キューブリックブログ記事

    このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote


 キューブリック・フォロワーでもあるジェームズ・キャメロンが1994年に監督、公開した傑作SFアクション映画『ターミネーター2』ですが、キューブリック作品のオマージュ(したと思われるシーンも含む)がいくつかありますのでそれをご紹介します。

T2_1

 まず、ターミネーターがショットガンをバラの花束の箱に隠していたシーン。これとほぼ同じシーンが『現金に体を張れ』にもあります。

sk_1

 主人公のジョニーが競馬場にショットガンを持ち込んだのもシュワちゃんと同じ方法でした。ちなみに『ターミネーター2』の主題歌を担当したのが「ガンズ・アンド・ローゼス(銃とバラ)」。こことも繋がっていますね。

T2_2

 ダイソンの自宅で子供がラジコンカーで遊ぶシーン。これはこのローアングルを見れば一目瞭然、『シャイニング』のこのシーンを思い出します。

SK_2

 ラジコンカーで遊んでいたダイソンの息子の名前は「ダニー」でした(笑。ここ、キューブリックファンなら笑うところですね。

T2_3

 瀕死のダイソンが爆弾の起爆装置を握っているシーン。このアングルとアップの顔は・・・

Sk_3

 同じく『シャイニング』でハロランがダニーのシャイニングを受け取るシーンにそっくりです。これも意識したのか偶然なのか・・・。上記の「ラジコンカー」の確信犯っぷりから偶然とは考えにくいですね。

 以上ですが、こんな穿った見方をしなくても『ターミネーター2』は十分楽しめる傑作映画です。TVオンエアも何度かされていますし、レンタルでも置いていない店はないと言えるほどの定番作品ですが、「もう何度も観てるよ」という方は、こんな楽しみ方をしてみるのも一興かと思います。ぜひ、一度お試しあれ。


ターミネーター2 特別編(日本語吹替完全版) [Blu-ray](amazon)
[ブログランキング参加中]  にほんブログ村 映画ブログ 映画監督・映画俳優へ      


〈PR〉
〈PR〉

〈PR〉
〈PR〉




    このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote
2001_Runabout_1
判別しにくいが、車のシルエットがRunaboutであることがわかる。車の外観のロングショットはデトロイトで撮影された。

maxresdefault
GM(ゼネラル・モータース社)が1964年に発表したコンセプトカー「Runabout」

2001_Runabout_2
カップル(夫婦?)が語り合うシーン。この映像はロンドンで撮影された。

1964_GM_Runabout_Interior_02
Runaboutのフロントパネル。上記の映像と酷似している。

Another 3-wheeled concept car by GM is the “Runabout”. The vehicle had a front wheel that could turn 180 degrees to allow parking in the tightest of spots and the rear end of the car contained two detachable shopping trolleys with wheels that would fold away when the trolley was parked in the vehicle. The Runabout had space for 2 adults in the front and 3 children in the rear. The vehicle was first presented at the General Motors Futurama Exhibit in 1964 at the New York World’s Fair.

 GMのもう一つの3輪コンセプトカーは「Runabout」です。車両には180度回転可能な前輪があり、車後部には停車したときに折り畳まれる車輪付きの取り外し可能な2つのショッピングカートが収納されていました。Runaboutには、前部座席に2人の大人、後部座席背面に3人の子供用座席がありました。この車は1964年ニューヨーク万国博覧会のGeneral Motors Futurama Exhibitで初めて発表されました。

(引用先:3wheelers.com/General Motors




 1964年といえばキューブリックはニューヨークに居住し『2001年…』の制作準備を着々と進めていた頃です。このニューヨーク万国博覧会には後に『2001年…』の制作に参加するダグラス・トランブルが『To the Moon and Beyond』を出品、それを観たキューブリックがトランブルを引き抜いたという経緯があります。キューブリックがこのRunaboutが展示されていたGMのパビリオンまで足を運んだかは不明ですが、資料をごっそり持ち帰ったか、かき集めたであろうことは確実でしょう。

