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 以前全米で行われた『時計…』の特別上映で、前売り特典のTシャツを制作していた映画グッズの制作・販売会社「モンド」から、今度は『2001年…』のファッションアイテムが発売になりました。

 ワーナーから正式にライセンスを獲得しただけあって、クオリティも申し分ないですね。個人的には一見『2001年…』とはわからない「COMPUTER MALFUNCTION」のTシャツが好みですが、赤は似合わないからなあ。日本への発送が可能かどうかわかりませんが、25〜49ドル(約2,800円〜5,500円)ですので、もし買われた方がいらっしゃいましたら是非掲示板に感想を書き込んでください!

 その他のアパレルグッズはこちら。『時計…』もカッコイイですね。
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※クリックで拡大


 非常に興味深い資料です。1965年7月9日作成のもののようですが、この時点では撮影は特撮部分も含めて1966年9月中旬で終わらせる予定だったんですね。引き続き年内はポストブロダクションに当てて、公開は1967年初頭と考えていたようです。ところが大幅にスケジュールがずれ込んでしまい、1967年になっても撮影は続き、カチンコによると1968年3月6日、つまり公開直前まで行われていました。

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※シーン欄の「SJA」が何を示すのかは不明。キューブリックは誰が観ても納得する説得力のある宇宙人を登場させるため、ギリギリまで粘っていたそうなので、そのシーンかもしれない。

 あと「LOCATION」の文字も興味深いです。この時点ではロケも考えられていたんでしょう。撮影開始は1965年11月からとなっていますが、実際は1965年の年の瀬からでした。既に約二ヶ月の遅れですが、これはキューブリックの「徹底したこだわり主義のせい」と言えるでしょう(笑。有名な「クラークがアリエス1B宇宙船のコクピット内装を、中華レストランに見えると口走ったばっかりに、キューブリックがスタッフにセットの作り直しを命じた」事件は1965年11月10日ですので、その影響もあるでしょう。

 キューブリックはスタジオ側のスケジュールに縛られず、「完成したら公開する」という絶対的権限を持っていた監督です。他の監督がキューブリックに憧れるのは、こういった点が羨ましいと思われているのも一因でしょう。しかしその権限は長い間の苦労と強い意志、そして絶え間ぬ努力と闘争によって獲得したのだという事実は忘れないでほしいですね。
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 今ハリウッドで最も旬な2人、ジェニファー・ローレンスとクリス・プラットをダブル主演に迎え、極限状況に置かれた男女の愛と運命を壮大なスケールで描くスペース・スペクタクル・ロマン『パッセンジャー』(2017年3月24日日本公開)。極限状況に置かれた、男女の愛の物語の裏に、あの名作サスペンス『シャイニング』(80)の要素があったことを、主演のクリス・プラットが明かした。

〈以下略〉

(全文はリンク先へ:ハリウッドニュース/2017年4月1日




 現在公開中の『パッセンジャー』に、『シャイニング』のオマージュが仕込まれているという話はチラホラとネットでも話題になっていましたね。上記の予告編にもオマージュされたバーシーンが登場しています。シャイニングカーペットらしいものもチラっと映りますね。宣伝部的には「宇宙版タイタニック」として売り出しているみたいですが、他にも様々な要素が盛り込まれているようで、評判は悪くないみたいです。

 ただ・・・ハリウッドニュースさん、「ジャック・ニコルソン演じるロイドは、誰もいるはずのない無人のバーに度々出入りし、ロイドという存在しないバーテンダーと語らう。この時点からロイドの精神状態は少しずつおかしくなり始めるのだが・・・」って完全に間違ってますよ。ジャック・ニコルソンはロイドではなくジャック・トランスです。ロイドはバーテンダーの名前ですね。またもや「ちゃんと観たんかい!」とツッコミたくなる初歩的な間違いですが、これで「ハリウッドニュース編集部」って名乗っちゃうってどうなんでしょ? ロイド→ジャックの単純な間違いなんでしょうが、校正もロクにしないネットメディアの情報の正確性ってこんなものなんでしょうね。

 元ネタのバーシーンはこちら。

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※『シャイニング』のエンディングに登場する1921年の独立記念日パーティーの写真。この写真の合成前の元ネタ写真はこちら

The Shining producer explains ending changes

The Shining is a horror cinema masterpiece, and figuring out its haunting and iconic ending was no easy task for Stanley Kubrick. Below, executive producer Jan Harlan and screenwriter Diane Johnson (who wrote the script with Kubrick) explain in greater detail than ever before how the legendary director considered several very different conclusions for the iconic 1980 film.

〈以下略〉

(全文はリンク先へ:Entertainment Weekly/2017年3月30日




 ざっと翻訳ソフトを使って読んだところ

・キューブリックはホラー映画に興味はなかった。
・キューブリックはダニーと父親との関係に最も興味を持っていた。
・キューブリックはスプラッターシーンを好まなかった。
・スタッフがキューブリックにラストシーンの説明を求めたところ「幽霊映画だ、忘れなさい」としか言わなかった。

 なおかつハーランやジョンソンの見解として

・ストーリーや制作上の連続性の欠如(ミス)が多くの陰謀論を生んでしまった
・屈辱的なのはホロコーストと結びつけたもので、それはホロコースト被害者を侮辱するものだ。
・ジャックがスクラップブックを地下室で発見するシーンは重要だと思っていたがカットされてしまった。

