2006年07月

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whiteroom

 ルイ王朝風だ、いやロココ調だとなにかと問題になる『2001年…』の白い部屋ですが、そのインテリアがいつの時代のものかはさして問題ではなく、重要なのはここが「ホテルの部屋」(もしくはホテルの部屋を模したもの)であるということです。ここがホテルの部屋である事はその調度品やバスルームを見れば理解できるし、撮影現場の写真にははっきりと「HOTEL Room」との記述がります。では、なぜ「ホテル」なのでしょうか?

hotel roomスタッフがかざすシートには「HOTEL Room」という書き込みと1966年7月7日の日付が見える。

 それは、動物園を想像してみれば良いでしょう。人間は動物園の檻に動物を入れますが、動物にとって檻はどのように認識されているのでしょう?食事と寝床とトイレが用意され、しかも常に清潔に保たれている。外敵が襲ってくる心配もない。それはまさしく動物にとって「ホテル」と言えるのではないでしょうか?

 クラークの小説版には「ホテルの部屋を模したもの」である事が明解に説明されています。それによると、月面のモノリスが地球のTV番組をモニターして地球人の生活環境や習慣を熟知。その知識を元にこのホテルの部屋を作り、ボーマンを迎え入れたと説明されています。(ボーマンが部屋を調べた際、引き出しが開かなかったり、本は背表紙だけの見せ掛けなのを発見するくだりは結構スリリング)。ボーマンは部屋に備え付けの天井TVに映し出されたドラマのワンシーンに、自分が今いる部屋と同じデザインのホテルの部屋が登場しているのを発見し、その真実を知ることになりました。

 しかし、キューブリックはインタビューで「人間動物園のような環境」「彼自身の夢と想像から作られた」と説明し、「ホテル」とは説明していません。それは、ホテルにしては広すぎる部屋(カメラを自由に動かしたいキューブリックが、わざと大きめなスイートルームを作らせたのかもしれない)であること、ネタばらしである「ホテルの部屋」と言いたくなかったなどの理由が考えられます。

 いずれにしても、この部屋がホテルの部屋であることは間違いありません。異星人(もしくは「科学的に定義された神」)よって作られたこの(偽物の)ホテルの部屋に招待されたボーマンは、加速度的に老いてゆき、死に、そしてスターチャイルドとして再生します。

 ちなみにダグラス・トランブルによると、この部屋にはモデルがあり、それはロンドンの最高級ホテル「ザ・ドーチェスター」だそうです。
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FrankPoole

 『2001年…』の、ディスカバリー号の乗組員で印象の薄い方。HALが操るスペース・ポッドに追突されて死んでしまう。おまけに遺体も放棄されるなんてちょっと可哀相すぎる。
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ews_mask1
※「仮面」と「夫婦」で仮面夫婦の物語と解釈した評には、その底の浅さに怒りを通り越して哀れみさえ感じる。

 『アイズ ワイド シャット』のラスト近く、アリスの枕元に仮面が置いてあるシークエンスで、一連のカットが(1)ビル深夜の帰宅。(2)アリスの枕元に仮面。(3)ビル寝室に入り、仮面に気付く。の流れになっていた事に対し、「先に仮面を見せたらインパクトが弱い」「カット割りが素人くさい、ミスでは?」等の批判か少なからずありました。ちょっと待って下さい。「何よりも編集作業を好む」、「映画とは編集が全てといっても言い過ぎでは無い」と言っていた編集大好きのキューブリックがそんな初歩的なミスなんかをする筈なんかありません。これは、計算されてやっています。

 理由は(1)『シャイニング』のタイプライターのシーンを想起させる。(2)ここで余りにもショッキングな演出を施すとラストシーンのインパクトが薄れる。の2つではないかと考えます。

 実際、『シャニング』ではウェンディがタイプ用紙を見つめるシーンを粘って見せ、緊張感が最高潮に達したところで「タイプされた文字」を見せる事によって最高の恐怖感を演出しています。この方法論を使う事だってできた筈です。

