2014年10月

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※『現金…(The Killing)』のタイトルの横に記載された『Harris-Kubrick Pictures Corporation』の表記

 キューブリックがそのキャリアをスタートさせた『恐怖と欲望』と二作目の『非情の罠』は実質的にキューブリックがプロデューサーも兼ねていた。この時代、プロデューサーの最大の仕事は資金集めで、キューブリックはその負担も強いられていたのだ。そこに高校時代の級友であるアレグサンダー・シンガーを介して知り合ったのがジェームズ・B・ハリスだ。ハリスは映画とTVの配給会社フラミンゴ・フィルムズという会社を起こし、自らも映画のプロデューサーを目指して有望な監督を探していたところだった。

 キューブリックの劇場用映画二作目である『非情…』を観たハリスはその才能に着目、キューブリックと組む事にし、その際に設立されたのが「ハリス=キューブリック・プロ」だ。そして意気揚々とハリウッドに乗り込んだ二人が製作したのが『現金に体を張れ』で、その後『突撃』『ロリータ』と製作(『スパルタカス』は実質カーク・ダグラスの個人プロダクション「ブライナ・プロ」が仕切っていたので、会社からキューブリックを監督として貸し出す形で製作された)した。

 『博士の異常な愛情』の製作に入った頃、ハリスも監督を目指す事になり「ハリス=キューブリック・プロ」は友好的に解消したが、その後も二人は交流があったそうだ。

 会社の詳細な略歴は不明だが、ハリスとキューブリックが出会ったのが1954年、コンピ解消が1962年なので、実質8年間の活動期間であった。キューブリックはその後、自身の製作会社としてホーク・フィルムズ、ペレグリン・プロダクション、ハリアー・フィルムズ(何故か猛禽類の名前を好んで使っている)を設立し、自身で監督と製作を兼任するが、実質はスタンリー・キューブリック・プロダクションで、映画製作の様々な状況によってこれらの名称を使い分けていたようだ。
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※この広告が現存していたとは・・・。

 キューブリックとハリスが完成したばかりの最新作『現金…』と自分達の『ハリス=キューブリック・プロ』を宣伝するためにバラエティ誌に出稿した広告です。あたかもUA(ユナイテッド・アーティスツ)期待の新人であるかのような(キューブリックとハリスはユナイトの専属ではなく独立プロ)この広告は当然のようにトラブルになりました。

 彼ら(※キューブリックとハリス)はできあがった広告をマックス・ヤングステイン(※ユナイトの担当者)のところへ持って行った。ハリスはヤングスタインの憤りについて話している。「『君たちは正気か。狂っているに違いない。何が、僕たちが新しいUAのチームだ。ボブ・ベンジャミン、アーサー・クリーム、宣伝担当のロジャー・リュー、そして僕。僕らが新しいUAチームだ。ここで映画を作っている他の連中が何ていうことか。みんな業者向けの広告を出したがるに違いない。君たちのせいで僕は発狂しそうだ』。僕は『分かった、じゃあ僕らだけでやろう。払ってもらわなくていいよ、マックス。大丈夫だ。僕らだけでやる』と受け答えをした。すると彼は『だめだ。許可を出さない。誰が払おうと関係ない。この広告を出すな』と言った」。

 ハリス=キューブリックは、一語一句そのままに広告を出した。彼らは『バラエティー』誌と『ハリウッド・レポーター』誌にそれぞれ1ページを使って掲載し、映画の宣伝をするために西海岸へ行った。広告が出回った。ヤングスタインは、ゴールドウィンの古いスタジオにいるハリスを突き止めた。「彼は僕に向かって叫んでいた」とハリスは思い出す。「『僕を裏切ったな。やるなと言っただろう。この広告はもう出さないだろうな』と言われた。僕らは『バラエティー』誌に出ると答えた。彼は『これ以上出したら、ユナイテッド・アーティスツは君たちの映画にまったくかかわらないで敵に回る。ここでの将来はないと思え』と言った。だから次の広告は出さなかった」

『映画監督スタンリー・キューブリック』より)

 ヤングステインの怒りはごもっともで反論の余地はないですが、この頃のキューブリックはとにかく業界内での知名度アップに躍起になっていました。こういった広告だけでなくラジオや雑誌のインタビューにも積極的に顔を出し、作品自体も興行成績を優先させるために結末を改変しようとしたり(『突撃』)、不本意な雇われ監督の座に甘んじたり(『スパルタカス』)、センセーショナルな扇情小説を映画化したり(『ロリータ』)しています。そのキューブリックが後年巨匠になると、逆に徹底的にマスコミや人目を避けるようになるのですから何とも皮肉なものです。

