『シャイニング』でジャックが斧でトイレのドアをぶち破って言う一言。元ネタはアメリカの人気バラエティ番組『ザ・トゥナイト・ショー』で、司会者ジョニー・カーソン(2005年1月没)を迎える番組冒頭のナレーション。深夜番組でゲストは俳優やミュージシャンが多かったそうだから、日本で例えるならさしずめ『笑っていいとも!』の深夜版といった感じでしょうか?となると、字幕の「お客さまだよ!」はちょっとおかしい。「おコンバンワ!」でも「ジョニーだよおおおん!」でもしっくり来ない。人気司会者をコールするナレーションなので、「さあ、ジョニーのおでましだ!」とか「ジョニー登場!!」といったニュアンスになるはず。

 実際のジョニー・カーソンは優しい印象の紳士なので、「ジョニーのおでましだ!」なんて言っておきながら狂ったニコルソンが不気味な微笑みをたたえて登場する、という所がこのシーンの異常性を印象づけているのでしょうけど、「Here's Johny!」と言われてジョニー・カーソンの顔が思い浮かばない日本人にとっては意味不明。しょうがないから苦肉の策で「お客さまだよ!」という訳が当てられたんでしょう。

 因みにキューブリックはイギリス暮らしが長かったので、この元ネタを知らなかったそう。知っていたら採用していたかどうか・・・ちょっと微妙な所ですね。