『シャイニング』に出てくるこの「わたしを噛んだ犬の毛」という台詞、全くもって意味不明ですが「Hair of the dog 」には「迎え酒」という意味があって、かみついた狂犬の毛を取ってつけるとその傷が治るという迷信から(weblioより)そう言うのだそうです。つまり、「私に噛み付いた狂犬(以前飲んだバーボン・オン・ザ・ロックで二日酔いなので)の犬の毛(迎え酒でバーボン・オン・ザ・ロック)が欲しい」とジャックは言っているのですね。日本流に言うなら「毒を以って毒を制す」でしょうか。まあ単純に「迎え酒で」と言えば常連なら通じそうです。
このやりとりで分かるように、かなりアルコールに依存している生活が伺えます。キューブリックがコンチネンタル版でアルコール依存症の話をばっさりカットしたのは、このシーンがあるから説明は要らない、と思ったのでしょう。それでしたら字幕は「二日酔いには迎え酒」とでも意訳してもらえれば分かりやすかったんですけどね。