キューブリック作品論

    このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote
d8641-7-932570-0

いい映画と出会おう。

 みんなのリアルな映画レビューを参考に、おすすめ映画をチェックしよう!新作ランキングだけじゃない!多彩な検索であなたにとって本当に面白い映画が見つかる!ネタバレ有りのレビューを読むかどうかは、あなたが決められる!頼れる映画ライフログの決定版 Filmarks(フィルマークス)

フィルマークスより)





 映画ファンの間で話題になり、そろそろ定着した感のある映画レビューSNSサイト「フィルマークス」ですが、管理人も登録しています。その主な目的は他のユーザーのレビューを読むことで、ここのキューブリック作品の一覧から辿って折りに触れて閲覧しています。

 ユーザー層は若い方が多いせいか、そのレビューの内容は初々しいものから意外な視点・論点のもの、鼻から受け付けないという生理的嫌悪感丸出しの殴り書きまで、興味深く、楽しく拝見しております。管理人のレビューは、このブログで書いた作品論をコピペしただけという手抜き仕様(申し訳ない。笑)ですので、たいして意味はなく、スルーしていただきたいのですが、キュレーションサイトの情報に信憑性が疑われている昨今、こういったユーザーの生の声が聞けるSNSレビューサイトの重要性は今後増すかも知れません。

 もちろんそのレビューサイトにも悪意あるユーザーが一定数存在するし、完璧とはとても言えませんが、それはネット上どこにでもある話だし、運営がうまくコントロールすればいい話です。また、グルメレビューサイトで問題になったステマをされるの可能性もありますが、ネット配信やレンタルDVDなど、安価に簡単に作品鑑賞ができる現代に於いては、ステマをする意味はあまりないように感じます。ただ、公開中の映画は興行成績に影響を及ぼさないとは言い切れませんので、DVDやBDで鑑賞する過去作とは分けて管理すべきでしょう。ネタバレを隠さない投稿(わざと?)もまま見られるため、一定の文字数以上は文章を折りたためるようにするなど、改良の余地はありますね。

 因みに管理人のアカウントはこちらです。
[ブログランキング参加中]  にほんブログ村 映画ブログ 映画監督・映画俳優へ      


〈PR〉
〈PR〉

〈PR〉
〈PR〉




    このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote

2001年宇宙の旅 [Blu-ray](amazon)


 1980代年のセルビデオに始まり、その後何度も何度もLD、DVD、BD化され、しかも安価で名作とくれば普及も弾んだらしく、初見の鑑賞者が大量発生。それはそれで良かったのだが、謎かけも種明かしも全て勝手にやってくれる映画に慣れっこの現代の観客にはいささか荷が重いのか、1968年の初公開時のような理解不能者が続出してしまい、「明快なストーリーなどというものはなく、ただそれらしい映像をつなげただけ」とか「壮大なストーリーを描き出すつもりが、あまりにも話を膨らませすぎたため、まとめきれなくなり破綻したもの」とか言われてしまうのは一体どうした事か?半世紀前に比べればこの手のSF映画は多く作られており、遥かに恵まれた環境にあるというのに。

 キューブリックは1970年のインタビューで、明快に『2001年…』のプロットを説明している。

「進化を促す第一の人工物を地球上に置き、400万年前のヒトザルの進化に干渉した地球外知的生命体は、第二の人工物を月に置き、人類の進化が宇宙へと進んだ場合に備え、信号を木星の衛星軌道上の第三の人工物に送るようにセットした。それに導かれボーマンが木星まで到達すると、彼を内なる宇宙と外なる宇宙の旅に投げ込み、銀河系の別の場所まで運び、人間動物園ような環境に入れた。そこで老い、死に、そして新しい生命体へ生まれ変わった彼は、人類の次なる進化へのステップに備えるために地球へと帰還した」

『メイキング・オブ・2001年宇宙の旅』より)


 実は、ここで説明されているプロットは、何の予備知識がなくても、映画を注意深く観れば全て理解できるようになっている。(かなり不親切な作りであるにしても)もし一回観ても分らない場合は何度でも観れば良い話だ。だから、この「最低限のプロット」を理解した上で本作を語ってほしい。本作の解釈や個人の好悪が分かれるのは実はここからなのだ。本作を「長い」「退屈」と言って投げ出してしまうのは簡単だろう。しかし、退屈している暇など全くない。全ての映像には意味があり、それも様々な解釈が可能になっているからだ。

