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所有者であるコヤスさんから送られれてきた画像の中の1枚。



 『アイズ ワイド シャット』でビル・ハーフォード(トム・クルーズ)が例のパーティーのシーンでつけていたマスクですが、これはベネチアのマスク店「Il Canovaccio」のマスク職人フランコ・チェカモアが1985年に制作したものを、1997年にロンドン・カムデンタウンのマスク店「Joka Masks」で当時『アイズ…』の衣装デザインを担当していたマリット・アレンが入手したものです。その後、プロデューサーのヤン・ハーランが何度かベネチアの「Il Canovaccio」に直接赴き、映画に使用した他のマスク(マンディや赤マントのマスクなど)を含めたいくつかを購入していった、という経緯だそうです。



 上記の動画の記事によると、マスクの型のモデルはガビ(ガブリエル・ジャリッツ)という当時28歳の女性だったため、クルーズが鼻のサイズが合わないと不満を漏らしていたそうです。1998年1月にキューブリックは入手した「Joka Masks」に電話をし、それを修正できるか尋ねましたが不可能だということなので、クルーズの顔を石膏の型にとって仮面を作り直すことを検討しました。しかしそれは実行されなかったので、クルーズはサイズの合わないマスクをつけたまま撮影を続行したのでしょう。

 動画の説明文には「マスクは当時2つ制作された」という記述がありますが、それをマリット・アレン(ロンドンで2つとも入手した?)、もしくはヤン・ハーラン(ヤンが残りのひとつをベネチアで入手した?)が購入したとすれば、撮影用に準備されたものは最低でも2つある(キューブリックがさらに予備を「Il Canovaccio」に作らせた可能性もなきにしもあらず)ということです。その内のひとつは現在世界を巡回中の『スタンリー・キューブリック展』で展示中なので、もうひとつはどこかに存在することになります。

(ヤンは以前「ベネチアまでマスクを買いに行かされた」と愚痴っていたので、キューブリックはアレンがロンドンで見つけてきたマスクを気に入り、その予備が欲しかったか、もしくは誰かに買われるのを嫌がってヤンをベネチアに行かせたのではないか、というのが管理人の推測です)

 さて、今回コヤスさんが入手した仮面ですが、「私が入手したのはハリウッドの方からでして、実使用とは言われていないのですが、確かに撮影用に用意されたマスクのいくつかの一つとききました」とのこと。また添えられているメモなどを見ると、その証言を裏付けるようにT.C.(トム・クルーズの略?)、さらに裏面にははっきりと「BILL-CRUISE」「CRUISE」と書かれています。また(B)との記述が撮影用マスクの二つ目(予備)である可能性を示唆しています。更に言えば、仮面の裏にスポンジが貼られていますが、これは「鼻のサイズが合わず不快」と述べていたクルーズの不満に対応するため、仮面を少し浮かせて装着できるようにスタッフが貼った可能性があります。以上の点から素人判断ですが、かなりの確度でこの仮面は本物と考えて良さそうです。また、コヤスさんはクルーズがまとっていたマント(こちらも予備?)も入手されたそうです。

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 ちなみにこのマスクは「Bill Face」として現在も制作されていて、マスク専門サイト「kartaruga」にて165,00ユーロ(約2万2千円)で入手可能です。もしコヤスさん所有の仮面が本物の撮影用の小道具と正式に認定されたなら、クルーズが触れた(つけた)可能性が高いですし、マントと合わせるとこの価格の数十倍出してでも「欲しい!」という人はいるでしょう。そうなれば某TV局の「鑑定団」に出演できるレベルの、キューブリックファン、トム・クルーズファン垂涎のレア度ということになります。どちらにしても素晴らしいアイテムです。大切に保管なさってください。

情報・画像提供:コヤス様

▼この記事の執筆に当たり、以下の記事を参考にいたしました。
EYES WIDE SHUT MASKS