2014年07月

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 全盛期のビートルズが、スタンリー・キューブリック監督を起用して「指輪物語」の映画化を企画していたことがわかった。これは『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのピーター・ジャクソン監督が明らかにしたもので、ポール・マッカートニーもその事実を認めたという。

(以下リンク先へ:Walker Plus/ 2014年7月29日




 記事によると『四人はアイドル(HELP!)』(1965)の後だそうなので1960年代後半、丁度『博士…』から『2001年…』の頃ですね。『ロリータ』以降はイギリスを拠点としていたので、オファーしたのでしょうけどまあ断りますよね。あのキューブリックがアイドル主演のファンタジー映画(まだこの頃のビートルズはアイドル扱いでした)を撮るとは思えません。まあ、メンバーで話が盛り上がってキューブリックにスケジュールを問い合わせてみた、というのが実際だと思います。

 別の記事によると「『ロード・オブ・ザ・リング』の映画化の権利が1969年にユナイトに売却されたとき、ビートルズはキューブリックに監督を引き受けてくれるかどうか尋ねた」とあるので、こちらが正しいとすると『2001年…』の直後、ちょうど『ナポレオン』の企画に取り掛かっている頃です。当時『ナポレオン』に夢中になっていたキューブリックが『ロード…』の企画を受けることはなかったでしょう。

 いずれにしても、興味深い事実ですね。
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※キューブリックがナポレオン役に希望したデヴィッド・ヘミングス。確かにナポレオンに雰囲気は似ている。

 キューブリックの幻の作品の中で最大かつ最も有名な未完プロジェクト。

 『2001年…』の成功の後の1969年、キューブリックはナポレオン・ボナパルトに関する大規模な伝記映画を計画、研究の為に500冊もの書物を読みあさるなど入念なリサーチを元に自身で脚本を執筆、衣装の製作、ロケ地の選定などプリプロダクションを進めていた。キューブリックはイギリスのスタジオを使用しつつもフランスで大規模なロケを計画し、さらにルーマニアで戦闘シーンを撮影するため、4万人の歩兵や1万騎の騎兵をルーマニア軍に演じて欲しいと要望した。ヤン・ハーランによると、計画は製作段階に入る準備ができており、キューブリックはアントニオーニの『欲望』でブレイクしたデヴィッド・ヘミイングスがナポレオンを、オードリー・ヘプバーンがジョゼフィーヌを演じる事を希望していた。(ナポレオン役はその他にもジャック・ニコルソンやアル・パチーノイアン・ホルムマーロン・ブランドなどの名前が挙がっていた)

 「かつて作られた中で最高のナポレオン映画」を目指し、キューブリックは着々と準備を進めていたが、セルゲーイ・ボンダルチュークが監督したナポレオンをテーマにした映画『ワーテルロー』(1970)の興行的大失敗により出資者が尻込みし計画は一旦棚上げ、その代わりにアンソニー・バージェスの『時計じかけのオレンジ』を映画化する事になった。

 その後キューブリックは1972年になっても『ナポレオン』を諦めきれずバージェスに脚本を依頼、ナポレオンの生涯をベートーベンの交響曲風にアレンジするというアイデアで脚本化したが、結局映画化は断念された。バージェスはこの脚本を1974年に『ナポレオン交響曲:四つの楽章による小説』として出版した。

 キューブリックはこの『ナポレオン』への準備期間を有効活用すべく、同じく18世紀の物語『バリー・リンドン』を映画化する事にする。またキューブリックにとって『バリー…』は『ナポレオン』を映画化する際の良い経験になるし、『バリー…』がヒットすればよりお金がかかる『ナポレオン』への資金調達がしやすくなると考えたのかも知れない。しかし『バリー…』の興行成績は散々で、まずキューブリックは出資者の信頼を取り戻すためによりヒットしやすい題材(『シャイニング』の映画化)を選ばなくてはならなくなってしまった。

