時計じかけのオレンジ

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 スタンリー・キューブリック監督によって1971年に映像化され、今なおカルト的な人気を誇る映画『時計じかけのオレンジ』より、主人公「アレックス」がメディコム・トイの「UDF」シリーズに登場! 同社のアクションフィギュア「MAFEX」に続いて、“アルトラバイオレンス”の申し子が塗装済み完成品フィギュアになって降臨です!

〈以下略〉

(全文はリンク先へ:電撃ホビーウェブ/2018年8月27日




 UDFって何? と思ったら、「ウルトラ・ディテール・フィギュア」の略で、その名の通りディテールにこだわったフィギュアだそうです。前回のフィギュアは「RAH(リアル・アクション・ヒーロー)」や「MAFEX(マフェックス)」と言って、関節を動かすことができるので好きなポーズをとらせることが可能でしたが、今回のUDFはその機能はなく、代わりにディテールにこだわったリアルな仕上がりになっているそうです。

 お値段はRAHの25,000円、MAFEXの7,700円よりもお求めやすく6,100円ですが、発売予定日は2019年4月30日ですのでちょっと先ですね。amazonでは予約受付中なので、欲しい方はチェックしておきましょう。


UDF ウルトラディテールフィギュア No.460 時計じかけのオレンジ アレックス 全高約160mm 塗装済み 完成品 フィギュア(amazon)


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幸か不幸か両者のコラボレーションは実現しなかった。

ニック・メイソンは「ピンク・フロイドとキューブリックとの関係は「不穏」だった」と語った。

 ニック・メイソンは、1971年の映画『時計じかけのオレンジ』で、ピンク・フロイドの『原子心母』の使用を許可するように頼んできたとき、映画監督のスタンリー・キューブリックとの取引で「嫌な思いをした」と認めました。

 この事の顛末のほとんどは、キューブリックがロジャー・ウォーターズに電話し、フロイドの音楽を使いたいと言った話が中心です。キューブリックは『原子心母』をどう使うかをはっきりさせず、彼が好なようにその組曲を使用する権利を保持したかったのです。それはウォーターズにとって納得できるものではありませんでした。ウォーターズはキューブリックに言いました。「そうだ、使わせない」。

〈以下略〉

(全文はリンク先へ:ULTIMATE CLASSIC ROCK/2018年8月24日




 キューブリックが『原子心母(組曲)』を『時計…』のサントラに使用したいとオファーし、拒否されたというエピソードはこちらですでに記事にしていますが、もしロジャー・ウォーターズがこのオファーを受け入れ、それが現実になったとしていたらどうなっていたか・・・現在のウォルター(現ウェンディ)・カルロスによるサントラが強烈すぎるので、なかなか想像できないですね。

 劇中のレコード店でのシークエンスにはこの『原子心母』が2カ所に映り込んでいます。キューブリックがわざと置いたものなのか、それとも単なる偶然か。ただ『2001年…』のサントラは目立つのでわざと置いたものでしょう。

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 では、その『原子心母』をどうぞ。



原子心母 Atom Heart Mother

1)父の叫び (Father's Shout)
2)ミルクたっぷりの乳房(Breast Milky)
3)マザー・フォア(Mother Fore)
4)むかつくばかりのこやし(Funky Dung)
5)喉に気をつけて(Mind Your Throats, Please)
6)再現 (Remergence)

 ちなみにどうでもいい話ですが、管理人はシド・バレット在籍時のピンク・フロイドの方が好きです。また、1988年の来日公演にも参戦しましたが、肝心のロジャー・ウォーターズはメンバーと仲違いしていて不在でした(爆)。
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 『時計じかけのオレンジ』は公開からもうすぐ半世紀になろうとしていますが、その強烈なストーリー、メッセージ性、斬新なビジュアルから数々のアーティストのMVにインスパイアを与え、オマージュを捧げられ続けています。今回はそんな内外のMVを集めてみました。


ジ・アラーム/68ガンズ(The Alarm - 68Guns)

 1980年代に活躍したイギリス・ウェールズ出身のロックバンド。1984年に発表したデビューアルバム『デクラレーション』からのシングルカット曲。ちなみにシングルはアルバムより短く編集されています。59秒辺りのロケ地は浮浪者に暴行した地下道。1分36秒には見覚えのあるシーンが登場し、1分55秒にはカッター銭めぐんでるシーンも。ちなみに管理人は、二度の来日公演の両方とも参戦するほどこのバンドの大ファンでした。



ガンズ・アンド・ローゼズ/ウェルカム・トゥー・ザ・ジャングル(Guns N' Roses - Welcome To The Jungle)

 言わずと知れたガンズ・アンド・ローゼズ(ガンズ)の1987年の大ヒットナンバー。3分28秒からのブリッジの部分が『時計じかけのオレンジ』のルドビコ療法のシーンにそっくりですが、デヴィッド・ボウイ主演の1976年公開の映画『地球に落ちて来た男』の拷問シーンにも似ています。でも、元を辿ればこれも『時計…』に行き着くので、「インスパイアされたものにインスパイアされた」ってことになるんでしょう。