 キューブリックは21世紀にふさわしい神話を創った。それは推測でき得る近未来を、でき得る限りのテクノロジーを利用して創った「科学的に定義された神話」だった。それは本作の持つ普遍性が十二分に証明している。

「『2001年…』の核心には神の概念がある。だが、それは伝統的な、人の姿に似せた神ではない」

「地球外知的生命体は、物質の完全支配を成し遂げているかも知れない。肉体の殻を破って宇宙に存在する意識のようなものかも知れない。こういった可能性を議論する時、宗教的な関与は不可避だ。何故なら、これら属性は、我々が神に与えた属性だからだ」

「ここで扱っているのは科学的に定義された神だ。彼らが人類の問題に干渉していたとするならば、我々はそれを神、もしくは魔法としか理解できないだろう」

「我々が伝えようとしたのは、人間と同等、もしくはそれ以上の機械的実体が存在する世界のリアリティだ」

「こんな話を聞いた事あるのではないだろうか?科学者たちは究極のコンピュータに一番最初にするにふさわしい質問を何ヶ月も考えたあげく、ようやく思いついた。『神は存在するか?』ライトを点滅させた後、コンピュータは一枚の紙を吐き出した『ここにありき』と」

「もし『2001年…』があなたの感情を刺激し、潜在意識に訴え、神話への興味を掻き立てたとしたら、この映画は成功したと言える」

『イメージフォーラム増刊 キューブリック』より)


※初出:2006年7月18日、加筆:2015年5月13日
[ブログランキング参加中]  にほんブログ村 映画ブログ 映画監督・映画俳優へ      

    このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote
skq

Which Stanley Kubrick Movie Should You Watch First?

(以下リンク先へ:MOVIEPILOT/2015年1月20日




 ファンやマニアなら設問を見ただけで答えが予測できてしまうという、とてもお粗末なデキではありますが(笑。一応キューブリック初心者向けみたいですので、そこは目をつむりましょう。翻訳をかければ問題なくトライできますので是非どうぞ。

 因に管理人がキューブリック初心者(女子)向けに書いた記事はこちら
[ブログランキング参加中]  にほんブログ村 映画ブログ 映画監督・映画俳優へ      

    このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote
 キューブリックは自作の広告も管理・監督しているので、そこになにがしかの意図が込められていると考えるが妥当だろう。ここではキューブリックが自作の製作環境を全て掌握した『ロリータ』以降の広告(ポスター)のデザイン(アートワークやキャッチコピー)について検証をしてみたい。尚、『恐怖…』『非情…』『現金…』『突撃』『スパルタカス』についてはデザインが複数あったり、どのデザインがキューブリックが監督・監修したものなのか、もしくは全くのノータッチだったのか判別できないため割愛させて頂いた。


lolita

『ロリータ』

 マリリン・モンローなど有名女優を数多く被写体にし、自身もプレイボーイで鳴らしたバート・スターンが撮影した写真をメインビジュアルに据えている。本編に登場しないこのビジュアルは広報用に撮られた一連のフォトセッションからキューブリックが選んだもので、実は車のルームミラーに写るスー・リオンの鏡像。「ロリポップ」を舐める「ロリータ」というそのポーズも、幼児性とエロティシズムを同時に感じさせる。キャッチコピーは「我々は如何にしてロリータの映画化をなし得たか?」で、当時センセーショナルな話題になっていた小説『ロリータ』を念頭にした煽りコピーだ。この事からキューブリックは本編では描けなかかったエロティシズムとセンセーショナリズムを最大限に利用して集客に結びつけようとする意図がまざまざと感じられる。ここでのキューブリックは完全に興行成績第一主義を採っていると見ていいだろう。


b70-2079

『博士の異常な愛情』

 核兵器によって人類が滅亡してしまうというあまりにも悲劇的で救いのない本編を少しでも緩和しようとする意図が、トミー・ウンゲラーという絵本作家のイラストを採用するという判断になったのではないだろうか。絵本はその子供向けで優しくコミカルな絵柄とは対照的に重い寓話を含んだものが多い。この映画はあくまでも寓話であるというキューブリックの真意を分かりやすい形でビジュアル化しているように感じる。本作はある意味「大人向けの童話(寓話)」でもあるのだ。


