キューブリック作品で使用された名曲たち

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 クリス・ケナーとアラン・トゥーサンの共作による1961年のヒット曲。ロックファンには1970年代にイギリスで活躍し、ニック・ロウが在籍したパブロックバンド、ブリンズレー・シュワルツ(最近はシュウォーツ表記)が名盤『ナーバス・オン・ザ・ロード』でカバーしたバージョンが有名ですね。

 ところでこの曲、サントラには収録されていますが本編では未使用・・・というより、使用したシークエンスをキューブリックがカットしたものと思われます。例によってそのカットがギリギリだったため、サントラの変更に間に合わなかったのではないかと推測しています。そのカットされたシークエンスがどこだったかはわかりませんが、映画のちょうど中間あたりに原作にも登場したジャニュアリー大尉がモノポリーをしているシーンがあったそうなので、それだったかもしれません。

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※『フルメタル…』のエンドクレジットにも表記はない。

 本編未使用曲が収録されているにもかかわらず、必要不可欠ではないか? と思われるストーンズの『黒く塗れ!』『ミッキーマウス・マーチ』が未収録のこのサントラ。何故こんな中途半端な仕様でしかリリースができなかったのかひたすら疑問ですが、『ミリタリー・ケイデンス』のリミックスなんて余計なことはやめてオリジナルをそのままに収録し、『黒く塗れ!』と『ミッキーマウス・マーチ』を追加して『ロリータ』や『2001年…』のようにリイシューしてほしいものですね。


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 「Today is X'mas!」と軍曹もおっしゃっている通り、ネット上では毎年この時期になると様々なクリスマスネタで騒がしくなりますが、嫌味ったらしくこの歌を歌い、「サー、イエッサー!」で締めくくるのも一興かと(笑。

 ハートマンがクリスマスにこの歌を歌うのは、海兵隊がイエス・キリスト同等の存在であることを誇示するためなのですが、戦争なんてどこ吹く風でクリスマスを祝う銃後に対しての当てこすりにも聞こえます。原作では歌のシーンはなく、ジョーカーが「軍曹はわれわれに対し、海兵隊は神の生まれる前から存在したのだ、と確言する」と語るだけですが、それをこんな「的確な歌」で表現するキューブリック(ひょっとしたらリー・アーメイのアイデアかも)の皮肉屋っぷり・・・大好きです(笑。
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 『2001年…』で白い部屋のシークエンスでかかっていたリゲティの『アヴァンチュール』ですが、そのオリジナル・バージョンです。映画ではキューブリックがエコーその他で「勝手に」加工しまくって、後でリゲティに怒られてます(笑。

 先日行われた「ライブ・シネマ・コンサート『2001年宇宙の旅』」では、残念ながら映画のサントラが使用され生での再現とはならなかったのですが、2年前に行われたニューヨークでの公演ではセットリストに載っていますので、生で演奏されたんでしょうね。

 どうして日本では無理だったのかは何らかの事情があったのでしょうけど、上記のオリジナルバージョンでいいのでやはり生で聴いてみたかった、というのが本音。でもやっぱり楽譜って存在するんですよね・・・一体どんな譜面なんでしょうか? 興味あります。
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 『芸術家の生活』作品316は、ヨハン・シュトラウス2世が1866年作曲したワルツ曲。

 シュトラウスのワルツといえば『2001年…』で使用された『ドナウ』が有名ですが、キューブリックはこの曲も作品内で使用しています。どの作品かといえば『突撃』の城内での夜会のシーン。このシーンではダックス大佐とブルーラード将軍の間で兵士の死刑を巡って丁々発止のやりとりが行われますが、そのBGでずっと優雅に鳴り続けていて、扉を開け閉めするタイミングで音が大小するあたりにキューブリックらしい皮肉を感じます。このシーンの成功が後のキューブリック演出の定番となる「曲のリズムとテンポで映像を編集する」や「ある特定のシーンやシークエンスの意味を曲で強調する」というキューブリック独特のBG起用法につながった可能性もあります。

 wikiによるとシュトラウスは数日でこの曲を書き上げたそうですが、いかいもシュトラウス節なメロディが全開でとてもわかりやすい(笑。キューブリック=『2001年』=『ドナウ』と思っている人に、ちょっとしたトリビアとして披露するにはいい小ネタかも知れませんね。
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 クレイジー・アールが敵兵を倒し「殺害戦果」を上げた際、一瞬間があってから流れる曲で、殺戮による高揚感を煽るように始まります。

 wikiによると

 トラッシュメンの最大のヒット曲は1963年の「サーフィン・バード」であり、同年後半のBillboard Hot 100で4位に到達した。同作はザ・リビングトンズの「The Bird's the Word」と「Papa-Oom-Mow-Mow」を組み合わせた曲であった。初期にプレスされたシングルではトラッシュメン作曲とクレジットされていたが、リビングトンズの弁護士からの警告後はリビングトンズ作曲とクレジットされるようになった。

 とあります。で、以下が元ネタの2曲。





 ・・・確かにこれは問題ありますね。ほとんどカバーといっていいレベルです。ベトナム戦争は「ロックンロール戦争」と言われるほど出征した若者は最前線でロックを聴きまくっていました。もちろん自身の戦闘意欲を鼓舞するために。銃後ではロックは愛と平和の象徴として扱われていましたが、戦争の最前線では全く逆の作用を及ぼしていたのです。

 そしてこの『サーフィン・バード』ですが、これをチョイスしたキューブリックの意図はいろいろと推察できますが、後に続く一連の「ベトナム・ザ・ムービー」なシークエンスにも使用しているところを見ると、「戦争映画というもの自体がクズで滑稽な代物」と言っているような気がします。戦争を撮影するTVクルー(原作によるとCBSだそうだ)を茶化すように流れるこの曲に、そんな意図を感じずにはいられません。なんたって歌っているグループ名が「トラッシュメン(ゴミ収集係)」ですからね。
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