2008年03月

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スパルタカス [Blu-ray]


   邦題/スパルタカス
   原題/Spartacus
  公開日/1960年10月6日(184分、テクニカラー、70ミリ)
 日本公開/1960年12月15日
 製作会社/ブライナ・プロダクション
製作総指揮/カーク・ダグラス
   製作/エドワード・ルイス
   監督/スタンリー・キューブリック
   脚本/ドルトン・トランボ
   原作/ハワード・ファスト『スパルタカス』
   撮影/ラッセル・メッテイ
   編集/ロバート・ロレンス
   音楽/アレックス・ノース
   美術/アレグサンダー・ゴリッツェン
   出演/カーク・ダグラス(スパルタカス)
      ローレンス・オリビエ(クラサス)
      ジーン・シモンズ(ヴァリニア)
      チャールズ・ロートン(グラッカス)
      ピーター・ユスチノフ(バタイアタス)
      ジョン・ギャヴィン(ジュリアス・シーザー)
      トニー・カーティス(アントナイナス)
      ニナ・フォッチ(ヘレナ)
      ジョン・アイルランド(クリクサス)
      ほか
   配給/ユニバーサル映画
   受賞/1960年アカデミー賞
      助演男優賞(ピーター・ユスチノフ)
      撮影賞(R・メッテイ)
      カラー美術監督賞(R・A・ガウスマン、J・ヘロン)
      衣装デザイン賞(ヴァールス、B・トーマス)受賞



 紀元前1世紀、ローマ共和国が隆盛を誇っていた頃、リビアの鉱山で働いていた奴隷のスパルタカスはバタイアタスの剣闘士養成所に売られ、そこで黒人奴隷のドラバと知り合う。厳しい剣闘士の訓練中、性処理に女奴隷バリニアをあてがわれたスパルタカスは「獣ではない」と拒否、それがきっかけでお互い好意を持つようになる。スパルタカスは同じ剣闘士のクリスサスとも友情を育んでいた。そんな時ローマ元老院のクラサスがバタイアタスを訪ねてきた。クラサスの奥方は余興に決闘を望み、クリスサス、ガリノ、スパルタカス、ドラバの4人が選ばれた。一方クラサスは接待したバニリアを気に入ったので買い取り、同行していたグラブラスにはローマの警備隊長に任命する。クリスサス対ガリノの決闘はクリスサスが勝利、次に戦ったスパルタカスは剣を失ったがドラバはとどめを刺さず、クラサスに襲いかかる。だが衛兵に阻まれ殺された。バリニアが売られる事を知ったスパルタカスは激怒、クリクサスと共に暴動を起した。

 ローマ元老院では閥族派のクラサスと民衆派のグラッカスが主動権争いをしていた。グラッカスはクラサスの勢力をローマから追い出すため、グラブラスのローマ警備隊を奴隷反乱の鎮圧に向かわせ、代わりに配下のジュリアス・シーザーをローマ警備隊長代理に任命した。クラサスはグラブラスの贈り物の奴隷アントナイナスを気に入ったが、グラブラスが奴隷軍の鎮圧に任命された事を知り激怒する。一方解放された奴隷達は剣闘士養成所で逆に貴族に決闘をさせて楽しんでいた。その中心にはクリスサスがいた。スパルタカスはそれを止めさせ、剣闘士の軍隊を創り各地の奴隷を解放しブルンデジウムに向かい、シレシア水軍の海賊の力を借りてイタリア脱出すると宣言した。行く先々でスパルタカスは他の奴隷も仲間に加えてゆく。その中にはバリニアもいた。

 バニリアに逃げられたバタイアタスは今度はグラッカスに取り入り、グラッカスはバニリアを買いたいと持ちかける。その頃クラサスはアントナイナスと風呂を共にし、奴隷はローマに歯向かえない、服従しろと説いた。しかしアントナイナスは逃げ出した後だった。ベスビオ山に集結し訓練をする奴隷達にアントナイナスも加わる。強くなりたいというアントナイナスに戦いは獣でもできるが詩は創れないと語るスパルタカス。そしてその夜、スパルタカスはバニリアと結ばれた。文字の読めないスパルタカスは詩人であるアントナイナスを側近にし、シレシア水軍の使者タイグラネスと交渉、500隻すべて借りたいと申し出た。だが7ヶ月で港に到達できなければ負けとも語った。ダイグラネスは奴隷軍は負けるだろうと予言した。

 奴隷軍は進軍してきたローマ警備隊6中隊の野営地を奇襲、グラブラスを捕まえる。スパルタカスはグラブラスを殺さず、生き恥を晒しにローマへ帰れと命令する。ローマに帰ったグラブラスに元老院のグラッカスは責任を追求、責められたクラサスはグラブラスのローマ追放を決め、自身も公職を辞任した。奴隷軍は様々な困難の中南下し、ブルンデジウムの港を目指す。そんな中バニリアは妊娠し出産は春である事をスパルタカスに告げた。元老院を掌握したグラッカスは奴隷軍を全滅させるためローマ軍2個軍団をメタポンタムに送るが奴隷軍に敗北、スパルタカスはメタポンタムに入城し奴隷たちの熱烈な歓迎を受ける。クラサスは復権のためシーザーを懐柔しようとしたが断られ、さらにグラッカスに誰もやりたがらない奴隷軍討伐の指揮官に任命されそうになる。クラサスは条件として元老院の全権力を渡せと要求した。それを嫌がるグラッカスは海賊と取引し、奴隷を国外に逃がすことにした。

