キューブリック関連動画

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キューブリック全13作品のタイトルバックを集めた動画。

[映画.com ニュース]仏映画情報サイトallocineがオープニングが素晴らしい映画20作品を選出。映画.comの作品情報と共に紹介する。

〈中略〉

■「2001年宇宙の旅」(1968)

「わずかな音で映像が優雅な瞬間に。観客はリヒャルト・シュトラウスの『ツァラトゥストラはかく語りき』を背景に、地球、月、太陽の整列を発見する」

スタンリー・キューブリック監督と原作者アーサ・C・クラークによる、映画史を代表する不朽の傑作SF。極端に少ないセリフや固定した長回しのカメラワーク、クラシック音楽の使用などが斬新で印象を残す。撮影時に開発された新技術と、科学的裏付けの追求により人工知能HALの暴走がリアルに描かれ、第42回アカデミー特殊視覚効果賞受賞。

〈中略〉

■「時計じかけのオレンジ」(1971)

「オープニングで、アレックスの苦悶のまなざしがクローズアップされる。これに続いてバーでの印象的な場面に移り、私たちはこの主人公の不穏で、不健康で、超暴力的な世界に飛び込んでいく」

原作者のアンソニー・バージェス自身が”危険な本”と語った同名の小説をスタンリー・キューブリックが映像化。非行少年による暴力が横行する近未来のロンドン。喧嘩とレイプに明け暮れる日々を過ごすアレックスは、中年女性を死に至らしめた彼は刑務所行きに。しかし2年後、とある治療法の被験者になることを条件に、社会に戻ることを許される。

〈以下略〉

(全文はリンク先へ:映画.com/2020年7月24日




 20作品中2作もキューブリック作品を採り上げていただいております。他は定番ものから「?」なものまでラインナップされていますが、それはリンク先でどうぞ。

 キューブリックはオープニング(タイトルバック)について

 「メインタイトル(タイトルバック)のことは全然気にかけていない。とても凝っていて感心したものもあるが、凝ったメインタイトル製作費の無駄遣いに過ぎず、その映画を損なうものだと思う。私の見方は非常に単純だ。映画の最初のショットは観客が席についてから最も興味深いものであるべきだということだ。タイトルと比べて映画の中身がつまらなく見えることに加えて、凝ったタイトルというのは、アニメーション、特殊効果、オプティカル処理、それに大抵、非常に高いデザイナーを意味する。これはつまり相当多くの経費がかかるということだ。私ならその費用を映画自体にかける方を選ぶ」(引用:『イメージフォーラム増刊 キューブリック』)

と語り、力を入れないわけではないか、力を入れすぎても本末転倒でお金の無駄という、至極真っ当なことを言っています。1960年代頃には凝ったタイトルバックがもてはやされた時代もありましたが、今振り返ると凝りすぎて本編が霞んでしまった例もチラホラ。キューブリックはこだわり抜いて映画を作ったことで有名ですが、同時にこだわりすぎて客観性を失うことも恐れていました。これは口で言うほど簡単なことではなく、作家性が強いアーティストであればあるほど自分のアイデアに固執してしまうものです。キューブリック作品が今日に至っても普遍性を持ち得ているは、この「自作を厳しく客観視して判断する姿勢」があったことも大きな要因だと思うのですが、凝ったタイトルバックを採用しなかったのもその「客観視した上での判断」であったのでしょう。

 そう考えれば、キューブリック作品で唯一「凝ったタイトルバック」が採用されてしまった『スパルタカス』を「自分の作品ではない」と拒否するのも仕方ないかな、と思いますね。



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『シャイニング』の空撮が流用された『ブレードランナー』初公開(国際)版のラストシーン。シネスコサイズに合わせたので、空撮のカットが横に伸びている。

正しいアスペクト比の『シャイニング』のオープニングシーン。

リドリー・スコットの発言は24:45頃から。

 『ブレードランナー』初公開(国際)版のラストシーンの空撮は『シャイニング』のオープニングの流用であるというのはファンの間では有名な話ですが、その詳細を語るリドリー・スコットの動画がありましたのでご紹介。内容の概略は

