Veit Harlan(IMDb)
キューブリックの三番目の妻、クリスティアーヌ・スザンヌ・ハーランの叔父。ただドイツ映画史に詳しい方なら、ナチの悪名高きプロパガンダ御用達監督であり、ゲッペルスのお気に入りの監督だった事で有名。その最たるものが『ユダヤ人ジュース』(1940)、そしてベルリン陥落二週間前に完成した戦意高揚映画『コルベルク』(1945)だ。キューブリックはこの叔父と実際に会った事があり、その際に「本当は嫌だったがあの時は従うしかなかった」と話していたそうだ。それが本心かそうでないかは知る術はないが、姪がユダヤ人と結婚してしまったのだから本音を語るはずはないだろう。
戦後は軽い処罰の後、監督業を続けていたそうだ。クリスティアーヌはキューブリックと出会う前、ドイツのTVや映画に出演していたのは、この叔父の影響力があってこそだろう。そのTVで見たクリスティアーヌをキューブリックは見初めてしまうのだから、運命というものは分からない。
主な出演作品は『あかつき』(1933)、『別れの曲』(1934)、『ジャン・ダーク』(1935)。主な監督作品は『支配者』(1937)、『青春』(1938)、『偉大なる王者』(1942)、『支配者』(1937)など。1899年12月22日ドイツ・ベルリン出身、1964年4月13日死去、享年64歳。