2017年01月

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 プレスリリースによりますと、

 『スタンリー・キューブリック展』は、キューブリックの素晴らしい映画世界の展示会で、全国で一年に渡って行われる一連のイベントとフェスティバルの集大成です。フェスティバルはキューブリックに関する特別上映、コンサート、教育、インスタグラム、討論が、全国の映画館、図書館、コンサートホールで行われ、それに皆様をご招待いたします。

だそうです。

 メインとなる『スタンリー・キューブリック展』はデンマーク・コペンハーゲンのアートギャラリーKUNSTFORENINGEN GL STRANDで2017年9月23日から2018年1月14日まで。となると、日本での開催は今年もなさそうですね。泣。

 オフィシャルサイトはこちら。これまでの開催地リストはこちら
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 NASAの商用有人宇宙船開発計画の一環として、地球と国際宇宙ステーション(ISS)の間を往復する宇宙カプセル「商用有人宇宙船CST-100スターライナー」の開発を手がけるボーイングが、スターライナーの乗組員向けの新型宇宙服を公開しました。青を基調とした宇宙服は、映画「2001年宇宙の旅」で登場した宇宙服のデザインに似ているという声もあがっています。

〈以下略〉

(全文はリンク先へ:Gigazine/2017年1月26日





 うーん、似ているとか似ていないとかの問題ではない気がします。『2001年…』以前では、制作当時の未来感(今でいうレトロ・フューチャー感)を反映したデザインが多かった気がしますが、キューブリックはNASAとコネができたのをいいことに、当時の宇宙計画の最新の情報をリアルタイムで入手、その現実のデザインに未来予測を付け加える形でプロップを制作しました。

 この宇宙服も現実の宇宙開発の様々な条件を反映したものである以上、同じようなデザインに行き着くのは自然な成り行きなので、なんでもかんでも『2001年…』に絡めて記事にしなくてもいいような気がします。ルーツは同源なので似るのは当たり前の話ですしね。
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Stanley Kubrick’s Former French Holiday Home Comes Up for Sale

SELLER: Christiane Kubrick
LOCATION: Domme, France
SIZE: (approx.) 4,300 square feet, 7 bedrooms, 5 bathrooms
PRICE: €1,485,000 / (approx.) US$1,575,000

(全文はリンク先へ:VARIETY/2017年1月18日




 キューブリックがフランス・南西部のドルドーニュ地方に持っていた別荘(約400屐⊃下7、バスルーム5)が売りに出たそうです。出不精で旅行嫌いのキューブリックが海外に別荘を持っていた事実に驚きましたが、これはクリスティアーヌのたっての希望だったのかもしれません。それに、以前から見かけていた写真で、どう見てもセント・オールバンズの自宅に見えないこれら写真が写された場所が特定できました。フランスの別荘での写真だったんですね。

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写真の赤ちゃんがキューブリックの実孫、サムだとすると、撮影されたのは1990年代の始め頃だと分かります。キューブリックの老け方を見ると、その頃と考えて間違いなさそうです。キューブリックの次女アンヤや、三女ヴィヴィアンの姿も確認できます。

 ところで、飛行機嫌いのキューブリックがフランスへの旅行で飛行機を利用したとは思えません。英仏海峡を渡るユーロトンネルの開通は1994年ですが、人目を避けたいキューブリックが電車を利用したとは考えにくい。とすれば、一家がまとまって車で移動したと考えるのが自然で、英仏海峡はフェリーで渡ったのではないでしょうか。ロンドンからドルドーニュ地方まで約1000kmですから、フェリーと高速道路を使えば10〜12時間程度で移動できます。キューブリックがクリスティアーヌに「別荘は自宅から車で1日で移動できる範囲内で」という条件を出したのなら、ドルドーニュ地方がギリギリの距離になります。たとえクリスティアーヌが地中海側の南仏を希望したとしても、キューブリック的にはNGでしょう。自宅大好きのキューブリックが移動のためにホテルに一泊、なんて許しそうにありませんので。

 映画製作しか興味がなく、出不精のキューブリックがこの別荘を利用した頻度はかなり少ない気がします。三人の娘が小さい頃はカリフォルニア〜ロンドン〜ニューヨーク〜ロンドンと移動続きだったので、引越し自体が旅行のようなものでしたが、ロンドンに定住後にできた孫の存在がキューブリックに別荘の取得を思わせた(許可した)のかもしれません。別荘で孫と戯れる写真の中のキューブリックは幸せそうですからね。そのキューブリックも次女も死去し、孫も独立(ヘビメタバンドでギター弾いてます。笑)した現在、この別荘を所有し続ける理由もないでしょうし、ハバナ文書のリークもあって、クリスティアーヌは別荘の売却を判断したのではないでしょうか。