 17時間に及ぶ山脈の空撮映像が編集室に届き、キューブリックが『ブレードランナー』のラストシーンで使用される車の種類を電話で質問してきた。私がブロンコだと答えると、「俺の方はフォルクス・ワーゲンだぞ。困ったな」と言い、『ブレードランナー』のスクリーンサイズを尋ねられ、ワイドスクリーン(シネスコサイズ)だと答えたら、「それならワーゲンが伸びてブロンコに見えるな。それで大丈夫だ」と言った。

 後日、再びキューブリックから電話があり、「もうひとつ言っておくことがあるんだ。今、君はそのフッテージを観ているところだと思うが、俺が使った部分を君が使った場合、その時点で使用禁止になるからな。いいね」と言って電話を切った。これぞキューブリックさ。

(翻訳:カウボーイさま)


とのこと。

 『シャイニング』は全編35mmのフルサイズで撮影されていて、それを上下カットしてワイドスクリーン化して上映されました。キューブリックがスコットにスクリーンサイズを尋ねたのはそれがあってのことですが、「ワーゲンが伸びてブロンコに見える」とは、35mmフルサイズを左右に伸ばしてシネスコサイズにしたら、ワーゲンの車体が左右に伸びてブロンコ(SUV車)に見えるね、という意味だと思います。もちろんキューブリックのジョークですが、実際は車が映ったカットは使用されませんでしたので問題はありませんでした。それよりも上記の映像を比較すれば「左右伸ばし」なのがモロわかりなのが興味深いです。

 キューブリックは『シャイニング』から35mmフルサイズで撮影し、上映時は上下カットのワイドサイズ(ビスタサイズ)で、TV放映時はフルサイズ(当時のTVは4:3だった)でというフォーマットで落ち着きます。ワイドサイズのTVが当たり前になった現在では、旧版のDVDでしかフルサイズを視聴することはできません。キューブリックのアシスタントだったレオン・ヴィタリの証言によると、キューブリックは『シャイニング』の頃まではビデオソフトには特に注意を払っていなかったそうです(ビデオが一般化するのは80年代前半以降)。もちろん一般化してからは例によって例のごとく「こだわりの虫」が騒ぎ出し、自作のビデオ化にも口うるさく介入、そのとばっちりはレオンが一手に引き受けることになるのですが、その一部はドキュメンタリー『キューブリックに魅せられた男』で伺い知ることができます。本作は最近DVD化されましたので、ぜひご覧ください。

情報提供:カウボーイさま

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 キューブリックと一緒に仕事ができなかったことを非常に後悔しています。作曲を依頼され、承諾したのですが、彼の律儀さゆえに、ちょうど私が作曲した音楽をミックス中のセルジオ・レオーネ監督に電話をかけてしまったのです。私はもうその仕事を終えていたのですが、レオーネはキューブリックに、私はまだ作曲中だと伝えてしまいました。それでキューブリックはもう頼んできませんでした。このことで『時計じかけのオレンジ』の音楽を作曲することができませんでした。とても残念です。キューブリックはその後二度と連絡してくれなかったのです。



 先日逝去の報が伝えられた、映画音楽の世界で多大な足跡を残したエンニオ・モリコーネですが、キューブリックは『時計じかけのオレンジ』の音楽をモリコーネに依頼していたそうです。ですが、キューブリックが律儀にもセルジオ・レオーネに電話(おそらく「今度モリコーネと一緒に仕事することになったので彼を借りるよ」的な挨拶の電話)したところ、レオーネ監督は「モリコーネはまだ私と仕事中」と応えてしまい、それからモリコーネにキューブリックからの連絡は途絶えてしまったのだそう。

