2018年06月

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 UFO追跡や超常現象研究でおなじみの矢追純一氏が、『シャイニング』を撮影していたエルスツリー・スタジオを訪問するドキュメンタリーの未編集動画がYouTubeにアップされていたのでご紹介。撮影時期はロンドンで『シャイニング』『エレファントマン』が公開されていること、服装が秋っぽいことから1980年秋(10月以降)〜冬だと思われます。

 この取材は「『シャイニング』制作中に火災などの事故が多発したのは超常現象のせいではないか?」という切り口で、矢追氏を現地に向かわせ突撃取材を敢行!という企画だったそうですが(いかにも『11PM』らしいノリ。笑)、そんな番組スタッフの思惑は見事に空回りし、単なる『シャイニング』の制作舞台裏取材に終始しています。矢追氏の超常現象やUFOなどの質問が浮いているのはそのせいのようです。

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 取材はまずエルスツリー・スタジオの訪問シーンから。ワーナーの広報担当ジュリアン・シニアが出迎えてくれます。

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 ジュリアンがもったいぶりつつ『シャイニング』のTVスポットを見せてくれます。これは不採用シーンが含まれたもので、それは以前この記事でご紹介しています。

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 撮影ステージに案内されますがセットは撤去されたあとです。新しいセットの立て込みが始まっているようです。「ここはホール(コロラドラウンジ)だった」とジュリアンは説明しています。セット火災の状況も説明しているようです。コロラドラウンジは全焼しましたが、けが人はいませんでした。その記事はこちら

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 『シャイニング』の外国語版プリントの作業中。ここはおそらくキッチンのセットが組まれた部屋でしょう。

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 キューブリックの三女、ヴィヴィアン登場。編集作業をしていたようです。

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 ヴィヴィアンが倉庫を案内します。その倉庫は『シャイニング』の食料倉庫だった場所。シェリー・デュバルの衣装や、『2001年…』で使用されたフロント・プロジェクション用のポジフィルム(『人類の夜明け』のシークエンスはエルストリーで撮影された)、『バリー・リンドン』で使用されたF0.7レンズなどを紹介しています。

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 ヴィヴィアンがどの部屋がどのシーンで使用されたか、フィルムを見せながら説明しているところ。

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 『シャイニング』のポスターやスチール写真が置かれたキューブリックのオフィス。肝心のキューブリックは不在ですが、ひょっとしたらTVカメラを避けてどこかに隠れてしまったのかも(笑。

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 矢追氏がキューブリックへ電話インタビューをしているシーンです。『シャイニング』のラストシーンについては「リ・インカーネーション(転生)」、『2001年』のラストシーンについては「純粋なエネルギー」「人間動物園」「超存在」「超人間」などの言葉が聞こえてきます。電話のノイズで非常に聞き取りづらいのですが、ラストシーンの意味を丁寧に説明をしてくれているようです。内容は以前この記事でご紹介したインタビューと同じだと思われます。ただ、矢追氏の超常現象やUFOの質問については真意を測りかねたらしく、困惑したような回答も。矢追氏も電話を切った後でなんとも言えない表情をしています。キューブリックは日本の取材班の相手をヴィヴィアンに押し付けて雲隠れしているように思えます。電話の冒頭で「探したよ、スタンリー」と言われたちゃっていますので。

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 ヴィヴィアンへのインタビューシーン。映画制作についてや姉妹の話、父母の馴れ初めの話、『メイキング・ザ・シャイニング』の制作の話など。超常現象取材班としては「使えないなー」と思ったことでしょう(笑。

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 エルスツリー・スタジオの全体図です。矢追氏らスタッフが訪れたのは画像下の車が一列に並んだ建物の玄関から入って、その建物の裏口から撮影ステージに向かい、ホテルキッチン(動画では作業所と倉庫)とコロラドラウンジのセットが組まれたステージの部分(ステージ2〜3)だけですね。それでも撮影所内部の映像は貴重です。

以下は動画のチャプターリストです。

00:00 導入シーン。ロンドン中心部からEMI エルスツリー・スタジオ(ボアハムウッド)へのドライブ
04:14  EMI エルスツリー・スタジオに到着
07:07 ジュリアン・シニア(ワーナー・ブラザーズ)との会合
12:16 ジュリアン・シニアと撮影スタジオへ案内、制作の詳細
18:30 プロダクションオフィスに戻る。撮影シーンの詳細
23:00 ビビアン・キューブリックと会い、シャイニングのドキュメンタリーを語る
27:20 ビビアン・キューブリックが「キューブリック倉庫」を紹介
31:50 『バリー・リンドン』で使用された有名なツァイス社 F / 0.7 NASAレンズの紹介
34:00 キューブリックの倉庫
36:15 『2001年宇宙の旅』関連資料(フロントプロジェクション用のスライド)
38:04 キューブリックの事務所
41:40 編集テーブルにてヴィヴィアン・キューブリックへのインタビュー
45:24 キューブリックへの電話インタビュー
55:45 ヴィヴィアン・キューブリックとのインタビュー
1:15:26 エルスツリー・スタジオスタジオの外装
1:16:35 エンディング。ロンドン中心部、ソーホーへドライブ
1:22:57 ABCシネマがあるシャフツベリーアヴェニュー(『シャイニング』のポスターと看板)