 このTVの車の映像はGMのお膝元であるデトロイトで撮影されました。ロンドンで『2001年…』の制作に勤しんでいた頃、第二班に指示して撮影させたのです。キューブリックは『2001年…』の制作中はロンドンを離れず、「人類の夜明け」の背景写真やスターゲート・シークエンスのソラリゼーション用の空撮などは第二班に詳細な指示を出し、撮影させていました。車のロングショットは走っているように見えますが、単にズームしているだけのようです。というのも、このRunaboutは駆動系がないモックアップだったそうなので、走るはずがないからです。ニューヨーク万国博覧会は1965年10月17日までですので、閉会後にデトロイトのGMに戻され、それをキューブリックが撮影したのでしょう。ちなみに『2001年…』の宇宙船のセット撮影は1966年1月〜7月頃が最盛期でした。

 カップルのシーンは俳優を車に模した座席に座らせ、ロンドンで撮影したものだそうですが、車の内装がデトロイトで撮影した実物の映像か、ロンドンで組んだセットの映像かまでは判別できません。『ザ・スタンリー・キューブリック・アーカイブ』には車のリア部分にカメラを突っ込んで撮影している写真が掲載されているので、座席だけを制作してそれに俳優を座らせ、その正面にリアプロジェクションで運転席の映像を投影しながら撮影したのではないかと推測します。上記3枚目と4枚目の写真の一致具合からそう判断しました。それらの映像をリアプロジェクションでオリオン号の座席のモニターに表示しながら撮影したのだと思われます。合成はしていないでしょう。理由は映像がアウトフォーカスされ、モニターの前をペンが横切るからです。当時の技術でこの合成は不可能だと思います。

 いずれにしても「『2001年…』唯一の地上屋外シーン」がたったこれだけであったのは、『2001年…』が今に至っても普遍性を獲得し続けている大きな要因になっています。なぜなら地上の屋外シーンにはどうしてもその時代の「空気」が映り込んでしまうからです。地上シーンがかなりの割合を占めていた『2010年』を観ればその事実をヒシヒシと感じるでしょう。キューブリックがそれを意図していたかどうかはわかりませんが、1965年当時に2001年の地球上の風景の極力正確な未来予測なんて難しかったでしょうし、「いや、そのカメラを外に向けるだけだよ(実はそんなに変化はなかった)」と言ったところで誰も(キューブリック本人でさえ)信じなかったでしょう。いわゆる「レトロフューチャー」を感じさせる要素が少ないのも、『2001年…』が畏敬を込めて「Oパーツ」と言われている所以なのでしょうね。

 というわけで、キューブリックも訪れた1964年のニューヨーク万国博覧会の、GMパビリオン『フューチャラマ2』の「レトロフューチャー」感満載の映像をご堪能ください(笑。

[ブログランキング参加中]  にほんブログ村 映画ブログ 映画監督・映画俳優へ      

    このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote
 現在Amazonで『11月3日はビデオの日』セールを11月3日まで実施中です。対象商品中キューブリック作品は以下の10タイトルです。ところで、11月3日がなぜ「ビデオの日」かというと

 1996年11月にDVDが発売されて2016年で20年。また、2006年11月にBlu-rayが発売されて2016年でちょうど10年。それぞれの誕生日を記念して、「11月のお休みの日にはゆっくりおうちでビデオを見てほしい。」という気持ちを込め毎年祝日となっている11月3日を「ビデオの日」として制定しました。

(引用先:日本映像ソフト協会ホームページ


ということらしいです。

 まあ、なんにせよお安くなるのなら文句はありません。この機会にキューブリック作品や、それ以外のDVD/BDをお得に入手しましょう。




アイズ ワイド シャット [Blu-ray]



フルメタル・ジャケット [Blu-ray](amazon)



シャイニング [Blu-ray](amazon)



バリーリンドン [Blu-ray](amazon)



時計じかけのオレンジ [Blu-ray]



2001年宇宙の旅 [Blu-ray](amazon)



