2015年12月

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 ファンたちが映画への思いを自由に描く「オルタナティヴポスター」。公式でないからこそ、アーティストたちは何にも縛られることなく、思い思いのアイデアをポスターにのせることができる。そんなオルタナティヴ・ポスターをひとつにまとめた画集から、厳選された16作品をご紹介。

(以下リンク先へ:WIRED/2015年12月28日




 以前この記事でキューブリック作品におけるファンアートの盛り上がりをご紹介しましたが、こういった二次創作(日本ではこちらの表現が一般的ですね)の分野でキューブリック作品が取り上げられるのは半ば定番と化しています。改めてその影響力を感じさせますね。

 上記の『シャイニング』のファンアートを制作したのはTomer Hanukaというアーティストで、ホームページには独立してキューブリックのページが設けてあるあたり、かなりのファンである事が伺えます。タンブラーで作品をよく見かけていましたが、某アニメスタジオの作風にも似たタッチは、日本人にも馴染みやすいですね・・・と思ったら、Q&Aのページ横尾忠則の名前が(笑。出どころが一緒じゃ似るわけです。
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The Overlook Hotel From ‘The Shining’ Gets Turned Into a Gingerbread House

(以下リンク先へ:BLOODY DISGUSTING/2015年12月24日




 クリスマス時期らしい話題です。海外ではクリスマスにはジンジャー人形を作ってツリーに飾る、というのが一般的ですが、それを駆使して『シャイニング』のオーバールック・ホテルをお菓子の家でまるまる再現したという記事が話題になっています。

 画像ギャラリーを見ると、映画のシーンを家の内部や迷路に再現していてなかなか凝った作り。それなりに手間と時間がかかっている印象です。「お菓子の家」といえばヘンゼルとグレーテルで有名な夢のあるお話ですが、こちらの家は最悪な「悪夢」。でもそのギャップが面白いといえば面白いですね。

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 「Today is X'mas!」と軍曹もおっしゃっている通り、ネット上では毎年この時期になると様々なクリスマスネタで騒がしくなりますが、嫌味ったらしくこの歌を歌い、「サー、イエッサー!」で締めくくるのも一興かと(笑。

 ハートマンがクリスマスにこの歌を歌うのは、海兵隊がイエス・キリスト同等の存在であることを誇示するためなのですが、戦争なんてどこ吹く風でクリスマスを祝う銃後に対しての当てこすりにも聞こえます。原作では歌のシーンはなく、ジョーカーが「軍曹はわれわれに対し、海兵隊は神の生まれる前から存在したのだ、と確言する」と語るだけですが、それをこんな「的確な歌」で表現するキューブリック(ひょっとしたらリー・アーメイのアイデアかも)の皮肉屋っぷり・・・大好きです(笑。
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スパルタカス [Blu-ray]


 「赤狩り」とは1950年代にアメリカを席巻した、隠れ共産主義者をあぶり出して公職から追放する運動の事です。キューブリックは共産主義者ではなかったため直接関係ありませんでしたが、かといって無関係でもいられまかったのが『スパルタカス』の1950年代という時代です。なにせ脚本がその赤狩りでハリウッドを追放された10人、俗にいう「ハリウッド・テン」の内の一人、ドルトン・トランボだったのですから。

 トランボは反戦主義者と知られていて、有名な『ジョニーは戦場へ行った』では戦場の悲惨な現実と負傷兵の悲劇的な末路を描いて高い評価を受けていました。ただ、この反戦主義的な思想は、戦争を有力な外交手段と位置づけ、国益の為には武力の行使を躊躇しないというアメリカの伝統的な保守思想とは相容れず、反戦=反米的=共産主義者という短絡的な図式の元に危険視されていました。困った事に、この「短絡的図式」があながち的外れでもなかった事が事態を混乱させてしまいます。実際トランボはアメリカ共産党の党員でした。

 1950年代は米ソの冷戦構造のまっただ中という事もあって、共産主義者=ソ連のスパイという認識が広がって行きます。そうした中、ソ連の影響力がアメリカ国内どころか政治の中枢にまで及んでいる事を危惧した共和党のマッカーシー議員が「赤狩り」を始め、その運動をヒステリックに全米中に拡散して行きました。こういった思想的な問題は共産主義陣営に比べて自由主義陣営は極めて不利になります。何故なら「思想的自由を守る」という建前の自由主義国家では、完全には共産主義思想を排除できないからです。その点問答無用で粛正できる共産主義国家は、この思想統制という点ではかなり有利です。

