spartacuscross

 『スパルタカス』のラストシーン、当時史実ではスパルタカスがどのように死んだかよく分かっていなかったため「アッピア街道に磔になり、その前で自由になったヴァリニアは子供を掲げる」というけ結末が創作された。(現在はシラルス川の戦いで戦死したというのが定説になっている)ただ、あからさまにキリストの磔や受胎を思わせるようなシーンに、キューブリックは当初は磔になったスパルタカスの姿をまるまるカットしていた。それを見たカークは激怒、椅子を投げつけて周囲に怒鳴り散らしたという。

 キューブリックは善悪の二元論やありきたりなヒーロー像を好まない。キューブリックはカークが怒るのを承知の上でカットしたフィルムを見せた。それはキューブリックの思い通りにならなかった本作へのせめてもの抵抗だったのかも知れない。それは次作『ロリータ』でのこの台詞にも表れている。