バリー・リンドン

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barry_lyndon

 鬼才S・キューブリック監督が18世紀のヨーロッパを舞台に、一人の青年が貴族にまで成り上がり、やがて国を追放されるまでの流転の半生を描いた華麗なる歴史大作。徹底的なリサーチに基づいた美術や衣装、新たに機材を開発し、ろうそくを光源に撮影された繊細で重厚な映像は、究極の映像美の一つとして高く評価されている。ヘンデルやアイルランド民謡を使った音楽も深く印象に刻まれる。アカデミー撮影賞など4部門を受賞。

【製作・監督・脚本】
スタンリー・キューブリック

【原作】
ウィリアム・メイクピース・サッカレー

【撮影】
ジョン・オルコット

【音楽】
レナード・ローゼンマン

【出演】
ライアン・オニール、マリサ・ベレンソン、パトリック・マギー ほか

製作国:ドイツ/イギリス
製作年:1975
原題:BARRY LYNDON
備考:英語/字幕スーパー/カラー/レターボックス・サイズ

(引用元:NHK BSシネマ




 2019年3月7日のキューブリック没後20年に向けて、キューブリック作品のオンエアが続いていますが、今度は『バリー・リンドン』です。録画希望の方は予約とハードディスクの空き容量のチェックを忘れずに。
【ご注意】当ブログの記事は「KUBRICK.Blog.jp」の明記と該当記事へのリンク(URL表記「http://kubrick.blog.jp/」でも可)貼ることを条件に、報告不要でご自由にご活用頂けます。ただし、アポロ計画やフリーメイソンなどの陰謀論、スキャンダラスな嘘記事、ソース不明の偽情報を掲載して衆目を集め、アクセスを呼び込むことを第一の目的とするデマサイトやデマ動画チャンネルの関係者は当ブログの閲覧、ならびに利用は全面禁止とさせていただきます。






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2016年にイギリスで再上映された際のオフィシャルトレイラー。



 スタンリー・キューブリック(Stanley Kubrick)監督が18世紀のヨーロッパを舞台に、一人の青年が貴族にまで成り上がり、やがて国を追放されるまでの流転の半生を描いた華麗なる歴史大作。映画『バリー・リンドン』がNHK BSプレミアムで4月26日(木)午後1時00分〜4時07分放送。

〈以下略〉

全文はリンク先へ:amass/2018年3月1日




 『バリー・リンドン』のNHK BSでのオンエアはけっこう珍しいのではないでしょうか。さて問題はアスペクト比がキューブリックの指定した1.66であるか否かですが、両側にピラーボックスが表示されればクライテリオン版の1.66、フルサイズで表示されればワーナーのBDと同じ16:9ということになります。注目しましょう。


Criterion Collection: Barry Lyndon/ [Blu-ray] [Import]

※アスペクト比1.66のクライテリオン版。リージョンA・日本語字幕なし


バリーリンドン [Blu-ray](amazon)

※アスペクト比16:9のワーナー版。
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カール・レヒリング作『ロイテンの戦い』(上)と『モルヴィッツの戦い』(下)(引用元:ART.com



 『バリー・リンドン』でバリーが参加したのは七年戦争の「ミンデンの戦い(1759年8月1日)」で、イギリス軍対フランス軍の戦闘でしたが、キューブリックはその映像化にカール・レヒリングが描いた『ロイテンの戦い(1757年12月5日)』『モルヴィッツの戦い(1741年4月10日に)』の絵を参考にしたそうです。「ロイテンの戦い」も「モルヴィッツの戦い」も対戦したのはプロイセン軍対オーストリア軍ですので、英仏が戦ったものではありませんが、同じ時期の戦闘ですので参考にしたのでしょう。

 特に『ロイテンの戦い』の絵は、打ち鳴らす太鼓も銃弾を浴びてもんどり打って倒れる兵士も映画と全く同じですね。キューブリックはこのように18世紀をそのままフィルムに映し取ることに固執し、膨大な絵画資料を漁ったようです。リサーチマニアのキューブリックらしいエピソードですね。

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_SX342_
Barry Lyndon Special Edition, Criterion Collection Blu-ray(amazon US)

キューブリックの遺志通り、ヨーロッパビスタ(1.66)で収録されたクライテリオン版BD。見本映像にはしっかりとピラーボックスが見える。


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キューブリックの遺志に反し、ピラーボックスなしのワイドサイズで収録されたワーナー版BD

