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AE-35ユニットをX線で調査するシーン。飛行機に詳しい方がこの映像を見るとジャイロスコープと気づくのでは?

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映画で使用されたプロップ。

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本物の飛行機のジャイロスコープ。機種を特定できる方がいらっしゃいましたらぜひご一報を。

 言われてみれば、確かにそんな感じ。『2001年宇宙の旅』でアンテナ台座に取り付けられ、HALの故意による故障の原因にされてしまった「AE-35ユニット」。実はこのプロップは飛行機のジャイロスコープを改造したものだったそうです。

 クラークの小説版『2001年…』では「ハガキ大の薄い板」だったのですが、キューブリックはなぜか大げさな箱型機械にしてしまいました。しかも2001年にしてはちょっとアナクロな感じ。どうして小説版通りに映像化しなかったのかは謎ですが、ハガキ大の薄い板を囲んで大の大人が雁首並べて「うーん・・・」と悩んでいる姿は画にならない、と判断したのかも知れません。某国家運輸安全委員会でもFDRやCVRを調べるシーンは、あの大きさだからサマになるんだと思います。

 AE-35ユニットはアンテナの方向を制御する装置。ジャイロスコープは飛行機の姿勢を制御する装置。飛行機に乗らない理由をキューブリックは

「お望みなら知恵者の臆病と呼びたまえ。実際の所、何年にも渡って私は自分が飛行を楽しんでいないことに気がついた。そして航空会社の広告では決して言わない、商業飛行の妥協のある安全基準に気づき始めた。それで私は船で旅行することにしたのさ」(出典:キューブリック/イメージフォーラム増刊)

と語っていますが、キューブリックはパイロット免許の所有者でもあったので飛行機に関しては「知恵者」のはず。ですので、AE-35ユニットとジャイロスコープとの共通性に気づき、それを取り寄せて改造することを指示したのかも知れませんね。

追記:AE-35ユニットのプロップのベースは、スペリー社のジャイロコンパス G.M.compass MK4 - 6B/563 だそうです。詳細はこちら

▼この記事の執筆に当たり、以下の記事を参考にいたしました。
AE-35 Unit Replication Project