映画ポスター2

映画ポスター

映画ポスター1

映画の発明から2010年代まで
世界の映画ポスターを芸術的、商業的な観点から探求する


 映画が生まれたのは1895年。リュミエール兄弟が撮影・映写の複合機「シネマトグラフ」を発明したことから始まる。一方、ポスターという宣伝媒体が生まれたのはそのわずか10年前のこと。本書では、現在でもいまだなお作り続けられる『映画ポスター』にスポットを当て、時代の変遷とともにその歴史を振り返える。ポスターデザインを手がけたアーティストやスタイル、映画的なムーヴメント、政治、イデオロギーなどの影響によって、映画ポスターにどんな変化がもたらされたのか? 当時の時代背景とともに紐解いていく。

 チャールズ・チャップリンの演じた放浪者チャーリーは、どのようにしてお馴染みのキャラクターになったのか? あるいは、グレタ・ガルボの神秘的な雰囲気はどのように宣伝されたのか? さらにはブロックバスター映画の歴史、年代ごとのグラフィックデザインの変遷、デジタル時代におけるポスターの役割まで、幅広い観点で映画史に迫っていく。映画、芸術、そして観客を惹きつけるための映画ビジネスを巡る、楽しく興味の尽きない旅に出てみよう。

【本書のポイント】
・1910年代から2010年代までの10年ごとに世界各国で作られた映画ポスターを紹介
・全450点の映画ポスターを掲載
・監督、俳優、デザイナーについて綴るコラムも

【掲載している監督・デザイナー】
D・W・グリフィス/チャールズ・チャップリン/フリッツ・ラング/ステンベルク兄弟/ジョセフ・フォン・スタンバーグ/エリック・ローマン/ビル・ゴールド/マイケル・パウエル/エメリック・プレスバーガー/ジャン・コクトー/ソール・バス/レイノルド・ブラウン/スティーヴン・フランクファート/イングマール・ベルイマン/ヴィクトル・ゴルカ/ロバート・アルトマン/リチャード・アムゼル/スタンリー・キューブリック/ルネ・フェラッチ/ボブ・ピーク/ジョン・アルヴィン/スパイク・リー/ペドロ・アルモドバル/フアン・ガッティ/スティーヴン・スピルバーグ/クリストファー・ノーラン他




 デジタル写真合成が一般化した2000年代以降、映画ポスターはその作品のワンシーンの俳優たちをコラージュしたものばかりになってしまいましたが、映画のポスターはその時代の「トレンド」を写す鏡でもありました。キューブリックはその他大勢の監督とは違い、配給会社の広報に自作の宣伝を任せっきりにするのではなく、全ての広告に細かくチェックを入れていたと言います(全世界の広告全てチェックできていたかといえば、それは不可能だったとは思いますが)。特にポスターは重視していたようで、キューブリックの監修なしに作られることはありませんでした(初期作以外)。それについての考察は以前こちらの記事にまとめております。

 この書籍『時代と作品で読み解く 映画ポスターの歴史』にもキューブリック作品が採り上げられているそうなので、どういう紹介のされ方をしているのか興味深いですが、4,536円と少々お高いのが難点。出版元の玄光社といえばアートやデザイン、イラストレーションで有名な版元ですが、映画目線ではなくアート目線の切り口になるのかもしれません。9月1日にはTSUTAYA TOKYO ROPPONGIにて先行発売イベントを開催するそうですので、興味のある方は参加してみてはいかがでしょうか。


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