キューブリック関連動画

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 キューブリックがある種独特の緊張感をスクリーン上に表現したい時に好んで使った構図。観客の注意を周囲から中央に集めたい時(『シャイニング』の双子の霊など)、また逆に中央から周囲に注意を払うようにしむけたい場合(『時計…』のオープニングショット)に使用している。一見単純で簡単な構図だが、それ故に使いどころを間違うと、とても間抜けになってしまうので細心の注意が必要。キューブリックは特に奥行きを深く取る構図を好んでいて、それは上記の動画を観ても一目瞭然。なんかもうこれだけでも・・・・圧倒的です。
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 1981年10月25日オンエアの日曜洋画劇場での淀川長治氏の解説動画です。『2001年…』の地上波オンエアはwikiによるとこの時と1988年7月24日、同番組での2回だけ。しかもキューブリックが独自に指示した編集版。当時の日曜洋画劇場のスタッフの熱意には頭が下がります。思えば当時これを観て「???」になり小説版の『2001年…』を読んだのがキューブリックにはまったキッカケでした。実はこの頃『スターウォーズ』のヒットで盛り上がったSFブームのおかげて都市部ではリバイバル上映がされていたようなのですが、当時地方都市住まいだった自分はそれを指をくわえて見ているしかなく悔しい思いをしたものです。そんな折のTV放映決定!よっぽど嬉しかったのかTVの前で正座してこの日のOAを迎えたのを憶えています。それに解説内容もほぼ記憶通りだったことを考えると当時の自分にどれほどのインパクトを与えたのか・・・まあ想像したくもないですが。笑

 それにしても淀川氏の名調子は今見ても素晴らしい。こういった名解説者はほとんど故人となり、もうどこにも居ません。さびしい限りです。
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 『2001年…』の「木星、そして無限の彼方へ」のスーパーからラストシークエンスまで、ピンク・フロイドが1971年に発表した名曲『エコーズ』と完全にシンクロするという話がかなり昔からあって、実際映像と曲を合わせてみた動画も以前からいくつかアップされたりしています。単なる偶然とも言われているけど、それにしてはなかなか感動的なので上記リンクで是非そのシンクロ具合を堪能してみてください。

 因にキューブリックがフロイドに『2001年…』の音楽のオファーを出したという話が伝わっているけど、個人的にはかなり懐疑的。1968年4月の公開直前まで制作を続けていたとはいえ、ピンクフロイドがデビューしたのは前年の1967年。デイブ・ギルモアの加入は翌68年なのでこの頃はまだシド・バレット時代で、後のプログレ色はまだなくサイケデリック色の強いブルース+ジャズ+インプロビゼイションが中心の頃。アルバムリリースはデビュー作の『夜明けの口笛吹き』のみで、キューブリックがこのアルバムを聴いてオファーを出したとはとても思えない。唯一可能性を感じるのは『星空のドライブ(Interstellar Overdrive)』という曲だけど、これもバリバリのサイケブルースロックだし。でも、ウォーターズやギルモア時代も悪くないけどこの頃が一番好み。バレットは後に「クレイジーダイヤモンド」となってしまうのだけどね。


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 まずは上記の動画を観ていただきたい。キューブリックはこのミケロブ(アメリカのビールブランド)のTVCMを観て

「あの編集と撮影の出来上がりはめったに観る事が出来ない」「目で見るポエムだ。圧倒されるような8フレームのカット。30秒(動画は1分あるがキューブリックが見たのは30秒バージョンだったかも知れない)で複雑なものをつくる事ができる」

『映画監督スタンリーキューブリック』より)


と大絶賛!!・・・っていうかこの編集モロにあなたの影響受けまくりじゃん!特に男が部屋から出てくる一連のカットは『時計…』の予告編だし!

