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ヲタクアイドルとして有名な中川翔子さんの『2001年宇宙の旅』(小説版)のインタビューがありましたのでご紹介します。
『2001年宇宙の旅』は先に映画を見ていました。ナレーションもなく、謎めいている。もっと深く知りたくて本を読んでみたら、宇宙船の目的地が、映画では木星なのに、土星なんですね。サルたちの生態、モノリスを月に埋め込んだ者の描かれ方、コンピューター「HAL」との心理戦……映画とは違う感じで、戦慄(せんりつ)を覚える瞬間がいくつもありました。
(一部引用:ブック・アサヒ・コム/2012年04月22日)
常日頃からオタクを公言していた彼女が、日本のマンガやアニメに引用されまくっている『2001年…』とこの小説に触れていた事には驚きませんし、感想もまあ当たり前のものかな、と思いますが、これを読む限り彼女はちゃんと『2001年…』の本質に思いを馳せるまで到達しているようです。でないと「思い出す本 忘れない本」というテーマを与えられて『2001年…』を選ぶなんてことまずないですからね。
「小説を読まないと理解できない映画なんて欠陥云々」という評もよく見かけますが、映画→小説→映画という順番で鑑賞すると、映画は映像でちゃんと「説明」してるんですよね。例えば猿人が一瞬モノリスをフラッシュバックするとか、月のモノリスがちゃんと陽を浴びてるとか。だから当時は「なんで気づかなかったんだ!」と自分の未熟さ加減に地団駄を踏んだものですが、最近の視聴者には荷が重いようでこのありさま。でも彼らは悪くないでしょう。目先の利益ばかり追い続け、低レベルの映画や音楽を垂れ流し続けた大人が悪いのです。反省しましょう。
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