メッシやジャッキー・チェンの名前も!
パナマの法律事務所「モサック・フォンセカ」から流出したタックスヘイブン(租税回避地)関連文書・「パナマ文書」が世界に衝撃を与えています。
このパナマ文書によって明らかになったのは、政治家や大富豪らがケイマン諸島や英国領バージン諸島のような税率がゼロか極端に低いタックスヘイブン(租税回避地)にペーパーカンパニーを作り、そこで金融取引や資金を蓄財することで、自国の課税を免れていたという実態でした。
約1150万件に及ぶその内部文書には、40年に渡る情報が記録されています。その間に設立に関与したペーパーカンパニーは21万社、約140人の政治家、官僚、経済人、スポーツ選手など著名人の名前がズラリ並んでいるとのことです。
リストの中には、ウクライナのペトロ・ポロシェンコ大統領、アイスランドのジグムンドゥル・グンロイグソン(前)首相、アルゼンチンのマウリシオ・マクリ大統領など現在と過去の首脳12人のほか、英国のデービッド・キャメロン首相の亡き父や、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領に近しい友人、中国の習近平国家主席や中国共産党最高指導部の親族、さらにはサッカーのリオネル・メッシ選手、俳優のジャッキー・チェン、映画監督のスタンリー・キューブリックなどの名前も記録されていました。
タックスへイブンを使った取引そのものは違法ではないものの、多国籍企業の租税回避に批判が集まっていたなか、「パナマ文書」の流出により、世界の富裕層らも税負担を不公平に免れているのではないかという疑念が世界中に蔓延し、不正を暴くべきだとのムードが一気に高まってきています。
〈以下略〉
(全文はリンク先へ:BizCOLLEGE/2016年4月26日)
この記事でパナマ文書によりキューブリックの映画資金の一端が覗けるかもという記事を書きましたが、今のところそういった話ではなく、キューブリック急死に伴う遺産相続に関して、相続税を回避、または軽減するためにタックスヘイブンを利用したという報道が出ているようです。キューブリックは用意周到な人間なので生前からこういった対策をしていても何の不思議でもないのですが、まさかこんなに早く亡くなってしまうとは本人も予想していなかったでしょうから、生前遺産についてどんな取り決めがあったのか、キューブリック急死後、誰が主導的に遺産管理を行っていたかによって話が変わってくる可能性があります。
情報としてキューブリック逝去時点での純資産は2000万ドル(約22億円)であること。ペーパーカンパニーの名称に娘の名前を使っていたこと。1978年に現在のチルドウィックベリーの邸宅を購入したこと(ソースはこちら)。それにキューブリックの会計士がリック・スプリングフィールドと同じ会計士で「キューブリックの死後、財産保全のためにイギリスに定住しなければならなくなった」と漏らしていたことくらいです。ペーパーカンパニーの名前についてはキューブリックは生前から映画資金調達用のペーパーカンパニーに娘の名前や猛禽類を使っていたのであまり重要視しなくてもいいかもしれませんが、もしパナマ文書に遺産以外の記述がないのなら、キューブリックが(もしくはこの会計士が)このタックスヘイブンを利用したのは、キューブリック急死に伴う緊急避難的な意味合いが大きかったのかもしれません。
しかし、純資産が22億円というのは個人的には非常につつましい数字だと思っています。キューブリックの名声からすれば3桁億円でも不思議ではありませんからね。