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 2018年10月19日から全国一部のIMAXで上映されました『2001年宇宙の旅』IMAX版の上映が終了いたしましたのでレポートしたいと思います。

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 私は諸事情からT・ジョイPRINCE品川で鑑賞いたしました。まず、アスペクト比ですが、例のHALの初出シーンでモニター8つの表示を確認しております。ただ、ギリギリ画面に納めた感じで、70mmに比べて左右に余裕がありませんでした。

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70mmフィルム上映ではもう少し余裕があった。(参考画像)

 オリジナルネガをフィルムに焼くか、デジタルでスキャンするかでは、根本的な制作方法が違うと思いますので、映像データの縁をシャープに出さなければならないデジタルデータの場合、当然オリジナルネガから影響ない範囲で少し内側にカットしなければなりません。おそらくその範疇の問題ではないかと判断しました。IMAXのDCPデータのアスペクト比が4K UHDと同じであれば、オリジナルネガの1:2.2を同比率で若干内側にトリミングしたのだと思います。以下は4K UHDのサンプルです。比率は1:2.2になっています。

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リンク先の元画像は、レターボックスを含んだ画面サイズが2160×3840ピクセル、映像サイズは1745×3840ピクセルの1:2.2。(引用元:blu-ray.com/2001: A Space Odyssey 4K Blu-ray

 また、字幕のフォントが大きすぎ、フォントのエッジにジャギーが出ていた点が気になりました。家庭用TVで見ているバランスで大きさを決めているのだと思いますが、IMAXだと大きすぎます。まあ、観ているうちに気にならなくはなりましたので、4K UHD版のデータを流用しているのなら仕方がないと割り切るしかないでしょう。

 次に色調ですが、ベースは70mにしつつも、70mmにあったシーンによって色調が異なるという問題点を微調整し、なるべくフラットにしたという印象を受けました。それを是とするか非とするかは個々の判断ですが、私個人としては観やすかったので是としたいと思います。それもこれもそれを決めるご本人が不在なのが悪いのですが、今更どうすることもできないので、こればかりは現実的な判断を優先するしかないでしょう。また、デジタルならではのシャープネスが70mmにあった奥行き感を弱めていた印象は残りました。しかし、左側から巨大なディスカバリー号がどどーんと現れた時には度肝を抜かれ、そのディテールの作り込みにも改めて関心してしまいました。キューブリックがモデルの仕上がりに徹底的にこだわった結果なのですが、50年も経っているのにリアリティを失わないそのクオリティにはただただ驚くばかりです。

 一部で報告があった「人工衛星がカクカク動く問題」ですが、気になった上映館もあったそうです。ということはこの「カクカク」はソースの問題ではなく、上映設備の問題だと判断できるので、4K UHD版では問題ないでしょう。

 今後改善していただきたいのが音源です。70mm版の時も気になりましたが、やはり音源の音圧が足りていない印象です。音圧がない音源の音量を上げればたちまちノイズ感が増してしまいます。IMAXの音響設備は優れているのですが、上映館によっては圧が足りていなかった、ノイズが気になったという報告もあるようです。それはどの上映館でも共通して高い品質の音響をアウトプットできるだけの音源ではないからです。それが困難なのは百も承知ですが、なんとか音源の回復・復元をお願いしたいと思います。

 最後に上映フォーマットですが、70mmフィルム上映のフォーマットに各上映館ができる範囲で対応した、という点を高く評価したいと思います。IMAXにはカーテンがありませんので、それは仕方ないにしても、なるべく当時の上映環境に近づけようとする各館の努力に、『2010年』との併映で、前奏も休憩もエンドロール後のドナウもカットした「ぶった切り」上映を観ている管理人としては(笑、惜しみない拍手を贈りたいと思います。尚、ドナウ後にはメタリックなワーナーロゴとIMAXロゴを確認済みです。

 以上ですが、今回のIMAX上映を存分に楽しませていただいた嬉しさの反面、今後『2001年…』を鑑賞するのにシネコンのDCPでは満足できない体になってしまった、とも言えます(笑。池袋や川崎、札幌や名古屋など、4KレーザーIMAXが開館予定になっていますし、今後8Kにスペックアップする可能性も高いです。また、特設会場設営によるシネラマ完全再現上映(デジタルでないと難しいとは思いますが・・・)という夢も抱かざるを得ません。これらは将来の夢として楽しみにとっておきたいと思いますが、できましたらまた50年後とは言わず、近い未来で実現していただけたら嬉しいですね。