。答えは音声合成で世界最初に流れたのがデイジー・ベルの歌だったからです。

 1961年にベル研究所の技術者が史上初めてアイビーエムの大型コンピュータを使い音声合成で“デイジー・ベルの歌”を歌わせました。このエピソードを知っていたのでキューブリック監督は、映画のシーンに使ったのでしょう。もっとも技術者が、なぜこの歌を大型コンピュータに歌わせたのかは謎です。

〈以下略〉

(全文はリンク先へ:PC Watch/2017年4月10日




 水谷哲也氏の書籍『バグは本当に虫だった なぜか勇気が湧いてくるパソコン・ネット「100年の夢」ヒストリー91話』(発行:株式会社ペンコム、発売:株式会社インプレス)に掲載されているエピソードを抜粋した記事だそうです。他の記事はこちらで読めます。

 HALとIBMの関係は以前ここで記事にしましたね。ところでキューブリックはパーソナル・コンピュータの普及を心待ちにしていて、IBM XTを手にいれたときは誇らしげにこんな写真まで遺しています。後に1988年のこのインタビューで所有機種を「軽いラップトップ型の東芝のコンピュータで、プリンターはエプソンだ。」と応えています。このことからも相当の「パソコンヲタ」だったことがわかります。まあそれ以前にカメラやテープレコーダーが大好きな「メカヲタ」だったので、こうなるのも必然ですね。そんな「ヲタ」なキューブリックを奥さんのクリスティアーヌは半ば呆れつつ

「スタンリーはテープレコーダー8つとズボン1本さえあればそれだけで幸せ」

「パーソナル・コンピュータの登場は彼が生まれてこのかたずうっと登場を待ち望んでいたものが実現したようなもの」


と語っています。同じ「ヲタ」な方々には耳の痛い話ではないでしょうか(笑。


バグは本当に虫だった-なぜか勇気が湧いてくるパソコン・ネット「100年の夢」ヒストリー91話(amazon)
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 2017年に結成55周年を迎える、アイルランド伝統音楽・ケルト音楽の最高峰バンド、ザ・チーフタンズ(The Chieftains)の来日が決定。スタンリー・キューブリック監督の『バリー・リンドン』で音楽を担当し、1975年にグラミー賞を受賞。ローリング・ストーンズ、ポール・マッカートニー、ジョニ・ミッチェル、ライ・クーダー、エルヴィス・コステロ、ロジャー・ウォーターズ、ヴァン・モリソン、パヴァロッティ、ジャクソン・ブラウン、アート・ガーファンクル、スティング、ロジャー・ダルトリー、ジョン・ウィリアムズ、ロンドン・シンフォニー・オーケストラ、矢野顕子、忌野清志郎、林英哲(和太鼓)、古謝美佐子、遊佐三森、元ちとせ、とも共演。

〈以下略〉

(全文はリンク先へ:Qetic/2017年4月13日




 『バリー・リンドン』のサントラで『愛のテーマ(アイルランドの女)』『パイパーズ・マゴット・ジグ』『海の乙女』の三曲の演奏者としてクレジットされているザ・チーフタンズが来日するそうです。過去に共演しているアーティストの面々は記事の通り豪華ですが、wikiによると当初はその現代的な解釈が批判を浴びていたそう。記事には『バリー…』でグラミー賞、このwikiにはアカデミー賞を受賞とありますが、ソースを確認できませんでした。『バリー…』でアカデミー賞の編曲・歌曲賞の受賞をしたのはレナード・ローゼンマンですので、正確には英語版wikiにあるように「アカデミー賞を受賞した『バリー…』のサントラへの参加で高い評価を受けた」という認識が正しいです。『音楽CD検定公式ガイドブック(下巻)』にはこのような記述がみられますが、非常に誤解を招きやすい表現です。もらってもいないオスカーで評価されても本人たちはちっとも嬉しくないと思いますが。

 『バリー…』のサントラがらみでグラミー賞を受賞したというソースも見つけられませんでした。ただ、バンド自体は他の作品でグラミー賞を何度も受賞しているので評価に揺るぎはないですが、こういった受賞歴の表記はソースをちゃんと確認し、神経質になって欲しいものです。
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