2006年06月

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jbh
James B. Harris (IMDb)
ジェームズ・B・ハリス(MOVIE-FAN)

 『現金…』、『突撃』、『ロリータ』の3作品を「ハリス・キューブリック・プロダクション」として制作を担当した初期のキューブリックのパートナー。キューブリックとは従軍時代に同じ隊だったアレキサンダー・シンガーを通じて知り合った。『博士…』をブラックユーモアに改変することに難色を示し、友好的にキューブリックとのパートナーシップを終了。その後自らも監督となり、『駆逐艦ベッドフォード作戦』(1965)、『Fast Wailing』(1982)、『ザ・コップ』(1987)などの映画を撮っている。

 1928年8月3日ニューヨーク出身。
【ご注意】当ブログの記事は「KUBRICK.Blog.jp」の明記と該当記事へのリンク(URL表記「http://kubrick.blog.jp/」でも可)貼ることを条件に、報告不要でご自由にご活用頂けます。ただし、アポロ計画やフリーメイソンなどの陰謀論、スキャンダラスな嘘記事、ソース不明の偽情報を掲載して衆目を集め、アクセスを呼び込むことを第一の目的とするデマサイトやデマ動画チャンネルの関係者は当ブログの閲覧、ならびに利用は全面禁止とさせていただきます。






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「2001年宇宙の旅」オリジナル・サウンドトラック [Soundtrack](amazon)


1. Overture: Atmospheres (Ernest Bour) (2:51)
 序曲 アトモスフェール
 Gyorgy Ligeti / Sudwesfunk Orchestra

2. Main Title: Also Sprach Zarathustra (Thus Spake Zarathustra) (1:43)
 メイン・タイトル:ツァラトゥストラはかく語りき
 Richard Strauss / Herbert Von Karajan, Vienna Philharmonic Orchestra

3. Requiem For Soprano, Mezzo Soprano, Two Mixed Choirs & Orchestra (6:33)
 レクイエム
 Gyorgy Ligeti / Francis Travis, Bavarian Radio Symphony Orchestra

4. The Blue Danube (Excerpt) (5:43)
 美しく青きドナウ(抜粋)
 Johann Strauss II / Herbert Von Karajan, Berlin Philharmonic Orchestra

5. Lux Aeterna (2:56)
 ルクス・エテルナ(聖体拝領唱)
 Gyorgy Ligeti / Clytus Gottwold, Stuttgart Schola Cantorum

6. Gayane Ballet Suite (Adagio) (5:17)
 舞踏組曲「ガイーヌ」~アダージョ
 Aram Khachaturian / Gennadi Rezhdestvensky, Leningrad Philharmonic Orchestra

7. Jupiter And Beyond / Mixed (15:15)
 木星、無限の彼方:レクイエム/アトモスフェール/アヴァンチュール
 Gyorgy Ligeti / Internationale Musikinstitut Darmstardt, Bavarian Radio Symphony Orchestra, Sudwesfunk Orchestra

8. Also Sprach Zarathustra (Thus Spake Zarathrustra) (1:43)
 ツァラトゥストラはかく語りき
 Richard Strauss / Herbert Von Karajan, Vienna Philharmonic Orchestra

9. The Blue Danube (Reprise) (8:20)
 美しく青きドナウ(リプライズ)
 Johann Strauss II / Herbert Von Karajan, Berlin Philharmonic Orchestra

10. Also Sprach Zarathustra (Thus Spake Zarathrustra) (1:43)
 ツァラトゥストラはかく語りき
 Richard Strauss / Ernest Bour, Sudwesfunk Orchestra

11. Lux Aeterna (6:02)
 ルクス・エテルナ(聖体拝領唱)
 Gyorgy Ligeti / Clytus Gottwold, Stuttgart Schola Cantorum

12. Adventures (Unaltered) (10:57)
 アヴァンチュール
 Gyorgy Ligeti / Internationale Musikinstitut Darmstardt

13. Hal 9000 (9:41)
 HAL9000の反乱 (ダイアローグ)



 『2001年…』は、クラークを始め、多くの優秀なスタッフが結集して創った壮大な「思弁映画」で、決してキューブリックの独善でなかった事は、多くの資料で伺うことができる。しかし、こと音楽については、キューブリックはかたくなにこの「セミ・クラッシック」の選曲を曲げなかった。

 キューブリックは当初、ラッシュフィルムにこれら既製曲を選曲し、とりあえずのサウンドトラックとして使用していた。その後正式に『スパルタカス』で一緒に仕事をした、アレックス・ノースにサウンドトラックの製作を依頼し、ノースはそれを完成させ、録音までしたのだが、結局これを使用せず、ラッシュにつけていた音楽をそのまま採用することにしたのだ。(その件でノースは訴訟を起こそうまでしている)

