2014年02月

    このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote

アイズ ワイド シャット [Blu-ray](amazon)


Eyes Wide Shut est le moins bon film de Stanley Kubrick

Producteur des premiers films de Stanley Kubrick, ami proche du realisateur de "Shining", cineaste rare, James B. Harris beneficie d'un double honneur : la ressortie en salles de son rarissime "Some Call It Loving" ("Sleeping Beauty") et une retrospective a La Cinematheque du 20 au 30 janvier. Rencontre avec un homme qui ne fait pas ses 85 ans.

(NEWS CINE-SERIES INTERVIEW/2014年1月27日)




 この記事のプロデューサーとは、キューブリックのハリウッドデビュー作の『現金…』から『ロリータ』まで、キューブリックの初期の時代を支えたジェームズ・B・ハリスの事です。

 原文はフランス語ですので、機械翻訳でざっと読んだところかなり厳しい口調で『アイズ…』を批判しているようです。まあ、ハリスがこういうのもわかる気がします。何故ならその頃のキューブリックは映像作家系監督として成功するとの野心を一旦引っ込め、劇映画的な要素を多く含んだ作品を撮っているからです。つまりハリスはそんなキューブリックの才能を気に入っていたんでしょう。

 ハリスとキューブリックが袂を分かったのは『博士…』をブラックコメディにするか否かで意見が合わなかったのが主な原因と伝わっています。キューブリックがいよいよ本来自分がやりたかった表現を始めようとしたときにはハリスはもうキューブリックの側にはいませんでした。そしてそのキューブリックは初期の頃を振り返って、このように語っています。

 私の初期の作品が後のものより言葉的な表現に傾いていると思われるなら、それは私がある程度文学的なしきたりに追従せざるを得なかったという事情によるものだ。

『映画監督 スタンリー・キューブリック』より)


 ハリスは非言語的な視覚体験や、スクリーンからじわじわと襲ってくる独特の緊張感を高く評価するという感性はあまり持ち合わせていないでしょう。この発言でキューブリックの評価を推し量ったり、ハリスの感性を批判するのはお門違いです。個人的にはむしろ「ハリスがついに本音を語ったか」という感想を持ちました。ドキュメンタリー等でのハリスの発言は常に初期作品に限られていましたから、このインタビューは全く意外ではありません。意見や感性が違うからと言って、キューブリックにとっては重要なパートナーで、友人であった事実は変わらないのですから。
[ブログランキング参加中]  にほんブログ村 映画ブログ 映画監督・映画俳優へ      


〈PR〉
〈PR〉

〈PR〉
〈PR〉




    このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote


 中米の小国、バルバドス出身のR&Bシンガー、リアーナが2011年に発表したシングル曲『ユー・ダ・ワン』。その衣装が『時計…』のアレックスの衣装を彷彿とさせるものになっています。まあ、あのマドンナでさえ、ライブでアレックスのような衣装を採用していましたので、今更感もありますが。

 でもこのリアーナ、グラミー賞を受賞し、世界中で1200万枚のアルバムを売りまくった有名なディーバだそうですが、日本じゃ全く情報が伝わってきません。まあこの国では、小学校の学芸会レベルの衣装と音楽で、ただステージで叫んで暴れているだけの「謎の物体」がメディアを席巻しているんですから、どうしようもないですが。正直、日本の音楽業界の総白痴化にはもう匙を投げてますけどね。
 
[ブログランキング参加中]  にほんブログ村 映画ブログ 映画監督・映画俳優へ      

    このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote


 『2001年…』で、月面のモノリスが発信した怪電波が木星(小説版では土星)に向けて発信されていた事が判明したため、ディスカバリー号を調査のために木星に向かわせる事となったミッション名。

 小説版では映画版とは異なり、「木星計画」の名の下に進められていた木星有人探査計画が急遽変更、調査対象が土星に変更された事になっている。元々原案ではモノリスは木星ではなく土星の衛星ヤペタスに存在する予定だったが、当時の特撮技術では土星の輪を説得力ある映像にする事ができず、やもなく目的地が木星に変更になった。

 その後HALの反乱に遭いクルーは殆ど死亡、ただ一人残されたボーマンはスターゲートに吸い込まれて行方不明に。ディスカバリー号は無人のまま、木星の衛星イオの重力に引かれてイオに落下するという事態になってしまう。それらの経緯は小説『2010年宇宙の旅』、映画『2010年』で描かれている。

 結論から言えば「木星計画」は4人の死者(内一名は遺体未確認)と一人の行方不明者を出し、何の成果も得られず(地球側にはボーマンが何を見たのか伝わっていない)大失敗に終わった、と言えるだろう。
[ブログランキング参加中]  にほんブログ村 映画ブログ 映画監督・映画俳優へ      

    このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote




 『シャイニング』でジャック・ニコルソンがドアを斧でぶち破って言う一言「Here's Johnny!(お客さまだよ!)」は、アメリカのTVショー『The Tonight Show』のオープニングで司会者のジョニー・カーソンを呼ぶ台詞が元ネタなのはここで説明済ですが、そのジョニー・カーソンのオフィシャルYouTubeチャンネルがありましたのでご紹介。

 現在「Here's Johnny」でググるとほとんどがジャック・ニコルソンのあの顔、という検索結果になっています。でもそれではあんまりですので元ネタもしっかり認識しておいて欲しいですね。このジョニー・カーソン、すでに故人ですが、長寿人気番組だったらしくその膨大な映像ソースはいくつかiTunesでダウンロード販売されていたり、DVD化されているようです。なにせゲストが豪華ですからね。モハメド・アリ、クリントン元大統領、スティーブ・マーチン、ジム・キャリー、ロン毛のシュワルツネッガーという微妙な姿も見る事ができます(笑。