 キューブリックの逝去後、2000年代に入ると『グラディエーター』の成功によりちょっとした歴史史劇ブームが起こる。キューブリックが存命ならこの機会を捉え、『ナポレオン』の企画を再度(再々度)動かしたかもしれない。また急速に発達したCG技術も映画に貢献したはずだ。そう考えればキューブリックの早すぎる死は返す返すも残念でならない。
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シャイニング [Blu-ray](amazon)


 スタンリー・キューブリックの名作『シャイニング』の前日譚を描いた映画『ザ・オーバールック・ホテル(原題) / The Overlook Hotel』で、『わたしを離さないで』のマーク・ロマネクが監督交渉に入っていることがVarietyや複数のメディアによって明らかになった。

〈中略〉

 そしてこの前日譚となる『ザ・オーバールック・ホテル(原題)』では、泥棒男爵のボブ・T・ワトソンが強盗で稼いだ金を利用して、アメリカで最も壮大なコロラド州のロッキー山脈にリゾートホテルを建設し、そこに家族を住まわせるが、さまざまな出来事が巻き起こるという設定になっている。

シネマトゥデイ映画ニュース/2014年7月23日





 以前こんな記事が出ていて期待していたのですが、どうやら舞台がオーバールック・ホテルというだけでキューブリック版との関連性は薄そうです。記事にあるワトソンとはホテルの初代支配人ですが、原作『シャイニング』に出てきます。その孫はキューブリック版にもキング版にも登場していますね。キューブリック版では最初の面接のシーンやホテルを紹介するシーンでアルマンのそばにいた寡黙な男性です。キング版はファーストシーンからいきなり登場するえらく口の悪い現管理人です。

 監督もアルフォンソ・キュアロンからマーク・ロマネクに交代です。雲行きが怪しくなってきましたが、今後も情報はフォローしたいと思います。
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ALEX IS STILL ALIVE from Simon Baumann on Vimeo.


 2011年時点での『時計…』のロケ地訪問動画です。以前同じような動画をご紹介しましたが、こちらは室内も紹介していますので、よりレアな内容となっています。

 内容はホームレスを襲った通路、作家の家の「HOME」内部、アレックスが住むアパートの外観、アパートのエントランス、アパート内部(アレックスがおしっこをしたトイレも)、アレックスが少女をナンパしたレコード店(現在はマクドナルド)、ディムを切りつけたマリーナ、キャットレディの家、ルドビコ医療センターの外観とエントランス、暴力映画を見せられた映画館(視聴覚室)、ルドビコ療法の効果を試されたステージ、ホームレスに襲われたテームズ川岸、アレックスが閉じ込められた部屋とスピーカーが設置されていた部屋、入院していた病室とストーリーの順に紹介されています。

 上記のいくつかはストリートビューを使って当ブログでも紹介していますが、まだ全部を網羅しきれていません。また、これには紹介されていないロケ地(ビリーボーイと喧嘩した廃墟のカジノやケガをしたディムとジョージを連れて行ったパブ)も合わせて今後ご紹介していきたいと思います。
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 「客が怖がって214号室に泊まりたがらなくなるので、実在しない237号室に部屋番号を変更して欲しい」・・・『シャイニング』を映画化する際、オーバールック・ホテルの外観として使用されたティンバーライン・ロッジ側がキューブリックに出した要望として有名な逸話ですが、それも今は昔の話らしく、現在ホテルでは積極的に『シャイニング』の知名度を集客に利用しちゃっているようです。

 ここで紹介したイベントや上記のビデオもそうですし、ホテルのサイトにあるこの『シャイニング』紹介ページでは「不思議で、またちょっと皮肉な事に217号室は他のどの部屋よりもしばしばリクエストされます」なんてコメントが載っています。でも、生け垣迷路もないですし、内装はアワニー・ホテルを参考にしていますので、より『シャイニング』気分を味わいたいのならそちらの方がオススメですね。
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