 どうしてレオーネは終わったはずの仕事(『夕陽のギャングたち』の音楽)なのに「まだ私と仕事中」と応えてしまったのでしょう? 理由は「キューブリックにモリコーネを取られるのが嫌だった」「モリコーネは終わったと思っていたが、レオーネは曲のリテイクを考えていた」などいくつか考えられますが、理由はどうであれ、この件でキューブリックがモリコーネに不信感を抱き、連絡を絶ったのだと思います。キューブリックは片手間で自分の作品の仕事をしてもらうのを嫌います。オファーを受諾したからには自作に全力投球をして欲しがるのです。ですので、レオーネの仕事をしながら自作の仕事をしてもらうことを許容できなかったのですが、モリコーネはこの件を非常に悔いているようです。レオーネにしてみれば「やれやれ」だったのかもしれませんが。

 そのレオーネとキューブリックの間にはこんな会話もあったそう。

キューブリックが私に言った。「私はエンニオ・モリコーネのアルバムをすべて持っている。 どうして私はあなたの映画音楽が好きなのか、私に説明してもらえないか?」私は「心配しないで!私は『2001年…』を見るまでリヒャルト・シュトラウスを使うなんて考えつかなかったから」と答えました。(引用:【関連記事】スタンリー・キューブリックが好んだ映画のマスター・リスト(2016年7月25日改訂版)

このコメント、『時計じかけのオレンジ』でのモリコーネの奪い合いが影響しているのだとしたら、レオーネの若干皮肉めいた言い方も腑に落ちますね。

 その両巨匠に愛されたエンニオ・モリコーネは2020年7月6日に逝去しました。享年91歳。故人のご冥福をお祈りいたします。

情報提供・翻訳協力:Shinさま

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 私は地元ブロンクスの野球チーム「バラクーダーズ」に所属していた。時折、同じくらいの年齢の男が遊びに来ていたが、その男はあまり良いスポーツマンではなかったので、チームのメンバーは彼が試合に加わることを嫌がった。しかし、私は「入れてあげなよ!」と言って彼を参加させた。その男がキューブリックだった。

 キューブリックが最初の短編映画(『拳闘試合の日』)を作った時、私が音楽家(ジュリアード音楽院オーボエ専攻)であることを知り、その作品のための映画音楽の作曲を依頼された。快諾したが、私はそれまで映画音楽を作曲したことがなかったため、多くの映画を見ることで勉強し始めた。その短編映画はRKOに買い取られ、それが私の映画音楽作曲家としての出発点となった。 

 当時は現在のように映画音楽を教える大学やクラスはなかったため、独学しかなかった。よって映画を見続けることで勉強し続けた。例えばバーナード・ハーマンがあるシーンで流している曲が、画にマッチしていなかった。つまり、そのシーンでハーマンが、目には見えない映画の登場人物の気持ちや心理を曲で表現していることを知った。場面で曲を終わらせる時も、そこには終わらせる必然性がなければならないことを私は知った。つまり映画音楽の文法を理解し始めた。やがて私は学ぶだけではなく、プロの作曲家の仕事や、映画内でのそれの使い方を自分なりに分析、批評するようになり、より映画音楽の手法を身につけた。

 キューブリックが「キューブリック」になりうる前は、私に自由に作曲をさせた。2本目からキューブリックは少しづつ自分のアイデアを出すようになり、徐々に要求も高くなって来た。3本目では既に私たちは激しく議論するようになっていて、それはどちらかが打ち負かされるまでの「ノックアウト・バトル」になった。その時期までにキューブリックは、自己の趣味とスタイルを作り上げる過程にいた。

 キューブリックは議論をする相手としてはハードであり、同時に賢くて才能があった。私たちは議論をしたものの、大体は意見の一致に至った。『突撃』で私はキューブリックのアイデアや意見に合わせると同時に、自分でも全てに納得のいく仕事ができて興奮した。

(ここからはフリード個人の作風の説明になるので省略。フリードのスタイルは『現金に体を張れ』で確立し、同作のメインテーマは彼のトレードマークになったとのこと)