2001-a-space-odyssey-movie-poster

『2001年宇宙の旅』

 ロバート・マッコールによるイラストレーションの完成度が高く、キューブリックは本作においてのポスター製作にはあまり苦労がなかったのではないだろうか。マッコールのイラストはこれ以外でも何種類かポスターに採用されていて、かなりキューブリックが気に入っていたのが伺える。『冒険と探検の叙事詩ドラマ』というキャッチコピーも普通は一般的な冒険SFものを想起させるが、難解と言われる本編を観た後でも納得できるコピーなので、こういった細かい点も抜かり無いのがいかにもキューブリックらしい。


41nY5LcQTLL

『時計じかけのオレンジ』

 フィリップ・キャッスルのエアブラシ・アートによるデザインが素晴らしく、『A Clockwork Orange』の「A」からアレックスが睨みつけるアイデアは秀逸。もちろん「A」にはアレックスの「A」の意味もある。ここでも指摘した通りイラスト化された「A」と「Clockwork Orange」のロゴはセットになって初めて意味を成すので、「Clockwork Orange」のロゴの単体だけで使用するのは基本的には間違い。ただオフィシャルのツールでも何故かそういった使用法も散見されるのが謎なのだが。


barry_poster

『バリー・リンドン』

 ジュイノー・ブールデュジュによりデザインされた貴族のシルエットが印象的。銃は決闘を、踏みつけられたバラは愛を、零れた花弁は血を意味し、黒は悲劇を、赤は血の色を表しているとインタビューで応えている。シンプルで完成度の高いデザインだが、この意味をぱっと見で理解できた観客がどれほどいたかは甚だ疑問。


saul-bass-the-shining-film-poster-1-620x928

『シャイニング』

 ソール・バスによるデザインだが、ロゴから覗く幽霊が、懐中電灯を顔の下から照らして幽霊ごっこをする子供に見えてしまい、恐怖感や緊張感がまるで感じられない。60年代には先進的だったバスのセンスも80年代にはすでに時代遅れだ。映画の世界観とまるで異なる黄色の採用も不可解。確かに黄色は目立つ色で特に街中では効果的だが、興行成績を気にするあまり広告として目立つ事を最優先させた結果なのだろうか。


A70-8168

『フルメタル・ジャケット』

 再びフィリップ・キャッスルによるエブラシ・アートを起用したシンプルで力強いデザイン。ヘルメットには銃弾(フルメタル・ジャケット)をあしらい、ピースバッチとBORN TO KILL(生まれながらの殺し屋)でユングの二面性を表しているのと同時に戦争の矛盾・欺瞞を表現している。ただ、個人的にはユング云々の話は単なるジョークの類いではないかと考えている。善悪や表裏などといった二元論で語れるほど戦争は単純ではないとキューブリックは知っていたはず、と思うからだ。ここで指摘したように「この映画は反戦でも好戦でもない」と機先を制しているのだと考えている。銃弾の数が「7」というのは本編で死ぬ海兵隊員の数と同じ(ゴマー・パイル、タッチダウン、ハンドジョブ、クレイジー・アール、エイトボール、ドク・ジェイ、カウボーイ)だが、これは単なる偶然だろうか?もちろん偶然などではなく、ここでも指摘した通り「銃弾=兵士」を端的にビジュアル化したものだ。「In Vietnam The Wind Doesn't Blow It Sucks」のキャッチコピーは直訳すれば「ベトナムでは風は吹かない、吸い込むのみ」だが、「Sucks」には「嫌、つまらない、最低」などの意味があるので「ベトナムでは最低の風しか吹かない」という意味にも取れる。おそらく後者の意味だろう。


eyes_wide_shut

『アイズ ワイド シャット』

 本編にもある鏡の前で抱擁するクルーズとキッドマンをビジュアル化したもの、と単純に考えてしまいがちだが、鏡をビジュアルに起用しているのは意味がある。キッドマンの役名がアリスである事を考慮すると『鏡の国のアリス』への言及であると考えていいだろう。『鏡の国…』での鏡の役割は夢と現実との境界を表している。本作も夢をテーマにしている事を考えると本編は夢の世界(鏡の向こう側の世界)を描いたものだと理解できる。そしてそれはこちら側(観客側)の現実世界を映し出す鏡でもある。本編で描かれている妄想に取り憑かれて醜態を晒すクルーズは、すなわち我々の鏡像だ。それを冷ややかな目でこちらを凝視するキッドマンが最後になんと言ったか?そういった意味がこのポスターのビジュアルには込められている。

