ルック社カメラマン時代

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 写真集『スタンリー・キューブリック ドラマ&影:写真1945‐1950』に掲載されている写真がほとんどですが、この写真集が高騰している現在、ダイジェストですが、こういった動画で気軽に鑑賞できるのはいいですね。

 ところでその写真集、廉価(ペーパーバック)版が出る話はどうなったのでしょう? 価格も安く、気軽に入手できるので需要はあると思うのですが音沙汰がありません。早く出版して欲しいですね。
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Circus

 キューブリックがルック社に在籍していた時代に撮影した写真のほとんどはモノクロで、カラーはごくわずかしか撮影しなかったようですが、上記はその中でも貴重なカラー写真です。アメリカで最も有名なサーカス「リングリング・ブラザーズ・アンド・バーナム・アンド・ベイリー・サーカス団 (Ringling Bros. and Barnum & Bailey Circus)」の取材時に撮影されたもので、おそらく上がOKテイク、下がボツテイクだと思われます。

 あまりにも隙のない構図と絶妙の配色に後年の映画作品群を彷彿とさせますね。5人の女性の重心の縦ラインはいわゆる三点透視図法に沿っていますが、特に下のボツテイクとの比較で分かりやすいのは、真ん中の黄色と黒の傘をさした女性が指し示す手です。各人の視線の方向や足や手の向き、ビンの向きなど、あえてパースに沿わない方向に向けることによってリズムを生み出しています。構図の基本は「揃え」ですが、さらに上を目指すなら「崩し」のテクニックが必要になります。しかも構図を破綻させないように崩さなければなりません。キューブリックはこの時すでに「崩し」のテクニックやセンスも相当なものを持っていたのが分かります。

 撮影は1948年ですのでこの時キューブリックはまだ若干20歳。もちろんこの時代にテジカメもなければポラロイドもありません。撮影はほぼ一発勝負と言っていいでしょう。天才少年と呼ばれた写真の才能をすでに如何なく発揮していますね。
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※創刊号(左)と最終号(右)

 『ルック(マガジン)』はアメリカの写真誌(日本でいうグラフ誌)で1937年2月に創刊、隔週で発行され最終号は1971年10月19日号、1972年に正式に廃刊になった。

 カメラマンはキューブリックを始め、そのキューブリックと共に働いた経験があり、友人でもあったバート・スターン(後に『ヴォーグ』などのファッションカメラマンになり、『ロリータ』のポスターを始め一連の広報用スチールを撮影した)、1960年から1971年にかけて、公民権運動に関するフォトエッセイを掲載していたジェームス・カレールズなどが在籍していた。

 キューブリックは高校時代、成績が悪くて大学に進めなかった自分を見習いカメラマンとして採用してくれたルックに恩義を感じていたらしく、『2001年…』の際に『2001年という“未来”(2001: A Space Odyssey -- A Look Behind the Future)』というルックに広告掲載を促す広報用フィルムの制作に協力している。これは業界向けとはいえ、映画公開前(1966年)にメイキングを見せるというキューブリックにしては異例の対応だった。それはキューブリックの名声に頼りたくなるほど、この時点での同社の経営が悪化していた事を物語っている。

 尚、キューブリックがルック在籍時代に撮影した写真の多くはニューヨーク市立博物館のコレクションのページで閲覧する事ができる。
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Stanley Kubrick: Drama & Shadows: Photographs 1945-1950 (英語) ペーパーバック – 2015/6/25(amazon)

※リンク先のamazonでは、発売日が「2050/6/25」となっていますが、明らかに「2015/6/25」の間違いです。

 キューブリックのルック社在籍時代の写真集『Stanley Kubrick: Drama & Shadows: Photographs 1945-1950』が廉価版になって再発されるようです。価格は4,769円。残念ながら英語版ですが、未入手の方には手頃な価格になって朗報ですね。邦訳されたハードカバー版『スタンリー・キューブリック ドラマ&影:写真1945‐1950』は現在高騰していて28,024円の価格が付いています。発売当時の価格が7,980円+税だった事を考えると、ちょっと手を出しにくいですね。

 邦訳されたハードカバー版にはそれなりに文字情報がありますが、キューブリックに関する情報というより芸術的観点から語られた識者の解説や論評ばかりなので、著者の面々に興味がなければ特に邦訳版に拘る必要はないと思います。ここでも指摘しましたが、キューブリックはこれら写真を「芸術作品」として撮った訳ではなく、あくまで「仕事の一環として撮影したグラフ誌用の報道写真(ヤラセも含む)」でしかない事ははっきりと認識しておくべきでしょう(本人曰く「くだらない写真ばっかり撮らされた」)。ですので、この本で延々と語られる芸術論には正直違和感を感じています。それよりもキューブリックが切り取った写真の数々から素直に何かを感じ取ればよいのではないでしょうか。因に著者の面々はレイナー・クローン、ペトリュス・シャスベルク、アレクサンドラ・フォン・シュトッシュ、ジェフ・ウォールとなっています。

 またここでキューブリックがルック社在籍時代に撮影した現存する写真のほとんどを見る事が出来ますが、明らかなアウトテイクやどうでもいい押さえ写真なども含まれていますので、きっちりとセレクトされたこの写真集はファンなら所有しておきたいですね。もちろん、プロ・アマ問わずカメラマンを名乗る方にはぜひとも見ていただきたい書としておすすめします。


スタンリー・キューブリック ドラマ&影:写真1945‐1950 大型本 – 2005/11(amazon)

※高騰しているハードカバー邦訳版。
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Stanley Kubrick Enters the Ring
See the photos and watch the short film that started it all

PrizefighterTIME Magazine posted the following video and an essay from Jon Dieringer, which takes a look at the short film spawned from Stanley Kubrick's 1949 photo-essay "Prizefighter" for Look magazine.

(以下リンク先へ:ROPE of SILICON/2012年11月4日




 2012年11月と少し前の記事ですが、キューブリックがルック社在籍時代に撮影したフォトエッセイ『プロボクサー』の誌面が掲載されていたのでご紹介。

 時は1949年、キューブリック若干20歳の頃の「仕事」です。何故あえて「仕事」と強調したのかというと、この写真集これらキューブリックの撮影した写真単体を観て「アートとして云々・・・」と語る人をまま見受けられるからです。当たり前の話ですが、キューブリックはこれらの写真を「アート作品」と考えて撮影していたわけではなく、あくまで「仕事の一環」としてこなしていたに過ぎません。被写体は取材対象であり、構図やシチュエーションなどヤラセで撮られた写真も数多く存在します。『ルック』は写真誌です。日本でいうグラフ誌ですね。当然ながら、これら写真は誌面上でトリミングされ、キャッチコピーやキャプションを添えられ、レイアウトされ、印刷され、やっと陽の目を見るのです。また、キューブリックもそのつもりでいちカメラマンとして仕事に徹しています。取材対象の選定、構図やライティング、視点などにキューブリックの「センス」を感じ、それを語ることはできても、個展や写真展で発表するつもりもなく撮影されたこれら写真を「アート作品」として論じるのは完全に的外れですね。

 動画ではキューブリックの旧友アレキサンダー・シンガーがこのフォトエッセイと、これをもとにキューブリックが監督したドキュメンタリー『拳闘試合の日』について語っています。下の動画は削除されていますが、多分これだと思います。掲載されたフォトエッセイの誌面はここから見れます。

 当時「天才少年」と謳われたキューブリックの早熟な「仕事ぶり」を是非ご覧ください。
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