2016年04月

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メッシやジャッキー・チェンの名前も!

 パナマの法律事務所「モサック・フォンセカ」から流出したタックスヘイブン(租税回避地)関連文書・「パナマ文書」が世界に衝撃を与えています。

 このパナマ文書によって明らかになったのは、政治家や大富豪らがケイマン諸島や英国領バージン諸島のような税率がゼロか極端に低いタックスヘイブン(租税回避地)にペーパーカンパニーを作り、そこで金融取引や資金を蓄財することで、自国の課税を免れていたという実態でした。

 約1150万件に及ぶその内部文書には、40年に渡る情報が記録されています。その間に設立に関与したペーパーカンパニーは21万社、約140人の政治家、官僚、経済人、スポーツ選手など著名人の名前がズラリ並んでいるとのことです。

 リストの中には、ウクライナのペトロ・ポロシェンコ大統領、アイスランドのジグムンドゥル・グンロイグソン(前)首相、アルゼンチンのマウリシオ・マクリ大統領など現在と過去の首脳12人のほか、英国のデービッド・キャメロン首相の亡き父や、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領に近しい友人、中国の習近平国家主席や中国共産党最高指導部の親族、さらにはサッカーのリオネル・メッシ選手、俳優のジャッキー・チェン、映画監督のスタンリー・キューブリックなどの名前も記録されていました。

 タックスへイブンを使った取引そのものは違法ではないものの、多国籍企業の租税回避に批判が集まっていたなか、「パナマ文書」の流出により、世界の富裕層らも税負担を不公平に免れているのではないかという疑念が世界中に蔓延し、不正を暴くべきだとのムードが一気に高まってきています。

〈以下略〉

(全文はリンク先へ:BizCOLLEGE/2016年4月26日




 この記事でパナマ文書によりキューブリックの映画資金の一端が覗けるかもという記事を書きましたが、今のところそういった話ではなく、キューブリック急死に伴う遺産相続に関して、相続税を回避、または軽減するためにタックスヘイブンを利用したという報道が出ているようです。キューブリックは用意周到な人間なので生前からこういった対策をしていても何の不思議でもないのですが、まさかこんなに早く亡くなってしまうとは本人も予想していなかったでしょうから、生前遺産についてどんな取り決めがあったのか、キューブリック急死後、誰が主導的に遺産管理を行っていたかによって話が変わってくる可能性があります。

 情報としてキューブリック逝去時点での純資産は2000万ドル(約22億円)であること。ペーパーカンパニーの名称に娘の名前を使っていたこと。1978年に現在のチルドウィックベリーの邸宅を購入したこと(ソースはこちら)。それにキューブリックの会計士がリック・スプリングフィールドと同じ会計士で「キューブリックの死後、財産保全のためにイギリスに定住しなければならなくなった」と漏らしていたことくらいです。ペーパーカンパニーの名前についてはキューブリックは生前から映画資金調達用のペーパーカンパニーに娘の名前や猛禽類を使っていたのであまり重要視しなくてもいいかもしれませんが、もしパナマ文書に遺産以外の記述がないのなら、キューブリックが(もしくはこの会計士が)このタックスヘイブンを利用したのは、キューブリック急死に伴う緊急避難的な意味合いが大きかったのかもしれません。

 しかし、純資産が22億円というのは個人的には非常につつましい数字だと思っています。キューブリックの名声からすれば3桁億円でも不思議ではありませんからね。
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 2016年トライベッカ映画祭でのオフィシャルセレクションを集めた動画だそうです。キューブリック作品は『2001年…』『時計…』と2作品選ばれていますね。ここにある作品は映画ファンを名乗るならかなりの割合で観ていなければならない作品ばかりですが、近年作になればなるほど小物感が・・・(笑。まあ、まだ時間が経っていないので今後名作と評価されるかもしれませんけど。

 登場する作品の一覧を以下に記しておきますので、ご自身の映画鑑賞歴と照らし合わせて参考にしてみてください。因みに管理人の打率は・・・サイレント映画はさすがに厳しかったです(笑。

