実現しなかった企画作品

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 映画『時計じかけのオレンジ』や『シャイニング』などの監督として知られる巨匠スタンリー・キューブリックが執筆した、フランスの英雄ナポレオンを題材にした幻の脚本『Napoleon(原題)』が、海外ドラマ『TRUE DETECTIVE/二人の刑事』で脚光を浴びたキャリー・ジョージ・フクナガ監督メガホンでミニシリーズ化される兆しを見せているという。

〈中略〉

 『Napoleon(原題)』が「HBO局で6時間のミニシリーズとして制作される。監督はキャリー・ジョージ・フクナガで、脚本はデヴィッド・リーランドが執筆するとハーラン氏が語った」とコメントしたという。

(全文はリンク先へ:クランクイン!/2016年05月18日




 ヤン・ハーランのコメントなら信憑性は高いですね。以前のこの記事では監督はバズ・ラーマンとなっていましたが、変更になったんでしょうか? いずれにしても詳細が分かりましたらまたここでお知らせいたします。
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Dore Schary(IMDb)
ドア・シャリー(MOVIE-FAN)

 アメリカ・ニュージャージー州出身の映画・TVプロデューサー、作家、エッセイスト。

 ハリス=キューブリック・プロが製作した『現金…』に興味を持ち、まだ公開のメドが立っていなかった『現金…』をMGMで買い取って公開しようとしたが、ユナイテッド・アーティスツに拒否されてしまった。その代わりにハリスとキューブリックをMGMに引き抜き、その庇護下で『燃える秘密』の製作が決定、脚本まで作業が進んでいたが、肝心のシャーリーが社内抗争に巻き込まれてMGMを退社。この企画は実現しなかった。

 他の参加作品は『大鴉』(1935)、『少年の町』(1938)、『若い科学者』(1940)、『人間エヂソン』(1940)、『踊るニュウ・ヨーク』(1940)、『マーガレットの旅』(1942)、『バターン特命隊』(1943)、『家路』(1943)、『恋の十日間』(1944)、『らせん階段』(1945)、『時の終りまで』(1946)、『ミネソタの娘』(1947)、『独身者と女学生』(1947)、『ウチの亭主と夢の宿』(1948)、『恋はかくの如く』(1948)、『拳銃往来』(1948)、『緑色の髪の少年』(1948)、『令嬢画伯』(1949)、『窓』(1949)、『戦場』(1949)、『夜の人々』(1949)、『罠』(1949)、『追いつめられた男』(1950)、『勇者の赤いバッヂ』(1951)、『二世部隊』(1951)、『女群西部へ!』(1951)、『ロデオの英雄』(1953)、『あの高地を取れ』(1953)、『年日本人の勲章』(1955)、『白鳥』(1956)、『最後の銃撃』(1956)、『バラの肌着』(1957)、『孤独の旅路』(1958)、『ルーズベルト物語』(1960)など。

 1905年8月31日アメリカ・ニュージャージー州出身、1980年7月7日死去、享年74歳。
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※『現金…』を撮影中のキューブリック。このあと2年ほどこの脚本に時間を費やす。

 映画『2001年宇宙の旅』『時計じかけのオレンジ』などの巨匠、故スタンリー・キューブリック監督のオリジナル脚本「ザ・ダウンスロープ(原題) / The Downslope」が、長編3部作として映画化されると The Wrap ほか複数の海外メディアが報じた。『ワールド・ウォー Z』のマーク・フォースターが第1作の監督とプロデューサーを務めるという。

(以下リンク先へ:シネマトゥデイ/2015年6月23日




 以前のこの記事ではTVシリーズということだったのですが、映画化されるようです。リンク先の記事では「なぜ本作が製作されなかったかの経緯は明らかになっていない」となっていますが、キューブリックは『現金…』の後の1957年、グレゴリー・ペックに提案されて約2年をかけてこの脚本を書き進めていました。ところが先にカーク・ダグラスと『突撃』を作ることになり、ボツになったという経緯があります。その時の仮題は『ヴァージニア第七騎兵電撃隊(The 7th Virginia Cavalry Raider)』です。

 後にキューブリックはこの企画を復活させる予定はないと語っていますので、完全なるボツ企画ですね。なのであれだけ実現にこだわった『A.I.』や『ナポレオン』などと同列に語るのは完全に間違いでしょう。まあ「あのキューブリックの未完の脚本!」という宣伝文句が欲しい映画会社は聞く耳持たないでしょうけど。

 しかし今時南北戦争のカビ臭い話なんて興行収入が見込めるんでしょうか?『風と共に去りぬ』の時代ならともかく。個人的にはこの映画、盛大にコケそうな気がしています。
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 キューブリックが『ナポレオン』のナポレオンの妻ジョゼフィーヌ役にオードリー・ヘップバーンにオファーを出していた事はここで記事にしましたが、そのヘップバーンがキューブリックに宛てた辞退の手紙をご紹介します。