博士の異常な愛情 [Blu-ray](amazon)



博士の異常な愛情 [SPE BEST] [DVD](amazon)



ロリータ [Blu-ray](amazon)



スパルタカス ユニバーサル思い出の復刻版 ニュー・デジタル・リマスター版ブルーレイ [Blu-ray](amazon)
[ブログランキング参加中]  にほんブログ村 映画ブログ 映画監督・映画俳優へ      

    このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote


 『時計…』の原作者、アンソニー・バージェスはジョージ・オーウェルの代表作『1984年』を題材にしたエッセイ/小説『1985年』を発表しているくらいですから、「ルドビコ療法」と「101号室」の関連性は容易に想像が付きます。管理人は『時計…』を先に、『1984年』を後に読んだのですが(読んだ年も1984年でした)インパクトを言えば絶対的に後者で、本書は今でも管理人のオールタイム・ベストの小説として君臨しています。

 その『1984年』、タイトル通りに1984年にマイケル・ラドフォード監督によって映画化され、主題歌を担当したユーリズミックスもファンだった(まあ、作品世界に合っているかどうかと言えば微妙ですが)ことも手伝って映画館に足を運んだ記憶があります。その後VHS化されて購入しましたが、残念ながら現在に至っても未DVD/BD化のまま。そのVHSもプレミア化してこの値段です。


1984 [VHS](amazon)


 もう随分と年月は経ちますが、できましたらTV放映時の日本語吹き替え版(確かウィンストン・スミス役のジョン・ハートは富山敬さんだったはず)を特典に、効果仕様でBD化してほしいものです。

 ちなみに、この『1984年』のロケ地は『フルメタル…』と同じベクトンガスの工場跡地です(『1984年』が先にロケ)。予告編にも登場していますので、キューブリックファンには容易に判別可能だと思います。主演のジョン・ハートは『エイリアン』で腹を食い破られた方ですね。



 ベクトン工場跡地は他にも『007/ユア・アイズ・オンリー』のヘリコプター・バトルのシークエンスに登場していますので、定番のロケ地だったことが伺えます。キューブリックが言う「あんな広大な廃墟が手に入ったのは非常に幸運だった」というのはちょっと大げさな気もしないでもないですね。

追記:記事投下のタイミングは全くの偶然ですが、『1984年』のBD化が決定していたようです。詳細は以下の通り。


1984 HDニューマスター版 [Blu-ray](amazon)


ジョージ・オーウェルの名作小説「1984年」を原作としジョン・ハート主演で映画化したディストピアSFをHDニューマスターにて日本国内初ディスク化!

恋愛すらも禁じられたディストピアを描くジョージ・オーウェルの名作SF小説「1984年」を、原作同様“1984年"に映画化。管理社会で管理されるリーダー、オブライエンを演じたリチ ャード・バートンはこれが遺作となった。また惜しくも2017年に亡くなったジョン・ハートが国家権力に翻弄されながらも意志を貫く悲劇の主人公ウィンストン・スミスを熱演。人気音楽ユニット、ユーリズミックスが音楽を担当した事も話題に。今なお色褪せない傑作がTV放送版日本語吹替え音声を収録し、HDニューマスターにて日本国内初ディスク化!

原題:1984/Nineteen Eighty-Four/1985年11月5日 日本公開(松竹富士配給)/製作年:1984年/製作国:イギリス

★特典映像★
〇オリジナル版予告編集

★強大な国家権力が生んだ人類の悪夢――。
ジョージ・オーウェルが予見した恐怖の<新世界>。空前のベスト・セラー小説がついに映像に――!

★今再び脚光を浴びる、ジョージ・オーウェル原作のSFディストピア小説「1984年」を原作同様“1984年"に映画化、イギリス映画界を代表する俳優の一人リチャード・バートンの遺 作となった。惜しくも2017年に亡くなったジョン・ハートが国家権力に翻弄されながらも意志を貫く悲劇の主人公ウィンストン・スミスを熱演。また、ユーリズミックスが音楽を担当し た事も話題に。

★TV放送版日本語吹替音声(1989年11月29日初回放送TBS系『水曜シネマパラダイス』版)収録!