 売値は1,485,000ユーロ(157万5,000ドル=約1億8千万円)。熱心なキューブリックファンが買うのでしょうか?それとも全く関係ないどなたかなのでしょうか?興味は尽きないですね。
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スーパートイズ (竹書房文庫)(amazon)


 キューブリック原案、スピルバーグ監督の映画『A.I.』の原作(というより、ほんのプロローグ)と、キューブリック逝去後に書かれたその続編2編が収められた短編集。『スーパー…』は映画化に際して多少の改変がされていますが、基本はそのままなので特に論評は必要ないでしょう。『スーパー…』は(悪本の見本のような)この本で翻訳され読んでいたので、この単行本には興味がなかったのですが、著者ブライアン・オールディズよるキューブリックとの創作の日々を記した記録『スタンリーの異常な愛情』が読みたくて今回改めて入手しました。

 ここに書かれているのはクラークやラファエルと同じく、キューブリックの強大な力と個性に振り回される哀れな小説家の姿です。そして他の作品と同じく「台詞は重視しない」「ストーリーは重視するが、その語り方は原作者や脚本家の意思を排除する」「物語を各セクションに分割し、それをつなぎ合わせる」というキューブリック独自のアプローチ法です。そこには「素晴らしいストーリーさえあればあとは撮影や編集、音楽で自分の好きなように映画にできる」「そのためには他人の余計な意思や意図の存在しない、極力シンプルで飾り気のない脚本が欲しい」というキューブリックの本音が見え隠れします。

 通常の映画監督は脚本や絵コンテの段階でほぼイメージを固め、撮影はあくまでそれを具体化する作業に過ぎません。「一発OK」と良しとする日本の映画界はまさにこれですし、早撮りで有名なスピルバーグもこのタイプです。それに対しキューブリックは撮影を「もう一つの創造の場」とし、撮影現場でのアドリブを推奨し、そこで起こるさまざまなやアイデアの発露を見極めてから良質のものだけを大量に撮影する監督です。だからこそ撮影に時間がかかるのだし、俳優やスタッフの拘束時間も長くなるのです(結果的に完成までの時間も・・・笑)。

 こういったキューブリック独自の映画制作法を知りもせず、前者の通常の方法論で作られたと勘違いしてキューブリックを批判する論調(映画監督は管理能力も必要だ。撮影が際限なく延期するのはキューブリックに現場管理能力がないからだ・・・云々)をたまに見かけますが、勉強&知識不足も甚だしいと言わざるを得ません。映画監督によって多少の方法論の違いはまちまちでしょうが、キューブリックは全く独自の方法論を採用していました。だからこそキューブリックは分業と因習と権利意識に縛られたハリウッドで映画を撮ろうとしなかったのです。

 この『スタンリーの異常な愛情』には、ラファエルの『…オープン』と同じく、キューブリックにやられっぱなしだった実際に対して、文章上でやりかえしている姿もまま見受けられます。他人のプライドを傷つけることをものともせず、自我を押し通すキューブリックの圧倒的な支配力を感じさせますが、それは同時にキューブリックが抱え込んだ「プレッシャーの大きさ」も感じさせます。キューブリック存命時代をご存知の方なら、これほど世界中で次回作が期待され、話題にされた映画監督は他にいなかった事実を知っているはずです。その名声の大きさは「ミスター・ミツビシ」に名前だけでコンタクトを取るエピソードに象徴されています。オールディズは自身を「キューブリックの触手のひとつ」として卑下していますが、その触手は忘れられても本体(キューブリック本人)は忘れられることはないのです。むしろその触手に選ばれたことを(かなりの困難はあったにせよ)誇るべきだし、今となっては誇ってもいるようです。
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Leonard(IMDb)
Leonard of Mayfair(wikipedia)

Remembering Leonard of Mayfair, Stylist for Stanley Kubrick and The Beatles

(全文はリンク先へ:Forward/2016年12月2日




 『2001年宇宙の旅』や『時計…』などのスタッフに名を連ねるこのレナード(オブ・メイファー)については長い間よくわかっていませんでしたが、顧客にビートルズやミック・ジャガー、オードリー・ヘップバーン、そしてかのツィッギーのベリーショートのヘアスタイルを考案するなど、どうやら有名なヘア・スタイリストだったようです。

 本名はレナード・ルイスと言い、映画でのキャリアはハマー・フィルム・プロダクションの一員として始まりました。最初に担当した映画は『2001年…』でしたが、次作の『時計…』では、キューブリックがかつらではなく実際のヘアカットを希望したため、頭の側面が剃られ、中央の部分が盛り上がって派手に色付けされたパンク・モヒカンの先駆的なヘアデザインを考案しました。『バリー…』ではライアン・オニールとマリサ・ベレンソンのかつらを制作、『シャイニング』『フルメタル…』もヘア・スタイリストを担当したそうです。

 1938年6月15日イギリス・ロンドン生まれ、1988年に脳腫瘍を発症し引退、2016年11月30日死去。享年78歳。
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