2001年宇宙の旅

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 2018年10月6日からいよいよ日本でも公開になる、クリストファー・ノーランが監修した『2001年宇宙の旅』アン・レストア70mm版ですが、公式サイトを引用すると

 『2001年宇宙の旅』製作50周年を記念して、クリストファー・ノーラン監督の協力の元、公開時の映像と音の再現を追求して、オリジナル・カメラネガからデジタル処理を介さずにフォトケミカル工程だけで作成された70mmニュープリントでの上映。音は1968年の公開当時と同じ6チャンネルで、上映前の前奏曲、休憩時の音楽、終映時の音楽まで再現されている。

(引用元:国立映画アーカイブ:製作50周年記念『2001年宇宙の旅』70mm版特別上映


とのことです。

 では具体的にどう違うの? という話ですが、すでに70mm版が公開されているアメリカでは予告編がYouTubeにアップされています。



 これをソースに同シーンをBDから抜き出してBD→70mmの順で比較した動画が一番上の動画ですが、けっこう印象が違います。当然キューブリックの意図は後者なので、後者を基本に考えるべきですが、BDを見慣れていると違和感も否めません。ただしモニターとスクリーンでは映像の投影方法が異なるので映画館で観ればこれとは印象は異なるかも知れません。その確認の意味でも今回の上映は貴重なのですが・・・。それにしても12回の上映回数は少な過ぎますね。
【お願い】キュレーションサイトやまとめサイト、個人ブログ等で当ブログの情報を流用し、記事化する場合は「KUBRICK.Blog.jp」の明記と該当記事へのリンク張ることを条件に、許可も報告も不要となっております。何卒ご協力を宜しくお願いいたします。







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ファンにはおなじみ、初公開時のポスター。

●プレミア上映(MGM)
1968年4月10日(シネラマ)
※テアトル東京にて上映

●初公開(MGM)
1968年4月11日〜9月18日(シネラマ/70mm)

●凱旋興行(MGM)
1969年3月1日〜4月4日(シネラマ/70mm)

●リバイバル上映(CIC)
1978年10月28日〜(シネラマ/70mm/35mm)
※1978年から1984年にかけて70mmや35mmで全国の数多くの映画館で上映された
※テアトル東京(1981年閉館)や大阪OS劇場(1991年閉館)などのシネラマ館でシネラマ上映された

●『2010年』との併映(CIC)
1985年5月11日〜6月27日(35mm)

●ニュープリント版(ヘラルド)
1995年2月3日〜3月2日(35mm)

●新世紀特別版(ワーナー)
2001年4月7日〜5月18日(35mmの上映で70mmの1:2.2を再現)

●新宿バルト9上映(ワーナー)
2007年2月24日〜3月2日(35mm)

●キューブリック監督生誕80周年アンコール上映(松竹)
2008年6月28日〜7月18日(35mm)
※東劇

●新宿プラザ劇場閉館上映(松竹)
2008年11月2日(35mm)

●新宿テアトルタイムズスクエア閉館上映(ワーナー)
2009年8月29日(35mm)

●早稲田松竹特選名画劇場(ワーナー)
2010年1月2日〜1月8日(35mm)

●午前十時の映画祭(ワーナー)
2010年2月6日〜2011年1月21日(35mm)

新・午前十時の映画祭(ワーナー)
2013年4月6日〜2014年3月21日(DCPの上映で70mmの1:2.2を再現)

ライブ・シネマ・コンサート『2001年宇宙の旅』(ワーナー)
2015年11月25〜26日(DCP)
※渋谷オーチャードホール

●恵比寿ガーデンシネマ「爆音映画祭」(ワーナー)
2016年4月3日、6日(DCP)

ニュープリント70mm版(ワーナー)
2018年10月6〜7日、11〜14日(ニュープリント70mm)
※クリストファー・ノーラン監修、アン・レストア版
※国立映画アーカイブのみ