 その「思想的自由」という価値観を信頼しているアメリカ国民は「共産主義者にだって自由はある」と、赤狩りによって追放された人たちを擁護するようになりました。それを主導したのは共和党と敵対する民主党や、思想や報道の自由(共産主義を標榜する自由も)を堅守したいマスコミでした。そしてハリウッドも表向きは赤狩りに協力しつつも、表現の自由を堅守したい内実もあり、彼らに対して同情的でした。実際ハリウッドを追放中だったトランボも、変名を使ってハリウッドから仕事を受け続けていました。またアメリカ国民も彼らを「ハリウッド・テン」と呼び、英雄視したのです。

 そんな赤狩りの影響も下火になりつつあった1950年代後半、『スパルタカス』の製作はスタートしました。そもそも、それまでは単なる反逆者としてしか扱われていなかったスパルタカスを再評価したのは他でもないマルクスです。もしかしたらトランボはこの「赤狩り」という強大な力に抵抗し続ける自分自身をスパルタカスに重ね合わせていたのかも知れません。

 現在『スパルタカス』を観ても共産主義的な思想はほとんど感じられません。今の観客には単に反乱と挫折の物語として映るでしょう。しかしこの時代『スパルタカス』を映画化する事はすなわち「マルクスが評価した反乱軍の英雄譚」を映画化する事でした。ところが当のキューブリックは反戦や共産主義などという矮小な思想には微塵も染まっていませんでした。キューブリックにとってこの「共産主義」というあまりにも理想主義過ぎる思想を標榜する題材や、それを頑に信じる脚本家との仕事が満足いく物になるはずがなかったのです。

 キューブリックがハリウッドを去った理由の一つに、このハリウッドの思想的な閉鎖性があるのではないか、と考えています。キューブリックは右や左といった思想には興味がないどころか、どこか小馬鹿にしたようなところがありました。それは『博士…』や『時計…』、『フルメタル…』に見て取れます。そんなキューブリックの態度に「左寄り」なハリウッドがアカデミー賞を贈るはずがありません。『2001年…』の特殊視覚効果賞受賞は、そんなハリウッドが「お前さんにはこれくらいで十分だ」と当てつけをしたようにさえ思えてしまいます。

 共産主義の理想が瓦解した現在、こういった認識は完全に時代遅れです。ただ、キューブリックが映画制作に邁進していた時代は、完全にこの時代と重なっています。キューブリック自身はそんな思想に無関係であっても、キューブリック作品を論じた当時の論評には、そういった思想性が多少なりとも反映されているものがある、と意識して見なければならないと考えています。
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 突然の死の翌日の1999年3月8日にオンエアされたBBCのニュース番組で、キューブリックの生涯を簡単にまとめたVTRの後に、映画評論家のジョン・マリオットがキューブリック作品を解説している動画です。

 この日を鮮明に覚えていらっしゃる方も多いかと思いますが、死因は当初「心臓発作」と発表されていました。それがいつの頃からか「正式には不明」と訂正され、現在ではそれが定説となっています。クリスティアーヌによると、当日なかなか起きてこないキューブリックの様子を寝室に見に行ったら亡くなっていた、というものですが、それ以外にも死の数日前から顔色が悪く、ずいぶんと疲れた様子だったと語っています。また死因を血栓によるもの、とも語っていますが詳細は不明です。

 その時、クリスティアーヌは当然かかりつけの医者を呼んだと思いますが、その医者が状況を確認した際、死に不審な点がないことから「死の状況からおそらく心臓発作か血栓によるものだとおもわれるが、正式には司法解剖が必要になる。どうしますか?」と訊かれたのだと推察しています。もちろんクリスティアーヌはキューブリックの遺体を切り刻むのを良しとはしませんのでそれを拒否、その結果「正式には(司法解剖をしていないので)不明」となったのではないでしょうか。

 キューブリックは世界的な著名人ですし、死に不審な点があれば警察が介入して強制的に司法解剖が行われたりするものですが、そういた事態になっていないのは「不審な点がない」からだと思います。つまり「死因が不明」なのは「事件性がない」証拠なのです。しかし陰謀論者はこの「不明」という言葉の響きを利用してミステリーに仕立てようとしています。まあちょっと考えればわかることなのですが、その「ちょっと」ができない人は信じてしまうんでしょうね。
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