ドクター・スリープ 上(amazon)
ドクター・スリープ 下(amazon)
訳者あとがきが強調しているとおり、ホラーの帝王の新作『ドクター・スリープ』はあくまでも小説『シャイニング』の36年ぶりの続編であって、スタンリー・キューブリック監督による映画の後日談ではない。
雪に閉ざされたホテルを舞台に、怪異や幽霊が波状的に襲ってくる恐怖、正気を失っていく父の恐怖を描いた前作から30年後。〈かがやき〉という一種の超能力を持つ少年だったダニーは、父と同じくアルコール依存症に苦しむ中年男になっていた。特殊な能力は彼を幸せから遠ざけるが、ホスピスで死にゆく者に寄り添うことには役立ち、ついた綽名(あだな)がドクター・スリープ。
そんな彼は、離れた町で暮らす自分と同じ力を持った少女アブラと感応し合い、彼女に危機が迫っているのを知る。〈かがやき〉を有する子供の命気を吸って生きている〈真結族〉がアブラを狙っているのだ。ダニーは、残忍な魔性の者たちとの戦いを決意する
(以下リンク先で:日本経済新聞/2015年7月26日)
なんだか微妙な言い回しになっていますが、どうやらこの記者はお気に召さなかったようです。一方、amazonのブックレビューでは好意的な反応も多いようですので、「キングに求めるものは何か」によって評価は分かれそうです。前作との関連はかなり薄そうですが、前作ファン(原作・映画とも)の管理人にとっては、自分を犠牲にしてダニーを救ったパパ(ジャック)の存在が大きいのか小さいのかによって面白さが違ってくると思っていますので、読みましたらまたここでレビューしたいと思います。