 内容は「お手紙ありがとう。私はあなたが私と一緒に仕事をしたがっているというだけで満足です」「わたしはしばらく働きたくないので、このプロジェクトに参加する事はできません」という、表現は柔らかいですがはっきりと断りの意思を表しています。日付は1968年11月、まさに『ナポレオン』のプリプロダクション真っ最中です。この頃のヘップバーンといえば、家族との生活を優先させるために事実上の女優業引退状態で、いくらキューブリックのオファーといえども首を縦に降る可能性はありませんでした。キューブリックがヘップバーンにジョゼフィーヌ役をオファーした理由は、当時のヘップバーンの人気の高さもあったでしょう。大金がかかる歴史物の超大作ですから、スターが出演するとなると出資金を集めやすいですし、それなりの興行成績も見込めますので。

 でもキューブリックはナポレオンのロシア遠征を描いた『戦争と平和』で、ヘップバーンがジョゼフィーヌとは全く別のロシア貴族の妹主役で主演していたのをどう思っていたのでしょう?このハリウッド版『戦争と平和』はヒットし、アカデミーやゴールデングローブの各賞を受賞。現在はともかく、当時はそれなりに評価されていた有名な作品です。「『戦争と平和』でヒロインを演じたヘップバーンが、今度は『ナポレオン』の妻役に抜擢!」という宣伝効果も狙っていたのでしょうか?キューブリックとヘップバーン。この両者の接点が全く見いだせないので、「人気取り」や「話題性」以外の理由が見つかりません。キューブリックがヘップバーンの天真爛漫な所謂「ヒロイン演技」を望むとはとても思えませんし、史実のジョゼフィーヌはかなりキツい印象の女性です。ヘップバーンとは全くイメージが異なるのですが・・・。

 結局『ナポレオン』はお蔵入りになってしまうのですが、キューブリックにとってはとても残念だったでしょうけど、ヘップバーンの辞退は非常にいい判断でしたね。もし撮影に入っていたら、何回もテイクを繰り返し、執拗なまでにアドリブでアイデアを求め続けるキューブリックに、ヘップバーンの繊細な神経が持ったかどうか。ヘップバーンはキャラクター性でスターになった女優です。演技力は素人同然ですし、その事は本人もよく分かっていたようです。でも、その「キャラクター性」にキューブリックがぞっこんだった可能性もありますね。なんといっても奥さん(クリスティアーヌ)もその可愛らしいキャラクター性が魅力の女優でした。ヘップバーンのキャスティングの理由がキューブリックの「単に好みのタイプの女性だったから」だとしたら、ちょっと面白いのですが(笑。


戦争と平和 [DVD](amazon)

※ヘップバーンが主役の一人を演じたナポレオン戦争を題材にした歴史大作『戦争と平和』。
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 昨年、ロサンゼルスカウンティ美術館(LACMA)で開催されたキューブリック展でも上映された17分間のドキュメンタリー『Unfolding the Aryan Papers』がYouTubeにアップされていましたのでご紹介。スクリーンテスト映像やロケハンのスチール写真、少年マチェックの伯母タニア役として主演予定だったヨハンナ・テア・ステーゲのインタビューや台本の朗読など、かなりレアな内容となっています。

 原作は終始マチェックの語りで物語が進行していますので、当然脚本化された際にタニア自身の台詞として書き起こされています。台詞に出てくるラインハルトとはタニア一家をかくまった元ドイツ軍人ですが、結局彼は悲劇的な最期を遂げてしまいます。でもこれはまだ物語の序盤、後にもっと数奇な運命が二人を待ち受けています。

 この『アーリアン…』、キューブリックが製作を中止したのはスピルバーグの『シンドラーのリスト』と内容が似ていたという理由ではなく、ユダヤ系団体から映画化への懸念(はっきり言ってしまえば脅迫)があり、『時計…』で散々な目に遭っていたキューブリックがそれに屈したと考えているのですが、確証がある訳ではありません(詳細はここで)。原作を読めば分かりますが、この『五十年間の嘘』という小説、多くの日本人が考える「迫害する凶悪なナチスドイツと迫害される悲劇のユダヤ人」という単純な図式などではなく、ユダヤ人をかくまうドイツ人、ユダヤ人を迫害するユダヤ人、ユダヤに協力的または非協力的なポーランド人、戦後ユダヤ人を迫害したロシア人、そしてタニヤやマチェックでさえ自分たちが生き延びるためには他のユダヤ人を貶めるという図式まで示されます。『アイズ…』の脚本家フレデリック・ラファエルは自著『・・・オープン』で本書を「ユダヤ人について正直に書かれた本」と評しています。その「ユダヤ人の真の姿」がユダヤ系団体にとって都合が悪いのは理解できます。ましてや映画化するのが世界的に有名な映画監督スタンリー・キューブリックで、そのキューブリックはユダヤ人なのです。黙って見過ごす方がおかしいというものです。

 結局映画化は見送られ、ヨハンナは上記動画で「大変失望した」と答えています。その後資料はスタンリー・キューブリック・アーカイブに所蔵されていたままになっていたのですが、2009年になって英国映画協会(BFI)の要請によりジェーン&ルイーズ・ウィルソンが監督、17分間のドキュメンタリーとしてまとめたのが上記の動画です。たった17分しかありませんが、こうして映像化されたのには大きな意義があるでしょう。

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※非常に読みやすい小説。慣れた方なら2時間程度で読破できます。オススメです。
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