 このビデオはUFO研究家のウェンデル・スティーブンス氏(故人)所有のものだったそうです。『シャイニング』(国際版)の日本公開は1980年12月13日。『11PM』でのオンエアは映画公開に合わせてのもの(12月12日辺りだと推測)だと思いますが、キューブリックがこうして映画の舞台裏を公開するのは異例。それだけ「『シャイニング』は何が何でもヒットさせるぞ!」と意気込んでいた表れだとは思いますが、逆に『バリー・リンドン』の興行的失敗がよほど堪えていた、とも言えます。

 動画を見た感想ですが、キューブリックファンにしてみれば当時のTVスタッフの頓珍漢ぶりに「わざわざキューブリックに会いにイギリスまで行って恥を晒すなよ!」と言いたくもなるのですが、まあ今も昔もTV番組なんて所詮そんなもの。キューブリック作品制作の舞台裏映像がどれほど貴重かはファンの方ならよくご存知のはず。当時のスタッフが「使えない」と切り捨てた映像の方が価値があるという皮肉な結果も、今となっては感謝するしかないですね。
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イギリス・セントオールバーンズにあるキューブリック邸の一室に設けられたジャケット・レコードのスタジオと、ジャック・ホッブスのインタビュー。




 キューブリックの義長女(クリスティアーヌの連れ子)、カタリーナ・キューブリックはフィリップ・ホッブスと結婚(現在は離婚)し、三人の子供をもうけました。長男アレックスは『アイズ ワイド シャット』でトム・クルーズの患者の少年役して出演していますが、次男ジョーはゲームデザイナー、そして三男のジャックはミュージシャンを目指しましたが挫折し、現在はインディーズレーベル「ジャケット・レコード(Jacket Records)」を立ち上げキューブリック邸内にスタジオを開設、プロデューサー兼ミュージシャンとして活動しているそうです。

 詳細はウェブサイトがありますので、そこで見ることができますが、MVの制作も行っているようで、以下のMVのロケ地はキューブリック邸内です。


Hope - Sanctuary (Strings version) | Live


Seb Wesson feat. Hope - Deep Water (Live in the Library)

 肝心のジャック本人の動画ですが、再生数がこれでは寂しい限り。でも顔が母親(カタリーナ)にそっくりですね。



 キューブリックの孫といえば、次女アンヤの息子、サム・キューブリック=フィニーはデスメタルバンド「シールズ」のボーカル兼ギタリストとして活動中。同じキューブリックの孫として、負けずに頑張って欲しいものです。


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『トレインスポッティング』でのユアン。曲はルー・リードの名曲『パーフェクト・デイ』。とても美しい、絶望の日。

 スティーヴン・キング原作で、1980年にスタンリー・キューブリック監督、俳優ジャック・ニコルソン主演で映画化もされた『シャイニング』。その続編となる原作『ドクター・スリープ』の映画化で、俳優ユアン・マクレガーが大人になったダニー・トランスを演じる可能性が出てきた。

〈以下略〉

(全文はリンク先へ:クランクイン!/2018年6月14日




 オビ・ワン・ケノービがダニー・トランスですか。IMDbにはもう情報が載っていますね。「ヤク中」役でブレイクしたユアンが「アル中」を演じるということですね。悪くないチョイスだと思います(笑。監督はマイク・フラナガンで決定のようですね。期待しましょう!
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IP
Ivor Powell(IMDb)

 ・・・ということだそうです(笑。

 『2001年…』で何一つ見せ場がなく、セリフを言うどころか身じろぎもせず、目を開けることもなく死んでいったカミンスキー博士ですが、この役を演じたのがアイバー・パウエルという方です。IMDbによると俳優ではなかったようで(キューブリック作品にはよくあるパターン)おそらく当時のスタッフか関係者でしょうね。その後アソシエイト・プロデューサー(製作補佐)に昇格し、『エイリアン』や『ブレードランナー』を担当するのですが、wikiの『デッカードブラスター』のデザインの欄に