 でも、実際に採用したのは「先に仮面を見せる」でした。原作では、このあと全てを妻に告白し、寝室で新しい一日の夜明けを迎えたところで終わっていますが、キューブリックはおもちゃ屋のシークエンスを付け加え、ラストを「捨てセリフ一発」で終わらせています。このラストシーンのインパクトを弱めない為にも、あえて前のシークエンスでは、衝撃度を弱める編集をしたのではないでしょうか。
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 「名前が気に入らん!〈微笑みデブ〉と呼ぶ事にする!」とハートマン軍曹に怒鳴られても、〈微笑みデブ〉って一体何?…というわけで、ググってみました。

 こんな顔です。た、確かにアホ面ですね。

 「アメリカのコメディ番組『ゴーマー・パイル』は日本では『マイペース二等兵』として放映された軍隊コメディで、アメリカ海兵隊に入隊した青年、ゴーマー・パイル二等兵が訓練基地で騒動を巻き起こす物語」って、そのままんま。数々のヒネリや皮肉の効いた名セリフを生み出したハートマン軍曹にしてはストレートな罵倒ですね。
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ピーター・セラーズ
Peter Sellers (IMDb)

ピーター・セラーズ(MOVIE-FAN)

 イギリスの有名なコメディ俳優。『ピンク・パンサー』シリーズ〈『暗闇でドッキリ』『ピンク・パンサー2〜5』のクルーゾー警部がハマり役。キューブリック作品は、『ロリータ』のキルティを見事に怪演した後、次の『博士の…』ではアメリカ大統領、イギリス軍の派遣将校、ストレンジラブ博士と3役を熱演している。他にB-52 機長も演じる予定だったが、ケガをしたためにスリム・ピッケンズが代役として演じた。だが実はそれは言い訳で、テキサス訛り丸出しのコング役が気に入らなかったので断ったらしい。ピッケンズの素晴らしい演技を見た後になって、演じなかったことを後悔したという。

 他の主な出演作は『黒ばら』(1950)、『裸の島』(1953)、『マダムと泥棒』(1955)、『ピーター・セラーズの地上最小のショウ』(1957)、『赤裸々な事実』(1957)、『転覆騒動』(1958)、『親指トム 』(1958)、『ピーター・セラーズのマ☆ウ☆ス』(1959)、『ピーター・セラーズの 労働組合宣言!! 』(1959)、『とんだりはねたりとまったり』(1960)、『泥棒株式会社』(1960)、『喰いついたら放すな』(1960)、『求むハズ』(1960)、『トライアル・アンド・エラー』(1962)、『ワルツ・オブ・ザ・トレアドールズ』(1962)、『ミサイル珍道中』(1962)、『新・泥棒株式会社』(1963)、『ヘブンズ・アバーブ』(1963)、『ピンクの豹』(1963)、『マリアンの友だち』(1964)、『暗闇でドッキリ』(1964)、『何かいいことないか子猫チャン』(1965)、『紳士泥棒/大ゴールデン作戦』(1966)、『無責任恋愛作戦』(1967)、『女と女と女たち』(1967)、『007/カジノ・ロワイヤル』(1967)、『太ももに蝶』(1968)、『パーティ』(1968)、『マジック・クリスチャン』(1969)、『不思議の国のアリス』(1972)、『別れの街角』(1973)、『ピーター・セラーズのおとぼけパイレーツ』(1973)、『これがピーター・セラーズだ!/艶笑・パリ武装娼館』(1974)、『ピンク・パンサー2 』(1975)、『名探偵登場 』(1976)、『ピンク・パンサー3』(1976)、『ピンク・パンサー4』(1978)、『ゼンダ城の虜』(1979)、『チャンス』(1979)、『天才悪魔フー・マンチュー』(1980)など。

  1925年9月8日イギリス・ハンプシャー生まれ、 1980年7月24日に心臓発作で死去した。











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