 今日観てみると、どの曲を取ってみても、あまりにもそのシークエンスにぴったりで、今なら何の違和感もなく聴くことができるのだが、'68年当時、SF映画にクラッシックを使うなどという事は到底考えられられなかった。リヒャルト・シュトラウスが高々と進化を謳い上げる「ツァラツゥストラはかく語りき」、青いドナウならぬ「青い地球」の周りで宇宙船がワルツを踊る「美しき青きドナウ」、モノリスの登場を不気味に告げるリゲティの前衛音楽…。『2001年…』の成功は、この大胆な試みの成功も大きな要因であったことは間違いないだろう。

 キューブリックはこれ以降、既製の音楽を好んで使うようになるのだが、その理由について「編集時に色んなアイデアを試すことができるから」と答えている。なるほど、編集が大好きなキューブリックらしい。

 それまで専門の作曲家が書くスコアを、シーンを盛り上げるために使うものでしかなかったサウンドトラックを、編集や映像とシンクロさせたり、特定のシークエンスで特定の曲を使い、シーンの意味を強調するという方法論は、多くの映画監督や映像作家に影響を与え、今ではキューブリック演出の代名詞にもなっている。

 尚、アナログLP盤も中古市場等で入手可能だが、レーベルの関係からか『ツァラトゥストラはかく語りき』がカール・ベーム指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏が収録されているので注意が必要。写真満載の見開きジャケットが欲しい、日本語解説が読みたいなどのニーズがない限り、このリイシューCDをお勧めする。
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Malcolm McDowell (IMDb)
マルコム・マクダウェル(MOVIE-FAN)

 1943年6月13日イギリスのヨークシャー州生まれ。『時計じかけ…』のアレックスでブレイクし、その後現在まで第一戦で活躍を続けている。主な出演作は『if〜もしも〜』(1968)、『オー!ラッキーマン』(1973)、『タイム・アフター・タイム』(1979)、『キャット・ピープル』(1982)、『ブルーサンダー』(1983)、『クラス・オブ・1999』(1990)、『スター・トレック/ジェネレーションズ』(1994)、『北斗の拳』(1995)など。ブレイクした映画が悪かったのか、なぜがSF映画が数多い。

 キューブリックは原作を読んだ時点でマルコムのキャスティングを考えていたようだ。原作にない「雨に唄えば」を唄いながらの暴力シーンはリハーサルでキューブリックに「何か歌を歌え」と言われ、唯一歌詞を諳んじていた歌として唄った事がきっかけとなった事はあまりにも有名。

 撮影中、ルドヴィコ療法シーンで目の角膜を傷つけられたり、講堂での実演シーンでは肋骨を折ってしまうなどの災難続きだったが、キューブリックとの関係は良好だったという。ただ撮影終了後、新作に夢中になるあまり、キューブリックは若いマルコムを全く相手にしなくなり、その事が元でキューブリックに対して愛憎入り交じる複雑な感情を今も持ち続けているようだ。
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時計じかけのオレンジ オリジナル・サウンドトラック [Soundtrack](amazon)


1. Title Music from A Clockwork Orange (2:25)
 「時計じかけのオレンジ」タイトル・ミュージック
 Wendy Carlos, Rachel Elkind / Wendy Carlos

2. Rossini: The Thieving Magpie (Abridged) (5:57)
 「泥棒かささぎ」序曲
 Gioachino Rossini

3. Theme From A Clockwork Orange (Beethoviana) (1:48)
 ベートヴィアーナ
 Wendy Carlos, Rachel Elkind / Wendy Carlos

4. Beethoven: Symphony #9 - .2 (Abridged) (3:52)
 交響曲第9番「合唱」 ~第2楽章
 Ludwig van Beethoven

5. March From A Clockwork Orange (Ninth Symphony, Fourth Movement, Abridged) (7:06)
 「時計じかけのオレンジ」 〜マーチ
 Ludwig van Beethoven / Wendy Carlos, Rachel Elkind

6. Rossini: William Tell - Overture (Abridged) (1:20)
 「ウィリアム・テル」序曲 ~スイス軍隊の行進
 Gioachino Rossini / Wendy Carlos

7. Elgar: March #1, "Pomp & Circumstance" (4:35)
 行進曲「威風堂々」第1番
 Edward Elgar

8. Elgar: March #4, "Pomp & Circumstance" - (Abridged) (1:38)
 行進曲「威風堂々」第4番
 Edward Elgar

9. Timesteps (Excerpt) (4:18)
 タイムステップス
 Wendy Carlos / Wendy Carlos

10. Overture to the Sun (1:46)
 太陽の序曲
 Terry Tucker

11. I Want to Marry A Lighthouse Keeper (1:04)
 ぼくは灯台守と結婚したい
 Erika Eigen / Erika Eigen

12. Rossini: William Tell - Overture (Abridged) (3:02)
 「ウィリアム・テル」序曲 ~夜明け
 Gioachino Rossini

13. Beethoven: Symphony #9 - .2 (Abridged), Scherzo, "Suicide" (3:09)
 自殺スケルツォ
 Ludwig van Beethoven / Wendy Carlos

14. Beethoven: Symphony #9 - Mvt. #4 (Abridged) (1:38)
 交響曲第9番「合唱」 〜第4楽章
 Ludwig van Beethoven

15. Singin' In The Rain (2:37)
 雨に歌えば
 Nacio Herb Brown, Arthur Freed / Gene Kelly



 これは、クラッシックや現代音楽、そしてポップ・ミュージックまでも大胆に導入し、前作『2001年…』に匹敵、もしくは凌駕するのではないかと思える程、映像と音楽のシンクロを完全に成し遂げたサントラの傑作だ。何故なら、このサントラを聴くだけで映画を完全に追体験できる程、高い完成度を誇っているからだ。

