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右手にグラスを当て、落として割ってしまうボーマン。

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年をとり、老眼であることを示すように眼を細める演技まで計算されている。

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撮影は1966年夏。モノリスのシーンはカチンコによると7月7日となっている。

 『2001年宇宙の旅』の終盤、「白い部屋」(カチンコには「Hotel Room」と書かれている)でのシークエンスで、食事中のボーマンがグラスを割ってベッドの年老いた自分に気づくアイデアは、演じたキア・デュリアが

「何かを聞いたり何かを感じたりする瞬間を(今までのシーンと)違った形で迎えてみたい。グラスを突き倒して、身をかがめようとして、その動きの途中で何かを感じ取れるようにすれば、これまでのやり方の繰り返しにならなくて済む」(出典:『2001:キューブリック、クラーク』)

 と提案しました。これに対してキューブリックは許可を出し、その日の撮影日報に「とてもよい」と書き込んだそうです。

 ところでこの「白い部屋」、2017年に銀座の資生堂ギャラリーで異星人が燃やしてしまった状態を再現した(と思いますが、説明はありませんでした)『善悪の荒野(Beyond good and evil, make way toward the waste land.)』として展示されました(詳細はこちら)。ここでもこの「割れたグラス」は再現されており、ちょっと驚いたものです。この展示、期間限定で東京のみだったのですが、作品が残っていれば再度展示して欲しいですね。

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『善悪の荒野(Beyond good and evil, make way toward the waste land.)』と題されたアート作品。

beyond3ボーマンが割ったグラスまで再現されている。