 新しい事実として

カットされた病院のシークエンスを写したポラロイド写真はキューブリックの三女、ヴィヴィアンが撮影したもの。

 残念な話として

・未使用やカットされたシーンのネガは全て廃棄された。

 このインタビューにはキューブリックとともに小説の脚本化を担当したダイアン・ジョンソンも同席していますが、彼女は「ジャックはどういうわけかホテルの輪廻を通した存在でした」という『シャイニング』の物語の核心部分を語っています。これはキングの小説版とは決定的に違う考え方です。小説『シャイニング』は、シャイニングというタイトルの着想源がジョン・レノンの曲『インスタント・カーマ』であることから、「カーマ」つまり「業(因果)」がテーマになっています。

 小説では過去にホテルで行われた数々の悪行が「業(負の因果)」として積もり積もってゆき、やがてホテル自体が悪霊を呼びよせる悪魔のような存在へと変質していったことが示唆されています。しかしキューブリックはこの「ホテルを悪の化身」としたアイデアを採用せず、ホテルを「輪廻を繰り返す時空を超えた存在」として描いています。なぜ物語の根幹に関わる重要な変更をしたのかというと「輪廻によって現在と過去が結びつかなければ、アメリカという国が持つ過去の忌むべき歴史に言及できない」からだと思います。

 この件はここでも検証しましたが、それも含めて整理しますと

●原作小説

ホテルの正体:悪魔
その理由:ホテルで行われた数々の悪行(業・負の因果)の結果
幽霊たち:悪魔の忠実なしもべ
ジャック:ダニーの聖なる力(シャイニング)を手に入れるための捨て駒
ダニー:聖なる力を持つ少年(天使)

●映画版

ホテルの正体:輪廻を操るネイティブアメリカンの怨霊
その理由:ネイティブアメリカンの聖地を汚し、土地を奪ったから
幽霊たち:ネイティブアメリカンの怨霊によって殺され、輪廻に閉じ込められた白人の霊
ジャック:ネイティブアメリカンの怨霊によって殺され、輪廻に閉じ込められる
ダニー:???(ダニーのシャイニング能力についてははっきりとした説明はない)

ということになるでしょう。

 よくキューブリック作品は「ストーリーが破綻してしまい、結局観客に投げっぱなし」と誤解されるのですが、そんなことは絶対にあり得ず、こういった「裏設定」がしっかりと構築されています。よく知られているのは『2001年…』ですが、これはもう一方の原作者であるクラークが、積極的に情報を開示したからで、『シャイニング』『フルメタル…』『アイズ…』にも裏設定は確実に存在すると思います。ただ上記の記事の通り、スタッフが訊いても「忘れなさい」としか言わない説明嫌いのキューブリックからそれを導き出すのはかなり大変です。このブログでも様々な検証や論考を記事にしていますが、これらはあくまで管理人個人の考えでしかありません。まあでもご覧になっている方の「とっかかり」程度にはなるかと思いますので、是非参考にしてみてください。
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 1960年代くらいまでのハリウッドは動画の説明にある通り、全体を明るく照らすキーライト、影に当てる補助光のフィルライト、輪郭を強調するために後ろから当てるバックライトの三点照明が一般的でした。しかし報道カメラマン出身のキューブリックは、いかにも「スアジオ内で撮影されました」感ありありのこのライティングを好まず、初期の頃から「自然光撮影」を好んで採用してきました。ただ、この「自然光撮影」という言葉は自然光、つまり人工照明を一切使わず、天然の自然光のみで撮影されたかのような印象を与えてしまうのであまり適切とは言えません。この動画のタイトルも「Practical Lighting(現実的照明)」となっていますので、当ブログでも今後は「現実的照明」もしくは「現実照明」という表現を採用したいと思います。

 キューブリックは屋外ロケでも屋内ロケでもスタジオ撮影でも、「現実にそこにある光源」をそのまま利用するソース・ライティングを基本に、それを補助したり、強調したりする目的で照明を使用しました。よく引き合いにだされる『バリー…』でのロウソクのシーンですが、ロウソクの光源だけで撮影したわけではなく、気付かれない程度に補助的に人工照明も使用しています。

 また、キューブリックはセットも照明の効果を最大限に引き出すことを考慮したデザインをさせ、『シャイニング』ではニコルソンの狂気の表情をより効果的にするためにバーカウンターにライトを仕込んだり、トイレのドアをノックするシーンでは、さりげなくテーブルランプを顔の下に置いたりしています。さらに『アイズ…』では照明が与える視覚的な印象を最優先に考えて、劇中の時期をクリスマスにしたのだと考えられます。クリスマスのイルミネーションや室内のクリスマスツリーの輝きが、妖しい物語全体を美しく彩っています。それはキューブリックが照明が映像に与える効果を計算の上、脚本に干渉して物語の時期を指定したのでしょう。

 こういった「視覚優先」の映画作りができるのも、キューブリックが映画制作の全権を掌握しているからに他なりません。分業制が確立し、それぞれの役割を果たす権利を、それぞれが強固に握っているハリウッドではセットデザイナーや脚本家の意見が優先され、いかに監督といえどもそれを簡単に覆すことはできません。キューブリックはインタビューでハリウッドに背を向けた理由を「スキャンダルや噂話など、映画制作に関係ないことで煩わされたくないから」と応えていますが、この「分業制と権利意識による弊害」を嫌ったのも大きな理由だと思います。

 『007私が愛したスパイ』で、敵基地のセットデザインをピカピカにしてしまったケン・アダムは、どう照明を当てていいのか途方に暮れた挙句にキューブリックに助けを求めたというエピソードからも、いかにキューブリックの「照明に対する知識と経験の豊富さ」が周囲に認められていたかを伺い知ることができますね。
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