動画の4:11から『アイズ ワイド シャット』吹き替え時の苦労話をされています。



〈前略〉

 森川智之さんは、トム・クルーズの吹替えでも有名なのですが、そのきっかけになったのが、スタンリー・キューブリック監督の『アイズ ワイド シャット』という映画でした。キューブリック監督は、生前、日本語吹替え版の製作を認めていなかったそうです。

 亡くなられたあと、世界中でキューブリック作品をソフト化して売る際に、遺族の許可が出たことによって、はじめて日本語吹替え版が作られることになり、主演のトム・クルーズに声をあてるオーディションに合格したのが森川さんでした。

 この現場が、ものすごく厳しいものだったことを森川さんは振り返っています。

 2時間から2時間半の映画の吹替えを収録するとき、僕らは10時に集まり、お昼休憩をはさんで20時から21時くらいには終わることが多い。遅くなる場合があっても、せいぜい一日がかりです。

 しかし、『アイズ ワイド シャット』は僕だけで1週間かかりました。もちろん1週間といっても、丸々一日収録した日もあれば、他の仕事の都合で5時間しか収録できない日もありました。ただ、5時間かけて台本1頁しか進まなかったり、前回の収録が気に入らないからといって同じ時間をかけて撮り直したりということもありました。

 レオンはアクターズスタジオで学んだ役者でもあります。だからか、僕に対しても同じ役者として接していました。そして、要求もとても高度なものでした。

 一般的にはスタジオの中にマイクが三本ほど立てられていて、三、四人で同時に収録するんですが、『アイズ ワイド シャット』では一人ずつ、しかも動きを交えての収録でした。吹替えの声優は声だけを演じればいいのがふつうですが、ここではそうじゃないんです。ベッドシーンだとスタジオにベッドが置いてあり、トムと同じような格好をしてセリフを話すんです。ベッドに横たわり、映像を見て、マイクに向って話す。いくつものことを同時にやらなくてはいけなくて。僕はしまいにセリフをすべて覚えてしまいました。覚えないとできなかったからです。

 セリフをしゃべると、レオンが言うんです。

「おまえ、今何を考えてしゃべったんだ」


〈以下略〉

(全文はリンク先へ:BLOGOS/2018年5月12日




 ここに登場する「レオン」とは、キューブリックのアシスタントを長年務めたレオン・ヴィタリのことですが、何もここまで・・・(笑。という感じですね。森川氏はこの経験がよっぽど堪えたのか、ことあるたびにこの経験をインタビューなどで応えていますが、「ちょっとレオン張り切りすぎじゃないの?」という気がしないでもないですね。

 レオンがこのアフレコに参加したことによる最大の功績は、ラストシーンのキッドマンのセリフの変更で、上映時は「セックスよ」だった訳が現在のDVD/BDでは「ファック」に変更になっています。管理人個人の解釈ですが、これはダブルミーニングだと思っているので、この変更はそれを裏付けるものだと重要視しているのですが、一般的にはあまりそう思われていないようです。ちなみに上映時の字幕を担当したのは戸田ナントカとかいうよく知らないおばさんです(笑。

 記事は「声優には国語力が必要」とまとめられていますが、「教科者」って何でしょうね?おそらく「教科書」の間違いなんでしょうけど、子供たちの国語力云々以前に、現在の大人たちが書くネット記事の「校正不足」「リサーチ不足」「考察・検証能力不足」の方がよっぽど問題です。少なくとも記事を書いてお金をもらっているライターや編集者さんには、素人ブロガーに突っ込まれないレベルの、正鵠を射た、責任ある記事を書いてほしいものです。


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