キューブリック作品のロケーション

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360度パノラマビューで現地を疑似体験できる。

『2001年…』で「人類の夜明け」のシークエンスの背景写真を撮影したロケ地。

 1967年秋、「人類の夜明け」のシークエンスにとりかっかったキューブリックは、スペインでのロケを検討するも様々な要因(主にキューブリックの旅行嫌いによるもの)により、ロンドンのエルスツリー・スタジオにセットを構築、フロント・プロジェクションを使用して撮影する事に決定した。その背景に使用するため第二班をナミビアのナミブ砂漠のスピッツコフェ山地に派遣、スチール写真(8×10のポジフィルム)を撮影させた。上記の写真は『2001年…』にも登場する有名な「ロックブリッジ」。

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※ 撮影された8×10のポジフィルム。

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※スピッツコフェ山地での撮影風景。

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※エルスツリー・スタジオに組まれたセット。

 尚、一部で「同ロケ地はハワイ・マウイ島のハレアカラ山」との情報があるが、ソースが確認できなかった。ハレアカラ山の写真を見ても砂漠ではない、高地のため風景に高度感があるとの理由から間違いである可能性が高い。
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※この高級アパートメントの最上階に居住していた(Google Street View

 キューブリックは映画監督という職業柄、数多くの引越しをしていますが、『時計…』以降はロンドンに腰を落ち着け(旅行嫌いと出不精が表出したとも言う。笑)、ロンドン北部のアボッツ・ミードセント・オールバンズに長く居住したことが知られています。

 それ以前は世界の各国・各地を転々としているのですが、その中でもはっきりと住所が判明してるのはこの『2001年…』の制作準備中に居住したニューヨークのアパートメントです。ソースは例の「手塚治虫に送られた手紙」になります。ここにはっきりと「239 Central Park West New York City」と住所が書かれていますね。その場所は現在も当時と変わらず守衛さんがいる高級アパートメントです。この最上階のペントハウスにキューブリックは妻クリスティアーヌと三人の娘と住んでいました。

 1964年3月に始まったここでの生活は『映画監督スタンリー・キューブリック』『失われた宇宙の旅2001』に詳しいのですが、クラークを自宅に呼んでステーキを振舞ったり、そのクラークを娘たちは「クラーク・ケントだ!(スーパーマンの主人公の名前)」とからかったりなどの微笑ましいエピソードのほか、キューブリックが『2001年…』制作のために設立したポラリス(北極星)社とは実質ここだったので、クラーク以外にも(クラークはその頃有名なチェルシー・ホテルに居住していた)多くのスタッフが出入りしていたようです。

 セットの制作など、作業が本格化するとキューブリックはこのアパートを引き払い、1965年7月21日にニューヨークからクイーン・メリー号でロンドンに渡っています。そのソースはスタンリー・キューブリックのオフィシャルアカウントが公表したこのチケットにはっきりと記載されています。クラークもこの時ニューヨークから一旦セイロンに戻り、8月になって再びキューブリックとロンドンで合流したそうです。

 ちなみに以下はそのアパートメントを管理する不動産会社が、12E号室を紹介するために作成した動画です。ものすごい高級アパートだったことがこれでわかりますね。

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※ロンドンのパインウッド撮影所に建てられたセット。

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※セットの元になった実際の風景。場所はニューヨーク・マンハッタンの36 W 8番街通りとマクドゥーガル通りのT字路付近(Google Street View

 キューブリックが『アイズ…』の制作にあたり、ニューヨークとロンドンのありとあらゆる場所の写真を撮らせたことは知っていたのですが、ここまでそっくりに作らせるとは、よっぽどロンドンにニューヨークを持って来たかったんでしょうね。更に言えば、そうまでしても飛行機に乗りたくないという事なんでしょう(笑。

 「リアル」にはとことんこだわるが、だからといって遠いロケは嫌。『バリー…』の際にケン・アダムに「ロケは自宅から90分以内」と無茶振りしたキューブリックらしいやり方ですね。
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※まだ夢があった頃のテームズ・ミードのプロモーション映画。1:44にタービー・ブリッジ・センター、4:21にマリーナが映っている。

 アレックスが住むアパートの外観のロケ地(エレベーターホールと室内は別のマンション)。コロバ・ミルクバーからのアパートの帰り道はタービー・ブリッジ・センター(Tavy Bridge Centre)、ディムを川に突き落としたマリーナはビンゼイ・ウォーク(Binsey Walk)の住宅を挟んだ東側。

 ロンドン東部にある住宅団地で、1968年に建設が開始された当時は最先端のモダンなデザインで、近未来感を醸し出していたが、最近では荒廃し治安が悪化している。しかもタービー・ブリッジ・センターは老朽化のため取り壊されてしまった。Google Mapで言えば、サウス・ミア湖の西側がディムのマリーナ、その南側の更地がかつてタービー・ブリッジ・センターがあった場所。

 このタービー・ブリッジとは店舗や住宅の2階部分をつなぐ橋で、キューブリックは荒廃した近未来感を出すため、ここにゴミを並べて横のトラッキング・ショットでマルコムの歩きを追っている。しかしその数十年後、映画で描かれた荒廃した風景が現実化するとは当のキューブリックも思っていなかったに違いない。

▼この記事の執筆に当たり、以下の記事を参考にいたしました。

港区まち創り研究会(まち研)ブログ
世界の街から7 イギリスのニュータウン テームズミード

※上記ブログの下から4番目の画像がアレックスが帰宅していたタービー・ブリッジ・センター。下から2番目がディムが突き落とされたマリーナ。
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mls
※Manor Lodge School(Google Map

 『時計…』のキャットレディ邸のロケ地として使用された建物は、1991年に開校した4歳から11歳までの私立学校『マナーロッジ・スクール』の校舎として使用されている。

 ここにその学校のホームページがありますが、子供たちの無邪気な笑顔を見ていると、あんな惨劇の舞台(劇中ですが)だったとは思えない・・・というか、映画で見慣れた風景で子供たちが笑顔でいる図(アレックスが殴られた玄関で微笑む少女の図)というのがものすごい違和感。

 ここを卒業した子供たちが将来『時計…』を観た際に、何を思うんでしょうか?
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