 以上、ざっくりとしたまとめですが、追加情報としてアメリカではIMAX70mm版が8月24日から1週間限定で上映される予定になっています。この「IMAX70mm版」が、日本で唯一のIMAX70mm上映実績がある「109シネマズ大阪エキスポシティ」でそのまま掛けられるのかどうかは、上映技術に詳しくないのでわかりませんが、可能性はあると思っています。もし情報解禁になるのなら、今回の70mm上映チケット発売日前というパターンも考えられるので、特に関西在住の方は動向に注視しておくことをおすすめします(もし空振りだったらごめんなさい)。

 さて、上記の通り『スター・ウォーズ』でSF映画ブームが沸き起こった1978年から1980年代半ばまで、『2001年…』は全国の映画館でリバイバル上映が繰り返されました。当時フィルムは70mmと35mmの2種類があり、70mmの上映施設がある映画館(日比谷スカラ座、新宿プラザ劇場、新宿ミラノ座、渋谷東宝、渋谷パンテオン、松竹セントラルなど)では70mmで、それ以外は35mmで上映されました。つまり今回の70mm上映はそれ以来ですので、約34年ぶりということです。

 そうなると初公開組は60〜70歳くらい、リバイバル組でも50〜60歳くらいですので、それより若い世代は70mm初体験という貴重な機会になります。そのためチケット争奪戦は必至かと思われますが、国立映画アーカイブさんには、ぜひとも上映期間の延長をご検討いただきたいですね。

▼この記事の執筆に当たり、以下の記事を参考にいたしました。
「2001年宇宙の旅」日本公開記録
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日時:2018年10月6日(土)−10月7日(日)、10月11日(木)−10月14日(日)

会場:国立映画アーカイブ[2階] 長瀬記念ホール OZU

主催:国立映画アーカイブ、ワーナー ブラザース ジャパン合同会社

定員:310名(各回入替制・全席自由席)

スケジュール:
10月6日(土)/11:00、3:30
10月7日(日)/11:00、3:30
10月11日(木)/2:00、6:30
10月12日(金)/2:00、6:30
10月13日(土)/11:00、3:30
10月14日(日)/11:00、3:30
※開館時間など詳細はこちら

料金〈前売券・当日券〉:一般 2,500円/高校・大学生・シニア 2,000円/小・中学生・障害者(付添者は原則1名まで) 1,300円
*国立映画アーカイブ及び東京国立近代美術館のキャンパスメンバーズ料金は、当日券のみあり(1,900円)。

★各回の開映後の入場はできません。
★前売券の購入には、別途発券手数料がかかります。
★学生、シニア(65歳以上)、障害者の方は証明できるものを入場時に必ずご提示下さい。

◎料金〈前売券・当日券〉

一般 2,500円/高校・大学生・シニア 2,000円/小・中学生・障害者(付添者は原則1名まで) 1,300円
*国立映画アーカイブ及び東京国立近代美術館のキャンパスメンバーズ料金は、当日券のみあり(1,900円)。

★各回の開映後の入場はできません。
★前売券の購入には、別途発券手数料がかかります。
★学生、シニア(65歳以上)、障害者の方は証明できるものを入場時に必ずご提示下さい。

◎前売券発売

9月1日(土)12:00 pmより
チケットぴあにて全上映回の前売券(全席自由席・各200席分)を販売します。
Pコード:558-820

◎前売券の購入方法

▶ チケットぴあ店舗、セブン-イレブンで購入
  前売料金に加え、1枚につき発券手数料108円がかかります。
▶ 受付電話(0570-02-9999)で購入
 前売料金に加え、1枚につき発券手数料108円がかかります。
※毎週火・水2:30am〜 5:30amはシステムメンテナンスのため受付休止となります。
▶ チケットぴあのサイト(http://w.pia.jp/t/nfaj-wdah2018/)で購入
  前売料金に加え、1枚につき発券手数料108円、また決済方法によって1件につき
決済手数料がかかる場合があります。
※チケットぴあの手数料等については、チケットぴあHPのヘルプ、利用料一覧の頁をご覧ください。
※本前売券の購入に、システム利用料(通常216円/枚)はかかりません。
※前売券の払い戻し、交換、再発行はいたしません。