 ここで、作曲・アレンジ・演奏と大車輪の活躍を見せてくれるウォルター・カルロス(後に性転換、現在はウェンディー・カルロス)は、1968年にモーグ・シンセサイザー(現在のシンセサイザーの元祖。当時はアナログ音源を使用していた)を駆使したアルバム『スウィチ・オン・バッハ』を発表し、一躍脚光を浴びたシンセ界の巨匠で、当時のポップ・ミュージックに多大な影響を与えた事で知られている。キューブリックは、原作のベートーヴェンの扱われ方と、近未来的なイメージを両立するためにカルロスを起用したと思われるが、これ以上の的確なキャスティングはないと言っていいだろう。

 また、クラッシックからの選曲も、いかいにもキューブリックらしい皮肉(廃虚と化したオペラ・ハウスでのレイプ・シーンには「泥棒かささぎ」、刑務所での内務大臣視察シーンには「威風堂々」といった具合)に満ちていて観るものをニヤリとさせてくれる。

 サントラを聴きながら、アレックスの、まるでバレエやダンスを踊るように繰り返される暴力シーンを思い返していると、この映画は、史上初めての(以降も実現しそうにない)「暴力オペラ映画」、もしくは「暴力ミュージカル映画」と言えるのではないだろうか?だとすると、「サウンド・オブ・ミュージック」や、「ウエストサイド物語」等とおなじカテゴリーということになってしまう…(何たる皮肉!)アルバムのラストで痴呆的に流れる「雨に唄えば」が、その感をより一層強くさせているのかもしれない。

 「第九」や「雨に唄えば」のイメージを根底から覆す力を持つ映画とこのサントラ。年末や雨の日のにハッピーな気分でいたい向きには絶対お薦めできないが、その負の魔力に取り付かれたものには、常備しておきたい必携の一枚だ。
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非情の罠 [DVD](amazon)


 前作の『恐怖と…』の好評に手応えを感じ、1955年に続けて製作された自主製作映画第2弾。この映画の製作時、キューブリックはまだ若干26歳という若さだった。

 ストーリーはよくあるサスペンス&メロドラマという感じで、特に見るべきものはないが、映像的にはすごく大人びていて、とても20台半ばの若者が創った映画とは思えない。 構成がいきなりラストシーンから始まり、回想シーンになり、またラストシーンに戻ってくるという、後の『ロリータ』にも用いられている方法なので、「この頃からやってたいんだな」と妙な感心の仕方をしてしまった。また、主人公のデイヴィが見る悪夢のネガ・フィルム(『2001年…』のスターゲートの「原始の惑星」)や、悪漢の手下の手に握られたトランプのズーム・アップ(『博士…』のB-52の暗号封鎖シーン)、マネキン工場での斧を使った格闘シーン(『シャイニング』)など、その後のキューブリック演出の萌芽が見られるのはとても興味深い。だが、ラストシーン前のこの映画一番の見せ場、倉庫での格闘シーンがいまいち盛り上がりに欠けている。プロットが弱く、グロリアの性格付けも明確でなく、脚本も荒いためだろう。

 また、1955年に再婚したバレリーナのルース・ソボトゥカがダンサー役でこの映画に出演している。「自分の嫁さんの踊っている姿を、スクリーンで観たい」いう理由だけで…。この映画に限らず、キューブリックが度々身内を役者やスタッフして使うのは、常に自分の身近にいるので、赤の他人よりコントロールしやすいという理由からなのかも知れない。

 この映画が日本で公開された際、当時の輸入映画の制限枠のため、バレイのシーンなどカットし、短編映画として輸入、上映されたという経緯がある(のちにフル・バージョンでリバイバルされた)。お世辞にもいい作品とは言えないので、コアなファン以外にはお勧め出来ないが、キューブリックにしては珍しくハッピー・エンドだし、かなり商業性も意識した作りのため、そういう意味では貴重な作品と言えるだろう。

 作品全般に漂う青臭さが気恥ずかしいのか、キューブリックはこの映画を振り返って「唯一誇れることは、私のようなアマチュアの環境で長編映画を創り、世界配給を成し遂げたものは、それまで誰もいなかったということだけだ」と語っている。その意味では「原点」とか「萌芽」とか堅苦しい事は考えず、気の合う仲間とワイワイ楽しく映画を撮るキューブリックの姿を想像しつつ、微笑ましく鑑賞するのが正しい姿かもしれない。
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