<キャスト>
ジョン・ハート [ウィンストン・スミス] (富山敬)
リチャード・バートン [オブライエン] (納谷悟朗)
スザンナ・ハミルトン [ジュリア] (勝生真沙子)
シリル・キューザック [チャリントン]
グレゴール・フィッシャー [パーソンズ]
ジェームズ・ウォーカー [サイム]
アンドリュー・ワイルド [ティロットソン]
ボブ・フラッグ [ビッグ・ブラザー]
ジョン・ボズウェル [エマニュエル・ゴールドスタイン]

その他日本語吹き替え - 西村知道、石塚運昇、上田敏也、北村弘一、吉水慶、鈴木れい子、片岡富枝、加藤精三、竹口安芸子、峰恵研、種田文子、田原アルノ、沢木郁也、荒川太郎

<スタッフ>
監督・脚本:マイケル・ラドフォード(『白い炎の女』『イル・ポスティーノ』)
製作:サイモン・ペリー(『イノセント・ライズ』)
製作総指揮:マーヴィン・J・ローゼンブラム
原作:ジョージ・オーウェル「1984年」
脚本補:ジョナサン・ジェムズ(『マーズ・アタック! 』)
撮影:ロジャー・ディーキンス(『ショーシャンクの空に』『007/スカイフォール』)
編集:トム・プリーストリー(『脱出』『華麗なるギャツビー』)
音楽:ユーリズミックス、ドミニク・マルドウニー
主題歌:アニー・レノックス、デヴィッド・A・スチュワート

<ストーリー>
1984年、世界は三つの国家に分かれていた。ここオセアニアの国民は国家リーダーのビッグ・ブラザーに対する絶対的な服従と忠誠を誓わされており、思想警察によって社会は徹底的に 監視されていた。真理省記録局の役人として日々歴史記録の改竄作業を行っているウィンストン・スミス(ジョン・ハート)は、いつしか体制に対する疑問を持ち、禁じられている日記 を密かにつけ始める。ある日ウィンストンは若い女ジュリア(スザンナ・ハミルトン)と知り合いになるのだが――。

【Blu-ray仕様】1984年イギリス映画/本編110分+特典映像約6分/1層/MPEG4 AVC/音声1.英語(DTS-HD Master Audio 2.0chモノラル)、音声2.日本語吹替(ドルビーデジタル 2.0chモノラル)/字幕1.日本語字幕、字幕2.日本語字幕(吹替用)/16:9[1080p Hi-Def] ヨーロッパ・ビスタサイズ※仕様は変更となる場合がございます

(C)1984 Orion Pictures Corporation. All Rights Reserved.
発売元:是空/TCエンタテインメント
販売元:TCエンタテインメント




 TV放映版も同梱なんて素晴らしすぎますね。今、私の脳内でウィンストン・スミスの101号室での絶叫が富山敬の声で再生されています。発売は来年1月ですか。楽しみですね。

情報提供:無差別流さん
[ブログランキング参加中]  にほんブログ村 映画ブログ 映画監督・映画俳優へ      

    このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote
3mens
左からアレキサンダー・シンガー、ジェームズ・B・ハリス、カーク・ダグラス


 キューブリックは1928年、ニューヨークの医者の息子としてこの世に生を受け、やがで世界に名だたる超有名映画監督、すなわち「巨匠」の地位まで登りつめるのですが、それはキューブリック一人の力で成し遂げたものではなく、それに陰に日向に協力した人物は数多く存在します。ここでは、その中でも特に重要だと管理人が考える3人を採り上げて、解説してみたいと思います。



as

(1)アレキサンダー・シンガー

 キューブリックのタフト高校時代の同級生。シンガーが校内誌に発表したSF小説にキューブリックが興味を持ち、シンガーに話しかけてきたことがきっかけで友人になる。キューブリックが高校を卒業し、ルックに入社後も交流を持ち続け、シンガーが当時勤めていたニュース映画制作会社『ザ・マーチ・オブ・タイムス』社から制作費などの情報を提供し、キューブリック初のドキュメンタリー映画『拳闘試合の日』を制作するきっかけを作った。その『拳闘…』ではセカンドカメラマンを担当、その後の作品にも協力し続け、劇映画第二作『非常の罠』ではスチールカメラマンを、『現金…』ではオープニング・シークエンスの撮影を担当している。