 一体これこれの混乱は何だったの? と言いたくなりますが、やっと正しいアスペクト比1.66のヨーロッパビスタでリリースされました。

 キューブリックは『現金…』から『バリー…』まで、ヨーロッパビスタの1.66で視聴されることを念頭に映画製作をしてきました(例外は『スパルタカス』とシネラマの『2001年…』)。しかし状況はキューブリックの希望とは異なり、アメリカンビスタ(1.85)がヨーロッパビスタを押しやって業界標準の地位を築いてしまいました。仕方なくキューブリックは『シャイニング』から、TV放映やビデオ化を睨んで撮影はスタンダード、上映はその上下をトリミングしてヨーロッパビスタとアメリカンビスタ両方に対応できるフォーマットで映画製作を行いました。なぜならビスタサイズでフィルム制作してしまうと、テレビのスタンダードサイズ(1.33)に収まりきらず、勝手に左右をバッサリカットしてオンエアされてしまう可能性があったからです(あの時代の映画のTV放映ではそれが当たり前で、切れると読めなくなるタイトルやスタッフロールなどは無理やり長体変形をかけてオンエアしていました)。

 キューブリック逝去後、テレビはワイド(1.78)が標準になったため、「ビスタサイズのフィルムの左右をバッサリカットしてオンエア」という問題はなくなり、上映サイズ(ヨーロッパビスタ・アメリカンビスタ)≒ワイドテレビサイズでの視聴が当たり前になりました。それに対応して『シャイニング』以降のワイドTV対応のDVD/BDはピラーボックス(左右の黒い帯)はありません。しかしヨーロッパビスタでの上映のみを想定していた『現金…』(BDは日本未発売)『突撃』(BDは日本未発売)『ロリータ』『博士…』『時計…』『バリー…』のDVD/BDには1.78と1.66のサイズ差を埋めるピラーボックスがなければなりません。それが守られていなかったのは『バリー…』のBDだけでしたが、今回のクライテリオン版の登場で、やっとそれが果たされたというわけです。

 一時期行方不明と言われていたマスターが見つかったなど、事の詳細はプレスリリースがないので不明ですが、マスターから4Kスキャンされたという画質も見本映像を観る限り期待できそうです。キューブリックの遺志が尊重されたこのバージョンのワーナー版のリリースを是非ともお願いしたいですね。

 クライテリオン版BD『バリー・リンドン』の詳細情報はこちら、本家クライテリオンの紹介ページはこちらへどうぞ。
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_SX342_
Barry Lyndon Special Edition, Criterion Collection Blu-ray(amazon US)


 クライテリオンから届いた10月のBLU-RAYリリース・ラインナップ。10/17登場予定となっているのが、今年の目玉作品のひとつとなる巨匠スタンリー・キューブリック監督作『バリー・リンドン』(75)です。

 18世紀のヨーロッパを舞台に、貴族に成り上がろうとする男の数奇な運命が描かれる。出演は『ある愛の詩』『ペーパー・ムーン』のライアン・オニール、『ベニスに死す』『ホワイトハンター ブラックハート』のマリサ・ベレンソン。アカデミー撮影・音楽(編曲/歌曲)・美術監督/装置・衣装デザイン賞受賞。同作品・監督・脚色賞ノミネート。

 35mmオリジナルネガからの4Kスキャン/ワークフロー版。狂おしいまでに拘り抜いたカメラ美術画、厳密に再現された衣装や風俗等々、どのように再現されるか、乞うご期待です!お楽しみに。

(詳細はリンク先へ:Stereo Sound Online/2017年7月18日

※記事にある動画は昨年イギリスで再上映された際の予告編で、今回の4K版のものではありません。





 記事中に「35mmオリジナルネガからの4Kスキャン」とありますが、これが事実ならちょっとしたトピックです。実は『バリー…』のオリジナルネガは紛失したとされているからです。それがついに発見され、キューブリックの指示通りのアスペクト比、1:1.66での4K化ということになります。

 特典については

・Blu-rayは新4Kデジタル復元、非圧縮モノラルサウンドトラック付き

・Blu-rayのDTS-HDマスターオーディオはアルティメイト5.1サラウンドサウンドトラック

・1976年のキューブリックのオーディオインタビューからの抜粋だけでなく、キャストとクルーのインタビューを収録した新ドキュメンタリー

・1980年の撮影監督ジョン・オルコットのインタビューからの抜粋だけでなく、撮影助手のダグラス・ミルサムと撮影主任のルー・ボーグによる映画の画期的なビジュアルに関する新番組

・アカデミー賞を受賞したプロダクションデザイナー、ケン・アダムと、歴史家クリストファー・フレイリングの新番組

・編集のアンソニー・ローソンの新しいインタビュー

・1976年にオスカー賞を受賞した衣装デザイナー、ウルラ=ブリット・ショダールンドのフランステレビによるインタビュー

・批評家ミシェル・シマンの新しいインタビュー

・レオン・ヴィタリが監修した5.1サラウンドサウンドトラックについての新しいインタビュー

・芸術学芸員のアダム・エーカーが、映画からインスパイアされた美学を分析する新しい作品

追加:『アメリカン・シネマトグラファー』1976年3月号から、批評家ジェフリー・オブライエンによるエッセイ

となっています。特にレオンのインタビューが興味を惹かれます。期待して10月を待ちましょう。また、ワーナー版での発売も期待したいですね。
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