 オフィシャルサイトはこちら
[ブログランキング参加中]  にほんブログ村 映画ブログ 映画監督・映画俳優へ      

    このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote
Stanley_Hotel
キングが執筆時に滞在し、原作とTV版の舞台にもなった「スタンリーホテル」

Timlodge
キューブリックが映画化の際に外観に使用された「ティンバーライン・ロッジ」

Ahwahnee_Hotel_-_Great_Lounge
キューブリック版の内装のモデルになった「アワニー・ホテル」



 キューブリックが『シャイニング』を映画化するにあたり、大胆な改変を行ったのは周知の通りですが、今回はあまり語られてこなかった「オーバールック・ホテル」そのものの改変について考察してみたいと思います。

 原作者であるスティーブンキングが小説『シャイニング』を執筆した際に投宿していた「スタンリー・ホテル」はそのまま原作の舞台になっています。それはキングが映像化したTV版『スティーブン・キングのシャイニング』でもロケ地として使われています。一方、キューブリックは原作とはずいぶんと趣の違うホテル「ティンバーライン・ロッジ」をロケ地に選び、内装は「アワニー・ホテル」を参考にセットを組んでいます。

 まず、原作小説でホテルはどういう描写になっているか確認しておきたいと思います。小説では上流階級が宿泊する高級リゾートホテルとして描かれていて、豪華なプレデンシャル・スイートには歴代の大統領や有名人が宿泊したと支配人のアルマンは自慢げに語ります。でも実はそれは表の顔で、ギャングなどの裏社会の人間の定宿になり、血なまぐさい虐殺事件が起こったり、男を連れ込んで不倫していた金持ちの有名弁護士の妻が薬をやりすぎて死んでしまったり(これが237号室の女の幽霊の正体)、そしてある時期は売春宿として営業していたという事実がジャックによって暴かれます。一方映画ではそういった描写はなく、山小屋のロッジ風な質素で素朴な佇まいのホテルとして描かれています。

 この両者の描写の違いは何を意味するのか。それは「どうしてオーバールック・ホテルは呪われたホテルになってしまったのか」その原因の違いだと思います。小説ではそういった権力欲と金にまみれた連中がホテルで惨劇を繰り返し、その結果悪霊が棲み付くようになったという描写になっています。ジャックは「ここ(ホテル)には、第二次世界大戦後のアメリカ人ってものを示す、あらゆる指標がそろっていると思うんだ」と話しています。

 しかしキューブリックはこのアイデアを採用しませんでした。その理由は、こういったプロットに関わっていたら2時間の映画に収まらない、という現実的な判断もあったかと思いますが、最大の理由は「ホテルを主役にし、幽霊たちは脇役にする」と判断したと考えられます。小説ではホテルは物語の舞台であって、主役はあくまでそこに巣食う悪霊達です。しかしこれをそのまま映像化したTV版がどうなったかはここを見れば一目瞭然、幽霊屋敷で脅かし役をしているアルバイトの幽霊並みの陳腐な描写になってしまっています。とは言え、幽霊を描写しない事には映画として成立しません。そこでキューブリックが採用したのは「幽霊たちを脇役し、ホテル自体に霊力が宿っているかのような、神秘的で霊的な存在として描く」という方法です。そうなると原作の「豪華リゾートホテル」では画的に霊的な存在には見えません。だからキューブリックは白亜の洋風ホテルではなく、山小屋のロッジ風なホテルを採用したのだと思います。

 ではなぜ山小屋風なのでしょう。それは原作でも少し語られたドナー隊の話をヒントにしたのではないかと思います。ドナー隊の悲劇を簡単に言えば、アメリカ西海岸を目指した開拓民(ネイティブ・アメリカンにとっては侵略・強奪の民)のドナー一家が無理に冬期のロッキー山脈を超えようとして遭難、死人の肉を食いながらも一部が生還したという有名な実話です。キューブリックはこの話を車中で語らせ、またアルマンには「ここはネイティブ・アメリカンの聖地で、ホテルは彼らの墓地の上に立っている」と説明させ、ホテルの内装にはネイティブ・アメリカンの意匠を飾り、ジャックには「白人の呪い」と語らせ、更にウェンディの衣装までネイティブ・アメリカン風にしてしまいました。つまり言外に「このホテルには白人に迫害されたネイティブ・アメリカンの怨霊が巣食っている」と説明しているのです。そうなると「白亜の豪華なリゾートホテル」ではイメージに合いません。だから「山小屋ロッジ風の素朴なホテル」に改変したのだと思います。

結論:キューブリックがオーバールックホテルの外観や内装を改変したのは、映像に霊的な力と霊が存在すると感じさせるリアリティを求め、主役を悪霊たちではなくホテルにしたため。その悪霊の正体はネイティブ・アメリカンの怨霊とし、ホテルの外観や内装を山小屋風とした。

 日本ではこの「ホテルに巣食う悪霊の正体がネイティブ・アメリカンの怨霊」いう物語の根幹に関わる部分が何故か軽視され続けています。この件について検証した記事を書きましたので、ぜひご覧ください。
[ブログランキング参加中]  にほんブログ村 映画ブログ 映画監督・映画俳優へ      

このページのトップヘ