◎当日券

当日券でご入場される方には、開館と同時に、当日上映される全ての回の入場整理券を1階ロビーにて発券します。当日券は、入場時に整理番号順に販売します。定員に達し次第締切ります。
※各日の開館時間については上映スケジュールをご覧下さい。

(詳細はリンク先へ:国立映画アーカイブ「製作50周年記念『2001年宇宙の旅』70mm版特別上映」




 当ブログでもたびたびご紹介して来た通り、(通常の)70mm上映施設はここにしかないので、やはり来ましたね。チケットは争奪戦必至でしょう。あとは109シネマズ大阪エキスポシティでのIMAX70mm版上映の可能性(『ダンケルク』の上映実績あり)ですが、ひょっとするとひょっとするかも知れません。期待して待ちましょう。
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 映画レビューSNSサイトフィルマークスで『2001年宇宙の旅』のレビューを読んでいると、SF映画だから宇宙シーンから始まるだろうという先入観からか、最初の「人類の夜明け」パートで戸惑ってしまってそのまま集中力を切らしたまま鑑賞を終え、結局「難解」という結論に至ってしまう、という事例を見つけることができます。それもこれもキューブリックが映像重視の方針からナレーションを外してしまったからなのですが、実はこのパートがどういう意味なのかは「全て映像で説明」しています。ファンにとっては単なる蛇足でしかないと重々承知しつつ、新たな鑑賞者に向けてそれを解説してみたいと思います。尚、当然ですがネタバレしていますので、この記事は鑑賞後にお読みください。

APE01

 「人類の夜明け」と題されたパート。太古の地球、おそらくアフリカ大陸であろう風景から物語は始まります。

APE02

 茫漠とした砂漠に残された人類の祖先である猿人の骨。このように猿人たちは滅亡の淵に立たされていました。

APE03

 猿人たちは草を食し、かろうじて命を繋いでいる状態です。バクと草を奪い合う始末です。

APE04

 ヒョウにも襲われます。このように猿人たちがこの地球上から絶滅するのも時間の問題でした。

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 他の群れとの水飲み場の奪い合いです。しかしせいぜい怒声や動作で威嚇する程度しか方法はありません。

APE06

 夜、猿人たちは寝ぐらで聞きなれない音に神経を尖らせています。

APE07

 朝起きてみると目の前に「新しい岩(モノリス)」が屹立しています。明らかに人工物であるそれが一体なんなのか、誰がそれを置いたのか、一切の説明はありません。

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 初めは威嚇するも、好奇心を抑えられなくなった猿人はやがてモノリスに恐る恐る手を伸ばします。これは年老いたボーマンがベッドからモノリスに手を伸ばすラストシーンの伏線になっています。

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 月と太陽を背にするモノリス。このカットでモノリスは太陽がトリガーとなって動く装置であること、第二のモノリスが月にあることを示唆しています。ちなみに月面のモノリスも太陽がトリガーになっていることを示す同様のカットがあります。

APE10

 何気なく骨を拾ってみる猿人。彼はやがて何かを思い出します。

APE11

 それはモノリスに触ったことでした。このカットは「難解だ」「退屈だ」と散々の評価だったプレミア公開の後に、キューブリックが猿人の「気づき」にモノリスが関係していることを明確に示すため、急遽付け加えたものです。

APE12

 骨を道具として使うことに気がついた猿人。「武器」という解釈もありますが、あえて「道具」としています。理由は後ほど。

APE13

 バクを殺し、その肉を食うことを思いつきます。

APE14

 肉食を覚え、飢餓を脱した猿人。後方のバクはやがて猿人たちに食される運命にあります。

APE15

 再び他の群れとの水飲み場を巡る争いです。今度は相手を排除できる道具(武器)を持っていますので、襲いかかってきた相手を撲殺します。

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 この地球上でもう恐れるものは何もない! と言わんばかりに骨を空に放り投げます。

