『ドクター・スリープ』 日本版予告編

〈前略〉

 ところで予告編には、「REDRUM」の文字や三輪車をこぐダニー、血があふれるエレベーター、不気味な双子など、スタンリー・キューブリック監督の傑作『シャイニング』(1980)で描写されたイメージが登場し、非常に大きな影響を受けているのは明らかだ。本作は、キングの小説の映画化なのか、それともキューブリックの映画の続編なのか? 監督は「製作が発表されてから、一番よく聞かれたのがその質問だよ。これは小説『シャイニング』の続編を忠実に映画化したもの。だけど、同時にキューブリックが『シャイニング』の映画化で確立したシネマティック・ユニバースに存在している。この調整が実は最も大変で、ワクワクする部分だったんだ」と説明する。

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(全文はリンク先へ:シネマトゥデイ/2019年6月14日




 スティーブン・キングが執筆した小説『ドクター・スリープ』は、小説『シャイニング』の続編であり、キューブリックの『シャイニング』の続編ではありません。ですが、その小説『ドクター・スリープ』を映画化する際、旧作『シャイニング』の映像の流用は、映画会社的には興行収入的観点からして、全く知られていないTVドラマ版『シャイニング』の映像を使う、という選択肢はなかったはずです。やはり予告編で使用されている映像は全てキューブリックが改変したものばかりでした。原作者のスティーブン・キングはキューブリック版『シャイニング』を酷評し、憎んでさえいるのは周知の事実ですが、当のキングはこの事実をどう思うのでしょうか? キング自身がキューブリック版を嫌うのは構わないとしても、その影響力と完成度は認め、今後公式にキューブリック版を批判することは、いいかげん控えてほしいものです。

 ところでこの『ドクター・スリープ』という物語、小説は未読ですがあらすじを読んだだけでも、キングお得意のチープなB級感満載(予告編では壊れた扉のシーンのSEがヒント)のストーリーとなっています。もちろんキングファンは「そこが好き」なのですが、キューブリック版『シャイニング』の印象をひきづって鑑賞するとガッカリするのは必至(『2010年』のように別モノとして楽しめれば御の字)ですので、期待値はあまり上げない方がよろしいのではないかとは思います。