ブラー/ザ・ユニヴァーサル(Blur - The Universal)

 1995年に発表された4thアルバム『ザ・グレート・エスケープ』からのシングルカット曲。監督はキューブリック・オマージュが多いマーク・ロマネク。



ロブ・ゾンビ/ネバー・ゴナ・ストップ(Rob Zombie - Never Gonna Stop)

 2001年に発表したセカンドアルバム『ザ・シニスター・アージ』からのセカンドシングル。再現度は高いですね。PVも自身が監督しているそうです。



ロウワー・クラス・バッツ/ジャスト・ライク・クロックワーク(Lower Class Brats - Just Like ClockWork)

 1995年にテキサスのオースチンで活動を始めたパンクバンド、ロウワー・クラス・バッツが2003年にリリースしたアルバム『A Class of Our Own』からの曲。タイトルからしてそのまんまですが、予告編をオマージュしているのが新鮮ですね。



ザ・ホワイト・ストライプス/セブン・ネイション・アーミー(The White Stripes - Seven Nation Army)

 2003年に発売された4thアルバム『エレファント』からのシングルカット曲。MVがなんとなく『時計…』のポスターっぽくってカッコイイ。サウンドも1960年代デトロイト・パンクを彷彿とさせてめちゃくちゃカッコイイ。2018年ロシアワールドカップのアンセムにも採用されましたので、聴き覚えのある方も多いはず。



リアーナ/ユー・ダ・ワン(Rihanna - You Da One)

 中米の小国、バルバドス出身のR&Bシンガー、リアーナが2011年に発表したシングル曲『ユー・ダ・ワン』。そのMVの衣装が『時計…』のアレックス風なものになっています。



ズーリ/ベター・オール・ザ・タイム(Zuli - Better All The Time)

 このズーリ(本名ライアン・キャメンズーリ)についてはフェイスブックくらいしか情報がないのですが、ジャンル的にはサイケデリック・ポップという事らしいです。一聴した感じだとイギリス系で後期のビートルズの影響が大きく、カラフルで切なげでちょっとヒネったポップセンスは好印象。映画のシーンからインスパイアされたシーンがいくつも登場します。SPECIAL THANKSにもキューブリックの名前がしっかりクレジットされていますね。



ブルック・キャンディ/ア・スタディ・イン・デュアリティ(Brooke Candy - A Study in Duality)

 女性ラッパーのブルック・キャンディが2015年に発表したインスト曲『ア・スタディ・イン・デュアリティ』のMVに、フラッシュカットとしてルドビコ療法を思わせるリドロックや、ミルクを口からこぼすカットが挿入されています。しかもなぜだか渋谷の夜景も。このブルック・キャンディですが、レディ・ガガの次のファッション・アイコンとして注目されているそうです。



チャオ・ベッラ・チンクエッティ/何度も 何度も…

 女性アイドルグループ、チャオ・ベッラ・チンクエッティの2017年12月発売の配信限定シングル『何度も 何度も…』の衣装とMVの世界観が『時計…』を彷彿とさせるものになっています。残念ながら2018年8月をもって活動停止を決定、解散しました。



欅坂46/Student Dance(Short Ver.)

 2018年8月発売のシングル『アンビバレント』のカップリング曲。歌詞を読むと「学校という管理社会に閉じ込められた私たちのアンチテーゼ」という内容で、そこから「時計の盤面の上で学校生活のワンシーンを踊る」というMVになったようです。つまり「管理社会」「アンチテーゼ」「時計」といったワードが『時計じかけのオレンジ』に結びついた、ということですね。

 以上ですが、世界中ではもっとあると思います。もし何か他に情報がありましたら掲示板までおしらせください。
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 アイドル+『時計じかけのオレンジ』と言えば、以前こちらをご紹介しましたが、また随分とメジャーなアイドルが採り上げて来ました。

 管理人はアイドルには興味ありませんし、語るべき知識もまるでないのでノーコメントとさせていただきますが、キューブリックファンとして言うなら、いつもと同じく「きっかけはどうであれ、キューブリック作品の認知が広がればそれはそれで嬉しい」です。ファンには今更な話ですが、欅坂な方々のために元ネタの動画も貼っておきますので、興味があればぜひ映画もご覧ください。

2018年8月6日追記:歌詞を読むと「学校という管理社会に閉じ込められた私たちのアンチテーゼ」という内容で、そこから「時計の盤面の上で学校生活のワンシーンを踊る」というMVになったようです。つまり「管理社会」「アンチテーゼ」「時計」といったワードが『時計じかけのオレンジ』に結びついた、ということですね。

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邦訳された小説『時計じかけのオレンジ』。左から初版(1977年)、アントニイ・バージェス選集〈2〉(1980年)、完全版(2008年)