翻訳協力:カウボーイさま




 キューブリック初期作品の音楽を担当したジェラルド・フリードのインタビュー動画がありましたのでご紹介。フリードとキューブリックはタフト高校時代、共通の友人であるアレキサンダー・シンガーを通じて知り合い、キューブリックの初ドキュメンタリー映画『拳闘試合の日』の音楽制作を依頼されたのを皮切りに(フリード曰く「彼は私以外に音楽家を知らなかったから。笑」)、『恐怖と欲望』『非情の罠』『現金に身体を張れ』『突撃』のサウンドトラックを担当しました。一般的に『突撃』は、キューブリックが書いた脚本にカーク・ダグラスが感銘を受け、制作を熱望したと伝わっていますが、フリードによると、カークは同じドイツで『バイキング』の撮影があり、その合間に『突撃』も撮影できるから、というのも理由だったそうです。

 『突撃』以降、キューブリックとフリードは一緒に仕事をすることはありませんでしたが、偶然にもキューブリックが『2001年宇宙の旅』を制作するにあたり参考に観た映画『To the Moon and Beyond』を担当したのもフリードでした。また、後年まで手紙などの交流はあったそうです。

 フリードはその後、『スター・トレック・シリーズ(TV・映画)』『スパイ大作戦』『ルーツ』などのサウンドドラックを担当、『トランスフォーマー:ダーク・オブ・ザ・ムーン』に楽曲提供するなど現在もコンポーザーとして活躍中です。
 
▼この記事の執筆に当たり、以下の記事を参考にいたしました。
A Friendship Odyssey: Stanley Kubrick and Gerald Fried
GERALD FRIED ON STANLEY KUBRICK
Gerald Fried:IMDb

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有名な「Here's Johnny!」は本編とは異なるアウトテイク。これはイギリス版・アメリカ版も同じ。

 これはすごい!以前この記事で海外版(イギリス版・北米版)のバージョンはご紹介しましたが、その日本版も存在していたとは!しかもハロランのアップがないなど、使用シーンが若干異なります。「Here's Johnny!」は映画の採用テイクと異なるのはイギリス版・アメリカ版と同じですね。ナレーションは『ルパン三世』の次元大介役でおなじみの小林清志氏です。管理人も当時『シャイニング』のTVCMが流れていたのは記憶にあるのですが、ほとんど覚えていなかったので、録画し、保存していた方には感謝の念しかありません。

 それにしてもこれら映画の懐かしいことと言ったら!!同世代の方にとっては感涙ものでしょう。キューブリックがらみでは、『フルメタル…』のリー・アーメイが出演し、現在IMAXでファイナル・カット版が上映中の『地獄の黙示録』、後に『2001年』の続編『2010年』の監督をすることになるピーター・ハイアムズの『カプリコン・1』、『時計…』のマルコム・マクダウェルが悪役で出演した『ブルーサンダー』。有名どころでは『サタデーナイト・フィーバー』、『ブルース・リー 死亡遊戯』、『クレイマー・クレイマー』、『スターウォーズ』シリーズ、『未知との遭遇』、『マッドマックス』シリーズ、『エレファントマン』、『E.T.』、『愛と青春の旅だち』、『エルム街の悪夢』、『ニューヨーク1997』、『13日の金曜日』シリーズ、みんなだいすき『コマンドー』や『メガ・フォース』、洋画ではホラーやSFが多く、邦画は角川映画とアニメ(『ヤマト』『ガンダム』『幻魔大戦』『マクロス』『ナウシカ』『アキラ』)、東宝系のアイドル映画、そして香港映画が隆盛を誇っていた時代です。後になればなるほどバブル臭くなるのはご愛嬌。最後はなぜか黒澤映画のタイトルで〆。

 当時を知っている人は懐かしく、知らない人は当時の「時代の空気感」をぜひ感じ取ってください!

『シャイニング』のCMは27:42から

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