 まあそれはそれとしても、今観ても全然古く感じないのは確かにすごい。素早いカット割とか、ブラウン管を映してデジタルっぽい効果を狙うとか、カメラ手持ちでわざと揺らした映像を使うとか、この時代にしてはとても斬新。音楽とファッションの80年代臭さはどうしようもないとしても、それ以外では充分現代でも通用しますね。それにしてもやっぱりコメントが「編集と撮影」なんですね、「撮影と編集」じゃなくて。笑
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NHK BSプレミアム 2012年2月12日(日) 11時00分〜12時00分(放送済)

 「2001年宇宙の旅」で知られる映画界の鬼才、スタンリー・キューブリック。人見知りの激しい少年が1台のカメラを手にし、“映像の魔術”を獲得した瞬間を見つめる。

 番組内容巨匠たちの無名時代「青の時代」にスポットを当て、飛躍のドラマを描くシリーズ。今回は、「2001年宇宙の旅」などで知られる映画界の鬼才スタンリー・キューブリックを取り上げる。映像の魔術師の原点は、16歳のとき。街角で撮ったルーズベルト大統領の死を憂う男の写真にあった。人見知りの少年が世界と向き合い、己を表現する“武器”を手にした瞬間である。雌伏の時代に隠されたキューブリックの映像の秘密に迫る。

出演者語り:礒野佑子

出演:クリスティアーヌ・キューブリック、ジェームズ・B・ハリス、アレクサンダー・シンガー、ギャレット・ブラウンほか




 キューブリックのカメラマン時代に焦点を当て、キューブリックの移動撮影に対するこだわりの原点を紐解いていくという試みは、なかなか興味深かったです。ただ番組の構成上仕方ないのかもしれませんが、キューブリックのカメラに対する捉え方を「隠れ蓑が武器になった」とするくだりは、ちょっと紋切り型過ぎないか、と感じました。

 確かにキューブリックは社交的な性格ではなかったため、カメラは隠れ蓑だったと捉える理由は分かるのですが、カメラを手にしたばかりの中学生時代は、近所の友達とつるんで写真を撮りまくっていたし、ハイスクール時代にはすでに一端のカメラマンを気取って「俺はお前たちとは違うんだ」という気概に満ちていたといいます。キューブリックはカメラを手にする事によって過剰なまでの自意識を育んでいったのであって、あまり「他人とのコミュニケートを避けるための逃げ場所」や「その場にいるための方便」としての意識はなかったのではないでしょうか。そうでないと、他人に嫌われようがどうしようが己の主張を貫き通すという唯我独尊ぶりや、そのためには手段を選ばないという強烈なエゴの持ち主だった事の説明がつきません。

 幼い頃のキューブリックは、そんな強い自我を吐き出す方法を知らなかったため、他人と上手く接する事ができずに登校拒否になっていたのではないでしょうか。そんなキューブリックにとってカメラとは、それを手にした瞬間から自己の強烈な自意識を発揮できる、最初から「武器」だったような気がします。

 写真に限らず、絵画、イラスト、小説、音楽、何でもそうですが、その人の創作活動の第一義が「他人とのコミュニケートのため」だとすれば、そこに生み出される物は底の浅いものばかりになってしまいます。真のアーティスト(表現者)の第一義は表現であり、コミュニケートなんて二の次、三の次です。だからこそキューブリックは数少ない理解者と、数多い誤解に晒されたのだと思います。

 キューブリックのブロンクス時代を知らないクリスティアーヌの証言より、それを知っているアレックス・シンガーの証言の方がより実像に近いのではないか、そんな感想を持ちました。

 さて、この番組、どうせ海外制作のドキュメンタリーを翻訳しただけだろう、と思っていましたが制作はNHKエンタープライズさんでしたね。その丁寧な取材力と調査力には感服いたしました。もっと早く観ればよかったです。ご覧になれなかった方も多いと思いますので、DVD・BD化やネット配信など、何らかの形でオフィシャルに観れる環境をお願いしたいです。

【ご注意】「あること」をすれば観ることができますが、自己責任でお願いいたします。
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