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 その骨はやがて・・・

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 数百万年の時を経て、1999年の衛星軌道上に浮かぶ人工衛星(核爆弾衛星)へと「進化」しました。


 「骨=武器」と解釈しないのは、この「骨を使うことによってバクの肉を食うことを思いついた」という部分が「(殺人用)武器」という解釈だと説明できないからです。より広義に「モノリスによって道具を使うことを覚えた猿人は、バクを狩ることによって肉食を覚え絶滅の危機から脱出し、同時にそれは武器にもなり得て人類初の殺人を行い水飲み場を支配。そしてその支配は全地球上からやがて月まで到達しようとしていた」と解釈するのが自然でしょう。

 アーサー・C・クラーク著の『失われた宇宙の旅2001』によると、クラークはアイザック・アシモフに電話して草食動物を肉食に変えるにあたっての生科学的問題を話し合った、とありますので、猿人が肉食を覚えたことによって進化に影響を与えたのか否かを検討したのでしょう。結論は上記の通り映画で採用されていますので、「影響を与えた」と判断したことになります。

 今年NHKで放映された『人類誕生』というドキュメンタリーによると、ここに登場した猿人であろうアウストラロピテクスからネアンデルタール人、そして現人類の祖であるホモ・サピエンスと別れた際、ネアンデルタール人は絶滅しましたが、ホモ・サピエンスが生き残った理由として「道具をより高度に扱えた」という学説を紹介していました(例として採り上げられていたのは縫い針と石斧)。つまり、キューブリックやクラークが『2001年…』で提唱したように道具の進化と人類の進化は密接に関係している、というのは現在でも有力な説のようです。

 このパートは端的に言えば「何者かの力によって人類の祖先は滅亡の淵からから脱し、地球の支配者へと進化した」という説明部分なのですが、その「何者か」を映像化するのに、タコの姿をした宇宙人がピアノ線で吊るされてやってきて「アナタガタニ道具ヲ使ウ智恵ヲ授ケヨウ」でも、光輪を背負った神様が手を広げながら天から降臨し「あなた方に道具を使う智恵を授けてしんぜよう」でもよかったはずです。しかしあえてそれをやらず「謎の黒い板」で全編押し通し、畏怖さえ感じさせる映像に仕上げたのはキューブリックの功績であると言えるでしょう。

 『2001年…』はわかってしまえばとても単純なストーリーなのですが、それをそのまま映像化してしまうとCG全盛の現在でも陳腐になってしまうでしょう。キューブリックはそれを頑なに拒否したからからこそ、今に至るまで語り継がれる傑作・金字塔になりました。キューブリックは「ストーリーを映像(と音楽)で語る」監督です。意味・意図のない映像はワンカットもありません。一部で言われるような「アートな映像を繋げただけで特に意味はない」などということは決してないことが、上記の解説でわかっていただけるかと思います。

 以上を理解した上で『2001年宇宙の旅』に再挑戦してみてください。一度観ただけでは見逃していた多くの「意味」に気づくでしょう。そしてそれから何度でもその「気づきと感動」を味わって、楽しんでください。
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 以前この記事でご紹介した『2001年宇宙の旅』にインスパイアされたアンダーカバーの2018-19秋冬メンズコレクションが発売になったそうです。

 商品はZOZOTOWNのアンダーカバーのページで確認を。HALのブレインルーム「ロジック・メモリー・センター」のデイパックは一見それとわからないのでいい感じ。ヒップホップな人にはパーカーとパンツの上下セットが需要ありそう。白い部屋のモノリスのビジュアルをあしらった長袖スウェットも人気が出そうですね。

 月面のモノリス発見現場や、アリエス号のスチュワーデスシーンのブルゾンはインパクト大なので、着るには覚悟が必要です(笑。これを着こなせる日本人はそんなに多くないでしょう。芸能人とかには需要ありそうですけど。

 ブランドものなのでお値段は高め。庶民は2枚1,500円とバカ安だったイオンのキューブリックTシャツで我慢ですね。
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