國民の創生(Birth of a Nation)
イントレランス(Intolerance)
チャップリンの移民(The Immigrant)
犬の生活(A Dog's Life)
散り行く花(Broken Blossoms)
カリガリ博士(The Cabinet of Dr. Caligari)
キッド(The Kid)
吸血鬼ノスフェラトゥ(Nosferatu)
セイフティ・ラスト(Safety Last)
シャーロックJr.(Sherlock Junior)
戦艦ポチョムキン(Battleship Potemkin)
キートンの大列車追跡(The General)
メトロポリス(Metropolis)
裁かるるジャンヌ(The Passion of Joan of Arc)
アンダルシアの犬(Un Chien Andalou)
西部戦線異状なし(All Quiet on the Western Front)
フランケンシュタイン(Frankenstein)
スカーフェイス(Scarface)
キングコング(King Kong)
或る夜の出来事(It Happened One Night)
フランケンシュタインの花嫁(The Bride of Frankenstein)
サボタージュ(Sabotage)
白雪姫(Snow White and the Seven Dwarfs)
ロビンフッドの冒険(The Adventures of Robin Hood)
オズの魔法使(The Wizard of Oz)
独裁者(The Great Dictator)
市民ケーン(Citizen Kane)
カサブランカ(Casablanca)
ならず者(The Outlaw)
脱出(To Have and Have Not)
無防備都市(Rome, Open City)
素晴らしき哉、人生!(It's a Wonderful Life)
ダーク・パッセージ(Dark Passage)
自転車泥棒(The Bicycle Thief)
第三の男(The Third Man)
サンセット大通り(Sunset Boulevard)
欲望という名の電車(A Streetcar Named Desire)
雨に唄えば(Singing in the Rain)
シェーン(Shane)
裏窓(Rear Window)
七年目の浮気(The Seven Year Itch)
捜索者(The Searchers)
第七の封印(The Seventh Seal)
めまい(Vertigo)
北北西に進路を取れ(North by Northwest)
サイコ(Psycho)
ティファニーで朝食を(Breakfast at Tiffany's)
アラビアのロレンス(Lawrence of Arabia)
8 1/2
荒野の用心棒(A Fistful of Dollars)
サウンド・オブ・ミュージック(The Sound of Music)
続・夕陽のガンマン(The Good, The Bad and The Ugly)
卒業(The Graduate)
2001年宇宙の旅(2001: A Space Odyssey)
イージー・ライダー(Easy Rider)
パットン大戦車軍団(Patton)
時計じかけのオレンジ(A Clockwork Orange)
ゴッドファーザー(The Godfather)
エクソシスト(The Exorcist)
チャイナタウン(Chinatown)
ジョーズ(Jaws)
ロッキー(Rocky)
未知との遭遇(Close Encounters of the Third Kind)
スーパーマン(Superman)
地獄の黙示録(Apocalypse Now)
スター・ウォーズ 帝国の逆襲(Star Wars: Episode V - The Empire Strikes Back)
レイダース/失われたアーク《聖櫃》(Raiders of the Lost Ark)
E.T.
スカーフェイス(Scarface)
エルム街の悪夢(A Nightmare on Elm Street)
ブレックファスト・クラブ(The Breakfast Club)
プラトーン(Platoon)
ダーティ・ダンシング(Dirty Dancing)
ダイ・ハード(Die Hard)
バットマン(Batman)
グッドフェローズ(Goodfellas)
羊たちの沈黙(The Silence of the Lambs)
レザボア・ドッグス(Reservoir Dogs)
ジュラシック・パーク(Jurassic Park)
ショーシャンクの空に(The Shawshank Redemption)
ブレイブハート(Braveheart)
ミッション:インポッシブル(Mission: Impossible)
タイタニック(Titanic)
天才マックスの世界(Rushmore)
ファイト・クラブ(Fight Club)
グラディエーター(Gladiator)
ロード・オブ・ザ・リング(The Lord of the Rings: The Fellowship of the Ring)
スパイダーマン(Spider-Man)
パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち(Pirates of the Caribbean: The Curse of the Black Pearl)
エターナル・サンシャイン(Eternal Sunshine of the Spotless Mind)
ブロークバック・マウンテン(Brokeback Mountain)
300 〈スリーハンドレッド〉(300)
ゼア・ウィル・ビー・ブラッド(There Will be Blood)
ダークナイト(The Dark Knight)
アバター(Avatar)
インセプション(Inception)
ツリー・オブ・ライフ(The Tree of Life)
アベンジャーズ(The Avengers)
ゼロ・グラビティ(Gravity)
6才のボクが、大人になるまで。(Boyhood)
マッドマックス 怒りのデス・ロード(Mad Max: Fury Road)
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恐怖と欲望 Blu-ray(amazon)


 「GYAO! 映画学校特集」の第6週(4月29日〜5月19日)『鬼才はデビュー作から鬼才なり。』で、キューブリックの商業映画デビュー作『恐怖と欲望』が無料配信されるそうです。