 そしてシンガーは重要な人物をキューブリックに紹介している。それはジェームズ・B・ハリスで、シンガーとハリスとは従軍時代に知り合い、除隊後に共同で映画制作をしている現場にキューブリックが訪れたことをきっかけに二人は顔見知りになる。その後街で偶然再開した二人は意気投合、映画制作会社『ハリス=キューブリック・プロダクション』を設立することになる。


jbh

(2)ジェームズ・B・ハリス


 シンガーにキューブリックを紹介されたハリスは『非常の罠』を観てその完成度の高さに才能を確信、有能な監督と組んでハリウッド進出を狙っていたハリスは、キューブリックが資金集めに苦労していることを知るとコンビを組むことを決心し、『ハリス=キューブリック・プロダクション』を設立する。ハリスは映画とTVの配給会社「フラミンゴ・フィルムズ」を経営していて、ハリウッドにはコネがあった。コネを全く持たないキューブリックは、ハリスを通じてハリウッドに進出するチャンスを得たことになる。その後キューブリックは『現金に体を張れ』でハリウッドデビューを果たすが、『突撃』から『片目のジャック』(キューブリックは降板)の頃まで監督料を手にすることができず、生活費の多くをハリスからの借金で賄っていた。こうして公私にわたってキューブリックを支援し続けたハリスが果たした役割は大きかったと言えるだろう。


kd

(3)カーク・ダグラス

 キューブリックのハリウッドデビュー作『現金…』の評判を知ったカークは、この若い監督に興味を示す。当時大スターで、映画制作会社「ブライナ・プロダクション」を所有していたカークは、キューブリックが送ってきた『突撃』の脚本を読んで出演を決める。キューブリックはスターの出演によってなんとか制作資金を集めることができたが、肝心の映画が監督料をもらえるだけ稼いでくれなかったので、相変わらず生活は不安定なものだった。それが一変するのがカークが持ってきた雇われ監督の仕事『スパルタカス』を引き受けてから。キューブリックは本作によって経済的な安定と、ハリウッドでの名声を確実なものにするが、それと引き換えに映画制作における数々の制約に従わざるを得ず、キューブリックにとっては屈辱的な仕事となった。その不満を口にするキューブリックを、仕事とチャンスを「与えてやった」カークが快く思うはずがなく、後に自伝で「才能あるクソッタレ(才能はあるが、恩をあだで返すクソ野郎)」とキューブリックを評することになる。キューブリックも負けじと後年になってもカークの「性豪ぶり」を揶揄し続けていた。

 キューブリックがカークに反抗的な態度に出た理由は、当時のカークは『スパルタカス』以降のキューブリック監督作の権利を有するなどキューブリックに対して支配的だった。誰の干渉も受けず映画作りをしたいキューブリックにとってはまさに「目の上のタンコブ」でしかなく、それを嫌ったキューブリックがわざと不仲になるように仕向けた可能性がある。結局、悪書と蔑まれていた『ロリータ』映画化の悪評で自分の名声に傷がつくことを恐れたカークは契約を解消、キューブリックはまんまと「映画制作の完全なる自由」を得ることになった。



 以上、特に影響の大きかった代表的な3人を採り上げてみましたが、当のキューブリックは逝去してしまったのに、ここに挙げた3人は全員ご存命。それだけキューブリックが映画制作に命を削ってまで心血を注いだという証左だといえばそれまでですが、やはり逝去時の70歳という年齢は若すぎますね。
[ブログランキング参加中]  にほんブログ村 映画ブログ 映画監督・映画俳優へ      

このページのトップヘ