※ネタバレ注意

 遂に海に到達した奴隷軍はタイグラネスと再び交渉、だがシレシア水軍は復権したクラサスに買収された後だった。国外脱出が不可能になったスパルタカスは、ポンペイ軍団とルカラス軍団と挟み撃ちになるのを避けるためローマに向かい、途中でローマ軍と一戦交える決断をする。一方ローマ軍の最高司令官に着任したクラサスは奴隷軍撃滅とスパルタカスの処刑を誓った。北上する奴隷軍と南下するローマ軍は決戦前に野営する。バタイアタスはクラサスに呼び出され、スパルタカスの顔を教えろと迫った。クラサスは決闘の時の黒人は憶えているがその時の相手だったスパルタカスは憶えていないというのだ。バイタイスは戦後の奴隷売買の代理人を条件にその場に残った。翌日、カプア近郊の大平原で戦闘を開始、一時は優勢だった奴隷軍だったがポンペイ軍団とルカラス軍団の増援もあり逆転され敗北した。クラサスはスパルタカスを差し出せば他の奴隷の命は助けると約束したが、奴隷たちは自分こそがスパルタカスであると名乗り出る。その結果、全員がアッピア街道沿いに磔にされることになった。クラサスとバタイアタスはバリニア母子を発見、アントナイナスはクラサスに見つかり、スパルタカスも正体を見破られた。

 失脚を予感したグラッカスはクラサスに一矢報いるため、バタイアタスに命じてバリニア母子誘拐を依頼する。クラサスはグラッカスに寛大な処置をする代わりに時折ローマに来て自身の配下の人間にクラサスに従うよう説得しろと言うのだった。またスパルタカスとアントナイナスには決闘を命じ、しかも勝者になっても磔にするというものだった。クラサスはバリニアを丁重に扱い、自分を愛せよと要求するがバリニアは従わない。囚われのスパルタカスとアントナイナスは死を語り合う。スパルタカスはバニリア母子は死んだと思い込んでいた。二人の決闘が始まった。お互いを磔にしたくない2人は真剣に戦い、アントナイナスは敗れた。勝ったスパルタカスにクラサスはバリニアは自分の奴隷になったと勝ち誇ったように告げ、城門の外の十字架にかけた。バタイアタスはグラッカスの依頼の通りバリニア母子を誘拐してきた。グラッカスは母子を解放してアキタニアに共に逃げろと金を渡し、自分は自殺した。バタイアタスとバリニアは馬車に乗って城門を出る時、磔にされたスパルタカスに気がついた。バリニアはスパルタカスに子供を見せ、自由になったことを知らせた。スパルタカスは、昇る朝日に向かって走り去る馬車を見つめていた。
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アーサー・C・クラーク

 『2001年宇宙の旅』の脚本を書いたイギリスのSF作家、アーサー・C・クラークがスリランカで亡くなったことが明らかになった。90歳だった。アーサーの秘書が発表したところによると、アーサーは、ポリオ後症候群による呼吸障害と長年闘っていたという。

 『2001年宇宙の旅』は1968年にスタンリー・キューブリック監督とともに脚本を執筆。キューブリック監督に映画化された本作は、今なおSF映画の名作として映画史に刻まれている。

 アーサーは、死の直前まで宇宙人の存在が証明されること、今よりも美しいエネルギーを抱いた世界になること、そして自分が住むスリランカの内戦が終結し、平和な未来が訪れることを願っていたという。

シネマトゥデイ映画ニュース/2008年3月19日




 遂にSF界の巨星墜つ・・・・だけどこの記事、脚本家っていうのはどうかと。その前に偉大な小説家であり科学者ですよね。ちゃんとそこまで触れて欲しかった。2001年には間に合いましたが、2010年には間に合いませんでした、残念です、合掌。


2001年宇宙の旅 [DVD](amazon)
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2010年宇宙の旅〔新版〕 (ハヤカワ文庫 SF) (amazon)


 前作『2001年宇宙の旅』から9年後、プロジェクトの責任者だったフロイド博士は責任を追求され、閑職に追いやられていた。そんな中、木星に遺棄されたままのディスカバリー号が木星の衛生、イオに落下する事態が明らかになる。丁度その時、木星探査に出発直前だったソ連(当時)のレオーノフ号に乗らないか、とオファーがフロイドの元に来て・・・というストーリー。

 前作小説版『2001年…』より生き生きと喋り、動き廻るキャラクター(HALも含む)達や、SFのダイナミズムに溢れた本作は小説として完成度はかなり高く、一級のSFエンターテイメント作品として楽しめる。舞台が木星である事から映画版『2001年…』の続編として紹介される事が多いが、個人的には描かれた世界観は完全にクラークのものであったり、ボーマンの最期の言葉「星がいっぱいだ」が採用されている事から小説版『2001年…』の続編と考えている。

 この続編小説、当然のように映画化のオファーがキューブリックの元に届くが、キューブリックはこれを固辞、代わりにキューブリック・フォロワーの一人ピーター・ハイアムズが『2010年』として映画化し、そこそこの成功を収める。だがキューブリックは「あいつら全部説明してしまいやがった!説明した途端に全ての意味は失われるのに!」とご立腹だったそうだ。

 非常に明快に書かれたこの小説によって、あの映画版『2001年…』の謎に一応の回答は得られるが「それが全てではない」とも認識しておくべきだろう。本作の後、この『オデッセイシリーズ』はクラーク独自の展開を見せ『2061年宇宙の旅』そして完結編『3001年終局への旅』と続くが、キューブリックファン的には本作までで十分でないかとは思う。
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