 小説『時計じかけのオレンジ』の最終章(第21章・3部7章)については、いったん第20章(3部6章)で物語を終わらせていたにもかかわらず、原作者アンソニー・バージェスが出版社の意向に沿って「その場しのぎ」で「付け加えた」というのが事の真相ですが、本人がこの事実を隠し、事あるたびにキューブリックの映画版を批判したために、「最終章がある版がバージェスの真意である」という間違った認識が定着しつつあります。この記事ではそれを訂正するために、当事者や関係者の証言をまとめてみたいと思います。

 「それ(第21章)は納得のいかないもので、文体や本の意図とも矛盾している。出版社がバージェスを説き伏せて、バージェスの正しい判断に反して付け足しの章を加えさせたと知っても驚かなかった」

(引用元:『ミシェル・シマン キューブリック』)

 「失われた最終章?あれは偽物だ。アンソニー・バージェスは文字通り書けと強要されたんだからね。発行者から「こいつを好ましい人物にしないとかなり厳しいことになる」と言われて2時間で言われた通りに書き上げたと話していたよ。だからあれはオリジナルでもなんでもないのさ」

(引用元:『CUT 2011年7月号』マルコム・マクダウェル インタビュー)


 このように、キューブリックもマルコムも明確に「最終章は出版時に出版社の意向で付け加えさせられたもの」と証言しています。次に、小説の訳者である乾 信一郎氏による最終章に関するあとがきを検証したいと思います。

 この小説が一部二部三部にわけられていることはごらんのとおりであるが、その第一部と第二部はそれぞれ七つの章から成り立っている。問題なのは第三部である。1962年の英国版初版にはこの第三部も七つの章になっているのだが、その後に出た版になるといずれも最終章の第七章が削除されている。最も新しい版と思われるペンギン・ブックスの1977年版にもこの最終第七章は無い。

〈中略〉

 ところがその後早川書房編集部で1974年のPlayBoy誌上にバージェスのインタビュー記事が出ているのを発見。訳者もそれを見せてもらったが、その中にはもちろんバージェスの著作中でのベストセラー『時計じかけのオレンジ』のことに触れた部分があった。それによるとバージェスはキューブリック監督によって映画化された『時計じかけのオレンジ』には数々の不満があるというのだ。特に結末の部分がいけないという。キューブリック監督は原作の最後の章を読んでいないんじゃないか、とあった。

〈中略〉

 それでは、なぜバージェスはその考えを盛った大切な最後の章を削除した本の発行を許しているのか、そこが疑問になってくる。以上のような考えであれば第三部の第七章は絶対になくてはならないものということになるのだが、実際はその反対となっていて、いっていることと現実が矛盾する。

(引用元:時計じかけのオレンジ (1980年) (アントニイ・バージェス選集〈2〉)


 つまり、訳者自身も「バージェスの矛盾した言動は不可解」と評しています。ところがの2008年に刊行された『新装版』の柳下毅一郎氏の解説は、前述したキューブリックの証言を「事実はそうではない」と否定し、

 1962年に英国ハイネマン社より出版された『時計じかけのオレンジ』初版には第7章(第21章・3部7章)も含まれた完全版だった。だが同年に米国で出版された版からは最終章が省かれていた。バージェスが86年の米国版に寄せた序文によれば、米国の出版社がカットを求めたのだという。その後の版もこれを踏襲し、86年に「『時計じかけのオレンジ』はこれまでアメリカで完全なかたちで出版されたことがなかった」とする序文(A Clockwork Orange Resucked)つきで再版されるとき、はじめて第7章が復活した。バージェスがそれまで第7章の復活を求めなかった理由はわからない。おそらく本人にもどうすべきか迷いがあったのではないだろうか。

と、バージェスの主張を言葉通りに信じ込んでしまっています。ですが「無理やり付け加えさせられた」という証言はキューブリックだけでなくマルコムも行なっているため、これは「事実」として考えざるを得ません。その上で解説で柳下氏が指摘している「迷いがあった」は、以下の結論で完全に説明できてしまうのです。

結論:バージェスは当初最終章のない『時計…』が完結した物語と考えていたが、英国の出版社の意向に添って不本意ながら最終章を付け足した。その後キューブリックが最終章のない(バージェス曰く「カットを求められた」としているが、バージェス自らカットを求めた可能性もある)米国版をベースに映画化したところ、各方面から暴力賛美だと批判が集中、原作者のバージェスも批判はおろか脅迫(殺人予告を含む)までされる事態に発展した。その批判や脅迫をかわすためにバージェスは、マスコミ向けには最終章の意味とその重要性を事あるたびに主張し、それを映像化しなかったキューブリックを批判、自分は暴力主義者でない事を世間にアピールした。しかし本心では最終章がない版が決定版だと考えていたため、米国版に最終章を加えるか否か1986年まで悩み続け、最終的には加えることにした。

 上記の結論(私論)や、最終章の有無に関する「好み」についてはそれぞれの判断に委ねるとして、ひとつ確実な事実は「最終章は出版社の意向に従い、アンソニー・バージェスが無理やり書かされたものである」という点です。この事実を認識した上で最終章を書いたバージェスの「真意」ついて論ずべきだ、と管理人は強く思います。
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