デザインのイメージを固めるため、ルイスとアソシエイトプロデューサーのアイバー・パウエル(Ivor Powell)は当時最先端とされる銃の資料を集めてデザインの参考とし、更にR・スコットと共にロスアンゼルスの銃砲店を廻った。ルイスはそのうちの一軒で見かけた、銃身と機関部のみの状態で展示されていたオーストリアのシュタイヤー・マンリヒャー(Steyr Mannlicher)社製ボルトアクションライフル、 .222 モデル SLに目を留め、これを改造して使うことをスコットに提案し、これが後によく知られる“デッカードブラスター”の元となった。

という記述が見つかります。なんとこんなところで活躍していたんですね。

 『ブレードランナー』とキューブリック作品のつながりといえば、劇場公開版のラストシーンの空撮が『シャイニング』のオープニングの流用とか、脚本を担当したハンプトン・ファンチャーが、『ロリータ』を演じたスー・リオンの元旦那とか、小ネタがいくつかありますが、それにまたひとつネタが加わりましたね。

 でも、こんな話、飲み会なんかで披露してもドン引きされるだけなので、みなさまの胸の中のみしまっておくことをお薦めいたします(笑。
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 最近L'Arc-en-Ciel、VAMPSのHYDEが『シャイニング』を大々的にオマージュしたMV『WHO'S GONNA SAVE US』を発表して話題になっていましたが、世界では『シャイニング』はすでにMVの定番ネタになっています。その「シャニングオマージュMV」をいくつかご紹介します。



サーティー・セカンズ・トゥー・マーズ/ザ・キル(Thirty Seconds To Mars - The Kill (Bury Me))

 俳優でもあるジャレッド・レトが兄弟らと結成したバンド。2005年に発表されたセカンドアルバム『ア・ビューティフル・ライ』 からの曲。数あるオマージュPVの中で管理人はこれが一番好きです。監督はそのジャレッド・レト。



スリップノット/スピット・イット・アウト(Slipknot - Spit it out)

 アメリカ・アイオワ州出身のヘビメタ・ミクスチャーバンド、スリップノットが2000年に発表したセカンドシングル。メンバーに死者がでるなど、やたらトラブルの多いバンドですが、現在も元気で活動しているようです。



マッシヴ・アタック/カマコマ(Massive Attack - Karmacoma)

 イギリス・ブリストル出身のユニットが1994年に発表したセカンドアルバム『プロテクション』収録曲のPV。監督はジョナサン・グレイザー。



イマジン・ドラゴンズ/トップ・オブ・ザ・ワールド(Imagine Dragons - On Top Of The World)

 サマソニに来日経験もあるイマジン・ドラゴンズ、ワールドミュージック系オルタナという感じでしょうか。2013年に発表したシングル曲『On Top of the World』のMVです。『シャイニング』の他に『2001年…』やビートルズネタも。



ジャック・ホワイト/ウッド・ユー・ファイト・フォー・マイ・ラブ?(Jack White - Would You Fight For My Love?)

 元ザ・ホワイト・ストライプスのギター兼ボーカリスト、ジャック・ホワイトが2014年に発表したセカンドソロアルバム『ラザレット』から『ウッド・ユー・ファイト・フォー・マイ・ラブ?』のMV。ジャックとロイドのバーシーンにインスパイアされたものになっています。つまり「ジャックがジャックを演じてます」ってことですね。



スティグ・オブ・ザ・ダンプ/キューブリック [ft. ジェスト](Stig Of The Dump - Kubrick [ft. Jehst])

 イギリスのヒップホップ・アーティスト、スティグ・オブ・ザ・ダンプの『キューブリック』というそのまんまのタイトルの曲が、やっぱりそのまんま「キューブリックネタ満載」のMVでした。途中でチラっと映る「Here's Johnny!」とハートマン軍曹は多分ジェストでしょうね。



アークティック・モンキーズ/フォア・アウト・オブ・ファイブ(Arctic Monkeys - Four Out Of Five)

 今年リリースされたアークティック・モンキーズのアルバム『トランクイリティ・ベース・ホテル・アンド・カジノ』のリード・トラック。監督はアーロン・ブラウン&ベン・チャペル。ホテルの部屋や廊下、鍵などあちこちに『シャイニング』要素がみられますが、MV全体がキューブリック作品のオマージュになっています。ロケ地は『バリー・リンドン』でリンドン家の邸宅の外観として使用されたカースル・ハワード。



RADWIMPS/五月の蝿

 昨年大ヒットした『君の名は。』のエンディングテーマ『前前前世』で大ブレイクしたRADWIMPSが2013年に発表した『五月の蝿』のMV。血のエレベーターがそのまま登場し、なるほど『シャイニング』ですね。


 以上ですが、世界中ではもっとあると思います。もし何か他に情報がありましたら掲示板までおしらせください。
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