 出稿の日付は1956年3月21日、当時キューブリックは27歳。この年の5月20日にやっと『現金…』が陽の目を見る事になるのですが、それにこの広告が一役買ったかどうかは定かではありません。それにしても若さ故のこの「暴走」。キューブリックの事をクールで冷徹で何事も計算ずくで行動するという印象しか持ち合わせていない人にとって、この「暴走」はとても意外に映るのではないでしょうか。
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 今年はスタンリー・キューブリック(Stanley Kubrick)のパロディ。米アニメ『ザ・シンプソンズ』が毎年この時期にオンエアしている恒例のハロウィン特番「Treehouse of Horror」の新エピソードは、『時計じかけのオレンジ』『2001年宇宙の旅』『アイズ ワイド シャット』などキューブリック映画のパロディ満載なエピソード。キューブリックもシンプソンズ・キャラとなって登場します。トレーラー映像あり

amass/2014年10月21日




 『シンプソンズ』とキューブリックといえば、以前こんなパロディこんなパロディを紹介しましたが、これだけに留まらず、他にもこんなにたくさんあります。『シンプソンズ』はキューブリックに限らすパロディと引用だらけですが、めずらしいのは『バリー…』がパロディにされている事。最後にはご本人も登場しています。

 これは予告編ですので本編が気になりますが、『シンプソンズ』は著作権に厳しく動画投稿サイトに全編アップロードされてもすぐ削除されるでしょうね。その本編『A Clockwork Yellow』はこんな感じのストーリーだったようです。
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 海外エンタメサイトのWHAT CULTUREでは、「死ぬ前に見るべき戦争映画20」を挙げている。往年の名作や世界各国の作品が含まれているので、見逃しているものがあれば、これを機会に見てみるのもいいだろう。

 スタンリー・キューブリック、オリヴァー・ストーン、マイケル・チミノ、テレンス・マリック、フランシス・フォード・コッポラ、サム・ペキンパー、ウォルフガング・ペーターゼン、スティーヴン・スピルバーグ、クエンティン・タランティーノ、そして日本の高畑勲など、そうそうたる映画監督が戦争を題材に映画を制作している。

(以下リンク先へ:クランクイン!/2014年10月13日




 キューブリックの『フルメタル…』『突撃』、スピルバーグの『シンドラー…』『…ライアン』、コッポラの『地獄の黙示録』、個人的にはあまり評価していないオリバー・ストーンの『プラトーン』、『戦場にかける橋』『大脱走』『戦争のはらわた』『U・ボート』『シン・レッド・ライン』『ディア・ハンター』『西部戦線異状なし』あたりは定番ですね。『イングロリアス・バスターズ』『火垂るの墓』は戦争映画というにはちょっと違うような気もしますが。『恐怖の砂』は全く知りませんでした。アマゾンにもラインナップされていないようです(本国のイギリスではBD化済)。『特攻大作戦』『影の軍隊』『炎628』『ズール戦争』は下記のアマゾンのレビューを参考にどうぞ。この中では旧ソ連謹製の『炎628』が気になります。


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 クリストファー・ノーラン監督最新SF『インターステラー』の最新映像が公開され、『2001年宇宙の旅』(スタンリー・キューブリック監督)の“モノリス”のような物体が登場することが明らかになった。

 『インターステラー』は、世界的な飢饉(ききん)に陥った近未来を舞台に、居住可能な新たな惑星を探すという壮大なミッションを託され、子供たちを地球に残して宇宙に旅立つ主人公クーパー(マシュー・マコノヒー)の姿を描いた作品。ノーラン監督は「幼いころ、父と一緒に『2001年宇宙の旅』を観た。とても印象に残っている経験だ。本作では、同じようなスケールの作品をお届けしたいという野望があった」と明かしているが、予告編にも『2001年宇宙の旅』を思わせる“黒くて四角い物体”が歩き回るシーンが含まれている。

(以下リンク先へ:シネマトゥデイ/2014年10月23日




 「モノリスのような物体」という記事に惹かれて予告編を観ましたが、惑星に降り立ったクルーの側を歩いている黒い物体を「モノリスのような物体」と指摘しているんでしょうか?SFファンならこれを観てまず思い出すのは『2001年…』のモノリスではなく『サイレント・ランニング』のヒューイやデューイでしょう。もし本編でこの黒いロボット(?)が惑星探査を補佐するロボットだとしたら『サイレント…』へのオマージュで確定でしょうね。『サイレント…』も人類の自然破壊のため、自然を宇宙船に積んで宇宙をさまようというお話でしたが、今回の『インターステラー』はそれにちょっと似ています。

 『ゼロ・グラビティ』の成功に刺激されてSF映画の製作・公開が増えているようです。その流れで『2001年…』が再び取り上げられるようになったのも嬉しいですね。『サイレント…』の予告編は下記をどうぞ。




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