 以上のようにキューブリックはポスターのデザインにもメッセージを込めている。逆に言えばデザインを紐解く事が映画本編の理解の一助になるという事だ。デザイン的には決してセンス良いものばかりとは言えないが、これらのアートワークやキャッチコピーからもっと注意深くキューブリックの「意図」を汲み取るべきではないだろうか。
[ブログランキング参加中]  にほんブログ村 映画ブログ 映画監督・映画俳優へ      

    このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote
 現在右カラムの中ほどで「キューブリック作品で一番好きなのは?」という投票を受付中ですが、当ブログ管理人のキューブリック作品の評価ランキングと作品論をご紹介いたします。あくまでいちファンの個人的見解・解釈です。当ブログの作品評価や論評、各種嗜好の傾向もこれに準じています。自説はあくまで一説です。読者に強要する意図はありませんので参考程度にどうぞ。

【1位】


2001年宇宙の旅 [Blu-ray](amazon)


【作品論(概論)】『2001年宇宙の旅』★★★★★


【2位】


アイズ ワイド シャット [Blu-ray](amazon)


【作品論(概論)】『アイズ ワイド シャット』★★★★★


【3位】


バリーリンドン [Blu-ray](amazon)


【作品論(概論)】『バリー・リンドン』★★★★★


【4位】


時計じかけのオレンジ [Blu-ray](amazon)


【作品論(概論)】『時計じかけのオレンジ』★★★★


【5位】


フルメタル・ジャケット [Blu-ray](amazon)


【作品論(概論)】『フルメタル・ジャケット』★★★★


【6位】


ロリータ [Blu-ray](amazon)


【作品論(概論)】『ロリータ』★★★★


【7位】


突撃 [DVD](amazon)


【作品論(概論)】『突撃』★★★★


【8位】


シャイニング [Blu-ray](amazon)


【作品論(概論)】『シャイニング』★★★


【9位】


博士の異常な愛情 [Blu-ray](amazon)


【作品論(概論)】『博士の異常な愛情』★★★


【10位】


現金(ゲンナマ)に体を張れ [DVD](amazon)


【作品論(概論)】『現金に体を張れ』★★★


【11位】


恐怖と欲望 [Blu-ray](amazon)


【作品論(概論)】『恐怖と欲望』★★


【12位】


スパルタカス [Blu-ray](amazon)


【作品論(概論)】『スパルタカス』


【13位】


非情の罠 [DVD](amazon)


【作品論(概論)】『非情の罠』


 因に「好きな作品ランキング」になると以下のようになります。「評価」と「好悪」はあくまで別の感性です。よく混同されがちですので、評価とは別に紹介させていただきます。

【1位】 『シャイニング』
【2位】 『時計じかけのオレンジ』
【3位】 『博士の異常な愛情』
【4位】 『フルメタル・ジャケット』
【5位】 『ロリータ』
【6位】 『2001年宇宙の旅』
【7位】 『アイズ ワイド シャット』
【8位】 『バリー・リンドン』
【9位】 『現金に体を張れ』
【10位】 『非情の罠』
【11位】 『突撃』
【12位】 『スパルタカス』
【13位】 『恐怖と欲望』

 けっこう違いますね。1位から5位まではちょっと主人公や登場人物がキちゃってる系の作品です。『シャイニング』は最初の面接のシーンでジャックがニヤっとしただけでもう楽しめちゃいます。アレックスやディム、ストレンジラブ博士にリッパー将軍、ハートマンやパイル、ハンバートとキルティ・・・一癖も二癖もある連中が暴れ回るのは観ていて楽しいですね。6位から8位は高い評価はしているのですが、しょっちゅう観たいとは思わないのでこの順位になります。9位、10位は犯罪ものですか、どこかシニカルな感じがあって好み。11位、12位はカーク・ダグラスのステレオタイプなヒーロー演技が苦手なのでこの順位になります。特に12位はそれに加えてメロドラマ要素もありますからね。13位は希少性・資料性は高いのですが、エンターテイメントとしての完成度は厳しいですね。
[ブログランキング参加中]  にほんブログ村 映画ブログ 映画監督・映画俳優へ      

このページのトップヘ