 長年公開を待ち望んでいたファンにとっては貴重なフィルムですが、DVDやBDで簡単に観ることができるようになった現在でも、無料配信となると興味を持つ方も多いはず。ぜひ多くの方にご覧いただきたいとは思うのですが、くれぐれも過度な期待は厳禁でお願いいたします。映画としてはキューブリック自身が自費を投じてフィルムを買い漁るほど封印したがった「駄作(本人弁)」ですので。

 まあ解説者とか評論家とかはそれでも「盛った」文章を書かなければならないのが「仕事」なんでしょうけど、いくらなんでもジョゼフ・コンラッドの名作小説『闇の奥』の映画化、『地獄の黙示録』と対比させるのは如何なものかと。精神という「川を遡る」『地獄…』と、単にシャバに戻るために「川を下る」『恐怖…』を同列に語って何が言いたいんでしょうね?

 キューブリックはこの作品で「映像で語る」という手法を劇映画で実現させようと意気込んでいますが、それはものの見事に空回り。キューブリックは一旦この野心を引っ込めて、次作『非情…』から『ロリータ』『博士…』まで所謂「演劇映画」の枠組みで(時折映像志向をチラつかせつつも)作品作りを行いました。そのキューブリックの野心がやっと結実したのが『2001年…』です。そういう意味では貴重な作品ですが、それは「資料的な意味合いで貴重」なのであって、一般の視聴者がこれをどう評価するかはまた別の問題です。

 因みにキューブリックがこの作品を封印した理由はこれ以外にもあるのではないか、と管理人が検証した記事はこちらにありますので、興味のある方はぜひどうぞ。
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 現在世界中の話題をさらっている「パナマ文書」ですが、それにはキューブリックの名前も記載されてるようです。

 キューブリックはお金にうるさい監督だったことはよく知られています。また、なぜお金に執着したかはここで記事にしました。さらにキューブリックは「コントロール主義者」だったわけですから、資産管理を会計士や弁護士に一任することはせず、自身も深くその運用に関与していたであろうことは、ほぼ確実かと思われます。事実仕事中でさえ株の売買をしていたことは周囲の関係者の証言で明らかになっています。

 その資金が合法的なものなのか、もしくは非常に後ろ暗いものだったのかは現在のところ分かりませんが、キューブリックにとってお金とはすなわち映画の制作資金だと思って間違いありません。もちろん多少の贅沢や生活費もあったかもしれませんが、旅行も贅沢品も服装も興味のなかったキューブリックにとって日々の生活のランニングコストなど雀の涙ほどです。

 パナマ文章は1970年代から始まっているそうですが、この時代のキューブリックといえば『ナポレオン』の企画の実現に必死になっていた頃です。ワーナーからの資金提供を受けられなくなったキューブリックが、当時の映画のトレンドとはとても思えない壮大な歴史時代劇『ナポレオン』を映画化するには自己資金に頼るほかありません。もしこのパナマ文書よって「キューブリックには巨額の隠し資金があり、それを[ナポレオン資金]と隠語で呼んでいた」なんて情報が暴露されたりすればファンは大喜びだと思います。謎に包まれていたキューブリックの「仕事ぶり」の一端が覗けるわけですからね。

 このパナマ文書は5月には順次公開になるそうですが、キューブリックは既に故人ですし、大物現役政治家などと比べたら重要度は低いのでもっと時間はかかりそうではあります。でもその成り行きを今後も注視していきたいと思っています。
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特に4話でのこの真横からのドリーショットに意図を感じるのは管理人だけでしょうか?



 昨年劇場公開されて話題になったアニメ『ガールズ&パンツァー』(略称ガルパン)ですが、機会あってTVシリーズ全話鑑賞したところ、いきなり『英国擲弾兵』が流れてきて憤死してしまいました(笑。

 キューブリックファンにとってこの『英国擲弾兵(British Grenadiers)』といえば『バリー…』のイングランド軍の進撃シーンがすぐ思い起こされます。キューブリックはこの当時の横一列の進軍隊形を横移動のドリーショットで追っていますが、このガルパンでも第4話で横からのドリーショット。しかもセリフが「さすが綺麗な隊列を組んでますね」「あれだけ速度を合わせて、隊列を乱さないで動けるのってすごい」ですからね(笑。

 ただ、このガルパンでは、各国の軍歌や行進曲をそのまま使用していますので『バリー…』のパロディを意図したものではなく、必然的にこうなった可能性もあります。2話では『ジョニーが凱旋するとき』も登場しますが、必ずしも『博士…』のシーンを意識したものではありませんでした。まあこういった細かい部分に反応してしまうのがキューブリックファンの哀しい性なのですが、ここまできたら劇場版も観なきゃダメですかね?(笑




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